「厳しい時代を甘いオブラートで包んだ逸品」ジョジョ・ラビット エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
厳しい時代を甘いオブラートで包んだ逸品
第二次世界大戦末期、連合軍に降伏間近のドイツを舞台に、軽妙かつ簡潔な語り口で、全体主義を笑い飛ばしながらもキッチリと批判する逸品。子供が主役とか、いい話しとか、苦手なはずなのに何故か大好きな作品になった。
ジョジョと母親(スカーレット・ヨハンソン)との関係性が最高にイカしているし、ジョジョの教官だった大尉(サム・ロックウェル)はリベラルで真にかっこいい男だったし、ジョジョと初恋の人となるユダヤ人少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)との触れ合いは愛おしいし……。
そう、登場人物が愛おしくて仕方ない。この作品が愛おしくて仕方ない。
アドルフ・ヒトラーを心の友にしていた少年が本当に大切なことを知る瞬間に感動し、ヒーローズのイントロにジョジョやエルサと一瞬に体を揺らす自分がいた。
今年の外国映画のベストの一本だろう。
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