「期待以上」HOKUSAI mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
期待以上
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正直配役や事前のレビューとかではあまり期待はしてなかったが、これがどうしてよく描けている。唯一難点はチャプターを設けたことで、北斎の人生の説明のような感じが出てしまったこと。それ以外はキャラは立ってるし、配役もめちゃくちゃ合ってた。と言うより演出と配役の相性が良かったというべきか。写楽の描き方や北斎が波を一つの主要モチーフに選ぶプロセス、長野にお栄と旅する描き方もめちゃくちゃリアルで良かった。設楽と田中のシンクロ画像も一時のATGを思い出して監督の意気込みがよく伝わってきたし、柳亭種彦との関係や種彦の死に関する解釈、また歌麿、写楽、北斎を同時の画面に登場させて演出する場面はルネサンスのボッテチェルリ、ラファエロ、レオナルドが一堂に会する場面のようでもあって興奮を覚えた。映像も脚本も考証も配役も全てにおいてよくまとまったエンターテーメントであったと言ってよい。
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