「終始ジョジョの優しさが溢れている良作。」ジョジョ・ラビット アルさんの映画レビュー(感想・評価)
終始ジョジョの優しさが溢れている良作。
まず何よりジョジョ役のローマン君凄い。台詞一言に、感情を乗せるのがとても上手い。そして、目と表情で声の無い台詞を言える。
ジョジョの成長=考え方の変化を、ジョジョの視点で楽しめる。頭の中に居る妄想の友達アドルフを、監督タイカ・ワイティティ自ら怪演。
ジョジョの母ロージーを思いっきり演じた、スカーレット・ヨハンソンは圧巻。何度もあった伏線に自分は全く気付かず、人として、母としての優しさに、完全に心酔して観入ってしまった。
同日公開【リチャード・ジュエル】にも出演。サム・ロックウェル演じる、キャプテン・Kことクレンツェンドルフ大尉。両作品で、口の悪い味方を演じているが、さりげなく、そして全てを語らない優しさ。男が男に惚れる。とにかくカッコ良い。
ジョジョの成長の切っ掛けになる、ユダヤ人のエルサ役トーマシン・マッケンジー。凛とした芯の中に見える弱さも絶妙。
戦争という時代背景、独裁、人種差別、国に洗脳されがちな偽りの正しい事。デリケートな内容をコメディで優しく楽しく。現実と理想とのギャップに悩みながら、少しずつ成長していくジョジョの外側から、終盤、一気に盛り上げる演出は必見。
新しい切り口の戦争映画、オススメです。
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