「アニメ映画史に残るべき傑作」2分の1の魔法 ヒレさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメ映画史に残るべき傑作
2020年公開の映画だったのに2025年のGWまで見なかったことを後悔してます。
当時は予告を見てそこまで惹かれなかったので見逃してましたが、いやはやこれは埋もれてる傑作だと思います。
初めの方はよくある魔法の世界の話で、映画のセオリー的に"もうこの序盤の感じで始めたらここから面白くなることは無いだろう"とタカをくくってましたが、中盤に差し掛かるくらいから、ナニコレ?こんな映画見たことない!展開が読めない!どうやって作ったのか分からない、こんな心の掴み方ある?!と息もつかせない驚きの連続でした。
「2分の1の魔法」の意味は、蘇らせようとした父が2分の1の意味と見せかけて、兄弟2人で杖を握って完成させる魔法がクライマックスに来る、と予想してたのですが、その予想も折り込み済みで作られてました。
2人で杖を握りそうなとこであえて手を引っ込めて描かれてるのを見て、いや凄いわと。やられた感じです。
しかもこれキャラクターデザイン見てください。視覚的にときめくようなイケメンやカワイイキャラが1人もいないんですよ。(失礼)
もちろんパンチラ等のサービスショットで画面に惹き付けたりもなく、言わば両手縛られた状態で作ってるくせに、ここまでキャラを好きになれて画面に引き込ませる技術なんなんですか。余裕を見せつけられてる感じがして悔しかったです。
深い。そして面白い。
すごくハラハラさせられるところもあり、心がぎゅっと締め付けられるところもあり、予定調和では収まらない複雑な人間の人生を包含しながらちゃんとハッピーエンドになっている。
自分的にはアナ雪並かそれ以上に面白かった。
アナ雪より後の2020年に作られた意味がある作品だと思います。
これまでのアニメの系譜も織り込んでおり、これはアニメ映画史に残っていくべき作品だと思いました。
私のように見逃してるアニメ映画好きは絶対見てください。オススメでしかありません。