マイ・ビューティフル・デイズのレビュー・感想・評価
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それは目標であり夢であり憧れ
29歳英語教師のスティーヴンスと、彼女を好きな行動障害があり投薬をしている高校生のビリーの話。
校外で行われる二泊三日の演劇コンクールに参加することになったビリー他3人をスティーヴンスが引率しことが起こっていくストーリー。
共にコンクールに参加したサムやマーゴットを含めた青春ストーリーでもあるけれど、基本は二人を軸に話が展開して行く。
行動障害とはあるけれど、そんな様子は全然無くて、そんなこというならスティーヴンスの方がよっぽどそうだろうという感じがしてしまい、話題づくりのムダ設定。
結局のところ、先生に惚れた普通の高校生と、隙をみせて調子に乗せたことに気づいて上手く繕った先生、という大した盛り上がりもない恋愛映画という風にしか感じなかった。
You gotta stay outside. 先生、正論ですけど生徒は? なんのこっちゃ?
All right. Welcome to round one.
Today we learn what's you, what's me, and what's us.
Okay. First up is the group from Franklin High School.
Uh, let's start with Margot Jensen.
-Hi, I'm Margot Jensen from Franklin High School.
-And today I'll be preforming one of Blanche DuBois'
-monologues from Tennessee Williams' "A Streetcar Named Desire".
When I was 16, I made the discovery..............Love
All at once and much, much too completely.
But I was unlucky........... 台詞を忘れた! 一同固まる。トホホ💧
マーゴオゥ自ら壇上を降り退場
マーゴオゥの失敗を慰めようと29歳の英語教師、独身、レイチェル・スティーブンスがマーゴオゥをトイレまで追いかけて、隣同士、便器に座りながら彼女を元気付ける。
...................................(略) 一通り話が終わるとレイチェルに対して
Are your jeans touching the toilet seat? .... Yeah.
Gross. 立ち直りの早いマーゴオゥちゃんでした。
夕食時、ビリーの一言で動揺したレイチェルが、3人を放ってワンナイトスタンドの相手の別の学校の教師ウォルターの部屋を訪れると意外にも彼から、「俺無理だから。結婚しているから。」とむげに断られてしまう。仕方なく部屋に戻ると、ビリーが彼女の事をお腹が減ってはしないかと心配になり、スナック菓子を持参してレイチェルの部屋をノックする。するといきなりビリーが........!彼女の部屋でし始めたこととは.....?
Ugh! Billy..... What are you doing? Billy.
You love asking that question. .... Excuse me?
I'm just jumping on the bed. してはいけませんよ。なんてね。
Don't be sad.
Don't be sad. Don't be sad. ベッドの上で飛び跳ねるビリー
I'm not. Billy, I'm not.
Don't be sad. Don't be sad. そうは言っても優しいビル。
その後レイチェルは誰にも言っていないことをビリーに話してしまう。その秘密を話してしまう感情こそが、一つの小さな愛の始まりなのか、彼女自身も言い知れない心の揺さぶりを感じている。翌日、ビリーのパフォーマンスが成功裏に終わると。しかしビリーの様子が
Up until a week ago, I was prety straight.
The medication, right.
I'm saying, look .....I'm saying I'm sad, too, Rachel.
But the pills I take to make me not sad,
they make me feel nothing.
All right. Those are my options.
Sad or numb.
So I stopped taking them, and I didn't tell anyone.
..................................................................
ビリーの様子は、興奮気味を通り越し、感情失禁をしている。しかもレイチェルに言うだけ言って、どこかに消えてしまう。このような言葉の余韻を残して、薬がなければただの何もない人であるウイリー・ローマンなのか?
I'm not bringing home prizes.....Anymore.
And you're going to stop waiting for me to bring them home. Pop.
I'm nothing.
I'm just what I am,
that's all.
レイチェルは、たまたま外にいたウォルターに先ほどあったことを話すと、教師と生徒の関係を普通の教師として誰もが接しているような回答を彼女にアドバイスする。その紋切り方の言葉を受け入れるのか? レイチェル。
この映画に対して、とりとめのない事を書いてしまったが、それなら書くなってか? レイチェルは亡くなった母親の影を引きずり、その言い知れない寂しさも相まって、むかし母親が一人娘のレイチェルを育てるために演劇を諦め、それでもレイチェルが育つと演劇の世界に戻りたいと仕事をしながらでも復帰したかつての母の舞台の題目を彼女は母親を失ったという現実から逃避しているように見るのを拒んでいた。その閉ざした心をビルという青年から”悲しみ”という文字を取り除いてもらうことが出来た彼女。オープニングになぜ彼女がそこにいるのかが改めてわかる映画。ちょうどよい心地にしてくれて誰も傷ついていない、そんないい映画。
少しだけ不思議でいい感じの場面。競技会場に行く車中でレイチェルが”私、オバさんだから”と言ってラジオでかけているおなじみの曲。マーゴオゥの言う”Daddy's music”なら、ママス&パパスの曲、知らない人も知っているAmericaもカバーしている”ないもののあこがれ”のニュアンスのある曲”California Dreamin'”をたいていの映画が選ぶはずが、レスポールギターによる甘い音色の前奏で始まり、名曲Americaの”Sister golden hair”をチョイスしたのは、今は現れない憧れの人への妄想的告白を意味しているのか? Americaはイギリスの3人組のバンド。それなら何故、Americaなのか?
”欲望という名の電車”、”セールスマンの死”、”華麗なるギャツビー”などアメリカを代表する、世界を代表するとも言ってよい小説や戯曲といったものを生徒さんたちが寸劇で競い合うコンテストを題材にしている本作。多少競技会の部分は何か物足りなさを感じてしまうけれども、全米から集まって大掛かりな大会もあるという事なので、映画として盛り上がるのかもしれない。余談としてこの映画に出てくるテストで ”the Gatsby test” というものも出てくるけれども日本でもよく似たテストってあるのかわかりません。
ご主人のジョーダン・ホロウィッツと共同執筆をした初長編映画を製作したジュリア・ハート監督。監督自らインタビューに答えた中から、彼女自身が25歳から5年間、英語の教師として勤めた経験があることも述べているが、それよりもインタビュアーから「映画”ミス・スティーブンス”がとても爽やかだった理由の1つは、主人公が本物の欠陥と欲望とのニーズを持つ本当の女性だと思いますが、それについてはどうお考えですか?」と問われた監督は「YES・・・・・・(繰り返す)私は女性の話をするためにここにいます。 つまり、人間の女性の物語を伝えるためにここにいるのです。 私は女性監督です。 映画のタイトルをとても誇りに思っていて、現実には 私はママディレクターでもあります。 前に言ったように、女性の話は非常に少なく、女性の語り手は非常に少ないため、高いところから大きな声を出さないと誰も振り向いてくれません。」
アメリカの雑誌’The Atlantic’が端的にこの映画を表している「小さい物語、好感の持てる映画。」と。
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