「すべてを経験せよ、絶望が最後ではないのだから(リルケの詩) 戦争中...」ジョジョ・ラビット xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
すべてを経験せよ、絶望が最後ではないのだから(リルケの詩) 戦争中...
すべてを経験せよ、絶望が最後ではないのだから(リルケの詩)
戦争中にも関わらず、出てくる人たちに悪い人はいなかった。
あのアドルフ(タイカ・ワイテティ監督自ら演じた)にしても、どこかひょうきんな感じでどっか迷いつつおしゃべりしてる感じだったし、
教官役のK大尉(サム・ロックウェル)なんかは、酸いも甘いも嚙み分けてて渋かったし、
ジョジョのママ(スカーレット・ヨハンセン)は善悪をはっきり持った素敵なママさんだったし、
ジョジョ唯一の友達太っちょポーキー?も、ポイントで出てきていい味出してたし、
そして、「アンネの日記」を思い浮かべずにはいられない美少女エルサ。
話すことによって、どんどんエルサの心情がわかってきて最後には恋してしまう。
お腹の中を蝶々が飛び回る感じ!
そうなんだよね、あらゆる経験がジョジョを成長させていく。
リルケの詩は、まさにこの映画を言い得ているんだと思った。
「ジョジョ・ラビット」をみ終わった時、詩情あふれる映像に涙があふれた。
そう、ちょっと「ニューシネマパラダイス」に似た雰囲気があった。
重苦しい雰囲気、戦争から解放された時の爽快感というのだろうか。
ぎこちないジョジョのダンスにそれが現れていたと思うのだ。
それから、分断と差別ということ。もっとも大きな分断は戦争だろう。
有無を言わさず、一方に押しやって、もう一方をヘイトする。
ナチスならユダヤにしたように、考える暇を与えず、そうしなければ自分がやられる。
そんなことにならないようにしなければと思う。民族的な優劣なんてないんだと思う。
個人的な個性の違い、環境による違いはあったとしても。
話し合えば、わかってくる。ふれ合えば、理解できる。
ジョジョがエルサに感じたようにね。