エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語のレビュー・感想・評価
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モンゴル高原に雨が降る
ゴールデンレトリーバーもいいな。しばらく不人気だった犬種だけど、この映画によってまた人気が出そうな予感。庶民には手が出ないフェラーリ。レーサーのデニーはF1を夢見て愛犬にエンツォと名づけたのだ。講師や整備工もしながらストイックなデニー。やがて恋をしてイブと結婚、女児ゾーイが生まれた。
TVが大好きで、特にカーレース番組が好きな犬エンツォ。サーキットにも連れて行ってもらい、生まれ変わったらレーサーになるんだと夢見るのだ。家族ともうまくやっていて、彼らのピンチをも救ってくれる賢い犬。しかし、レーサーという不安定な職業や、イブの病気によって家族は苦境に立たされる。
どんなときでも犬は人間の友だち。ケビン・コスナーの声もなかなか合っているし、ゼブラの人形が悪魔に見えるという犬らしい性格も・・・。TV番組で覚えた「モンゴルでは犬が一生を終えると人間になる」ことを胸に秘め、デニーの相棒を生涯演じるのだ。
老犬となり、最後にサーキットで車に載せてもらうエンツォ。もう君は人間だよ!そしてデニーにとっても夢に近づき、愛娘ゾーイとイタリアへと渡る。最後にはイタリアの少年がデニーにサインを求めてくるが・・・ここで涙腺決壊。いい犬生だった。CCRの「雨を見たかい(Have You Ever Seen the Rain)」がにくい演出を締めくくる。
犬を飼ってる人は必見。これだけ飼い主との絆を感じる犬映画は珍しい。目線が犬にならず、家族愛の映画なのに、陰で支えるエンツォの心にはグッとくるのです。あぁ、こんな犬生が送れるのなら、生まれ変わったら犬になりたい・・・
ラストシーンのひとコマで★0.5アップ!
老犬エンツォが天国に召されて8年後。
8歳と覚しき男の子が主人公の前に登場して、自分の名はエンツォと名乗るシーン。
劇中のモンゴルの神話がオーバーラップし、この子はエンツォの輪廻転生と主人公は確信する、このシーンが最後の盛り上がりを決定づける。
いいラストだった。
最高にあったかくてかっこいい飼い主
犬のエンツォの視点で飼い主のレーサー、デニーの人生を描いた作品。
軽い気持ちで見た作品だがとっても良かった。
まず、デニーが優しくてあったかくて努力家で最高にかっこいい。レースも強くて、素晴らしいまさに漢という感じだが、暑苦しくもない。
ゴールデンレトリバーのエンツォは、フェラーリから名付けられた。デニーはいつかフェラーリのチャンピオンレーサーになる事を夢見ているから。運転の腕は本物で、機会をひたすら待っている。
夢を追いながらイブと結婚。1人娘ゾーイを授かる。レーザーという留守がちで危険を伴う仕事にイブは寂しい思いをする事もあるが、誰よりデニーの夢が叶う事を応援しているイブ。
そのイブが脳の病気に倒れ、手術、闘病を経て天に召され、元々デニーの不安定な仕事を気に入らずにいたイブの両親は、ゾーイの監護権を勝ち取るために訴訟を起こすと言い出し、州から出られないためレースにも出られない、ゾーイにも90日間接近禁止、弁護士代は嵩むが収入は得られない、、と愛するイブを失ったばかりなのに困難が続々と。
ここで、愛するゾーイを失わないために仕事を変える決断をする人もいると思うが、デニーは諦めなかった。
終始寄り添うエンツォ。イブを迎え、ゾーイを見守り、デニーの気分転換を促したり、そっと寄り添ったり、諦めない勇気を与える。
最初から、犬を飼うというよりも、相棒、親友を得る気持ちだったデニーが最期まで、どんなに余裕がない時もエンツォに優しく接している。
こんな飼い主がいたら幸せな人生だろうな。デニーとのサーキットドライブ、どれだけ幸せな気持ちだっただろう。デニーの人徳がただただ素晴らしくて、大好きな作品になった。
最期に、モンゴルでの逸話どおり、人間の少年に生まれ変わったエンツォ。サーキットが大好きでフェラーリトップに登り詰めたデニーに憧れて会いにくる。
気付くゾーイも素晴らしい。
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