「制限されるから発展する」HOKUSAI あいうえおさんの映画レビュー(感想・評価)
制限されるから発展する
コマーシャルで気づいたとき、緊急事態制限の今のタイミングで行っていいのか迷ったが、朝の報道番組で吉永小百合さんや他2名の女優さんの悲痛な訴えから、迷いがなくなった。
小学生の時、ゴッホを題材とした映画で、「この大胆な構図...」と、北斎の絵が出てきたことに、西洋かぶれしていた当時の私は、それが不思議な感覚だったことを覚えている。
数年前からの北斎ブームで、様々なメディアからの解説でファンになり、あべのハルカスまで北斎展に行くようになった。
しかし、作品のすばらしさはわかったが、、時代背景は無知だった状態。
こんな私にとって、この映画はとてつもない衝撃であり、今、元気を失っている人たちに見ていただきたいと思った。
鎖国が手伝って、文化が発展した江戸時代。
浮世絵は後押しがあって発展した文化だと思い込んでいた。
しかし、大衆には支持されながらも、おかみからは迫害の対象になっていた。
迫害される中、それを恐れぬ獅子たちの意志が創り上げた文化。
後半、抵抗なく流れる不思議な涙が、首から胸に流れっぱなしになった。
4章でまとめてくれていたが、よくこの時間内にうまく表現できているなあと、あとから振り返りながら感じるところです。
映像も役者の演技も画面に引き付ける魅力があり、個々の代表作品とのつながりもわかるようになっているので、おもしろいだけでなく知識に深みが増して、作品に感謝。
個人的には、北斎の才能を継いでいる娘のおえいさんの映画もできればとか思っている。
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