「よかった。」ジョジョ・ラビット ぜっとさんの映画レビュー(感想・評価)
よかった。
面白かった。
個人的には「この世界の片隅に」を思い出しました。
戦時中なのに街が明るくパキっとしてたり、意外と楽しそうに日常してたり。
X-dayからのトーンの変化があったり。
パキっとしてるトーンはソーのラグナロクを見るに監督の味かな。
ちゃんと最終盤でそのパキっとしてた街が崩れてる…ってのも観れたし。
差別だったり、正しい選択についての話だったのが現代アメリカだし、それこそ選択肢の増えてらっしゃるドイツにも通ずる話だったんじゃないですか。
たぶんな。
要は普遍的かつ現代社会的な話よ。
ただの反戦映画ってだけじゃねぇわな。
差別や戦争を無くすには人を愛して思いやること。
シンプルで力強いじゃない。
すごく好きだったのが劇中のとある人物との別れの、子供目線からすーっと触れられてたある物を捉えて…のショット。
その前の蝶々も現実へのフリとして効いてましたね。
あそこ優勝。
あと、家にゲシュタポが来て、ハイルヒトラーを一々人数分やるっていうのがギャグになって、そしたらそれをある人がやるって時に空気が一変するところ。
あそこ準優勝。
Hiling Hitlerなんて英語初めて聞いたわ。
そのシーンでのサム・ロックウェルの演技もよかった。
ていうかサム・ロックウェルとスカヨハは通して最高やったわ。
スカヨハこんなに演技上手かったんだと思いました。
ジョジョの前とエルサと二人きりのシーンでの顔のニュアンスの違いとか。
ちゃんと今回はエロくなく、美しさより強さが前に出ててよかった。
サム・ロックウェルの存在感は言わずもがな。
お付きの若者とのあのふとした感じで醸すそこはかとない同性愛感。
よい。
ちゃんと死ぬのもよい。
お話なのだから。
ちらっと見たレビューで、「ジョジョは目が覚めたからよかったけど、実際には戦争終わっても洗脳が解けてないヤツがいるんだから、そいつらへの目線がないのは不謹慎」みたいな事書いてる人いたのさ。
言いたいことはすごいわかるけど、それを描いてたらこの映画の言いたいことはブレるよなぁ…。
個人的にはヨーキーとレベル・ウィルソンことファット・エイミーで目配せしてたと思うんだけどなぁ…。
俺もヒトラー周りの扱いは正直う~ん?ってとこがあるけど、反戦ってだけじゃなく隣人愛みたいなテーマもビンビンだったし、基本的にジョジョとエルサが可愛かったし、おすすめでーす。
子供の目を通して、成長だけじゃなくて間違いを正すっていったことも描いてる気がする。
気がしただけかもね~。
楽しかったでーす。