「最高にあったかくてかっこいい飼い主」エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
最高にあったかくてかっこいい飼い主
犬のエンツォの視点で飼い主のレーサー、デニーの人生を描いた作品。
軽い気持ちで見た作品だがとっても良かった。
まず、デニーが優しくてあったかくて努力家で最高にかっこいい。レースも強くて、素晴らしいまさに漢という感じだが、暑苦しくもない。
ゴールデンレトリバーのエンツォは、フェラーリから名付けられた。デニーはいつかフェラーリのチャンピオンレーサーになる事を夢見ているから。運転の腕は本物で、機会をひたすら待っている。
夢を追いながらイブと結婚。1人娘ゾーイを授かる。レーザーという留守がちで危険を伴う仕事にイブは寂しい思いをする事もあるが、誰よりデニーの夢が叶う事を応援しているイブ。
そのイブが脳の病気に倒れ、手術、闘病を経て天に召され、元々デニーの不安定な仕事を気に入らずにいたイブの両親は、ゾーイの監護権を勝ち取るために訴訟を起こすと言い出し、州から出られないためレースにも出られない、ゾーイにも90日間接近禁止、弁護士代は嵩むが収入は得られない、、と愛するイブを失ったばかりなのに困難が続々と。
ここで、愛するゾーイを失わないために仕事を変える決断をする人もいると思うが、デニーは諦めなかった。
終始寄り添うエンツォ。イブを迎え、ゾーイを見守り、デニーの気分転換を促したり、そっと寄り添ったり、諦めない勇気を与える。
最初から、犬を飼うというよりも、相棒、親友を得る気持ちだったデニーが最期まで、どんなに余裕がない時もエンツォに優しく接している。
こんな飼い主がいたら幸せな人生だろうな。デニーとのサーキットドライブ、どれだけ幸せな気持ちだっただろう。デニーの人徳がただただ素晴らしくて、大好きな作品になった。
最期に、モンゴルでの逸話どおり、人間の少年に生まれ変わったエンツォ。サーキットが大好きでフェラーリトップに登り詰めたデニーに憧れて会いにくる。
気付くゾーイも素晴らしい。