シン・ウルトラマンのレビュー・感想・評価
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真ウルトラマン
企画段階のデザインと、当時のスーツアクターを用いた、スポンサーやテレビ局の意向を排除した原初であり本来のウルトラマンがここに居ます。
庵野秀明センスの画面作りと、日本的な特撮技法のミックスのクオリティは、すでにシン・ゴジラで証明済み。
今回はポリティカル(政治的)な部分を排除した、外星人ウルトラマンと最前線で禍威獣対策を講じる禍特対の活躍に焦点の置かれた、より理解しやすいドラマとなってます
(ストーリー)
巨大不明生物、禍威獣につづけて襲撃された日本。
なんとか6体までは退けるも、新たな7号ネロンガにはなすすべがない。
放射性物質を食料にするネロンガは核廃棄物を食らわんと貯蔵施設に肉迫。
あわやの瞬間にあらわれたウルトラマンが、その強靭な肉体と強力な光線でネロンガを排除する。
次々と襲撃してくる禍威獣を打ちたおすウルトラマンだが、人間社会を丸めこむ外星人たちに正体を明かされ、禍特対とともに動きを封じられてしまった。
たくみに人心を惑わすメフィラス星人に、なんとか侵略を諦めさせるも、母星からの使者ゾーフィと星系破壊兵器ゼットンにはまったく歯が立たず、ついにウルトラマンは倒されてしまう。
人類の叡智を集めてゼットンの倒し方を見いだす禍特対と、最後の戦いにおもむくウルトラマン。
コンマ数秒の誤差も許されぬ作戦は、果たして成功するのか。
幼い頃に受けたイメージのままのウルトラマンの姿が、ここにあります。
彼は重厚な背中に、知恵と勇気をつめ込んで戦う巨大なるヒーロー。
高層ビルのたちならぶ都会で、こちらも巨大な禍威獣や外星人との戦いを見ずして何を見るのか。
シン・ゴジラにつづき、今後の日本の特撮技法のスタンダードを決めたであろう傑作です。
帰ってくる?
ウルトラマンは私が3歳から5歳のころにビデオで何度も見た思い出深い作品です。令和の世に映画館で再びウルトラマンが戦う姿を見られることにワクワクしながら映画館に足を運びました。
大まかなストーリー、登場する怪獣、宇宙人は当時のままなので敵の名前を思い出し、過去作へのオマージュ的な描写、BGM、現在のCGで見る当時のSEのままのスペシウム光線、八つ裂き光輪にはとても感動しました。
人間ドラマについては昔からウルトラマンが敵と戦うまでのオマケ程度と考えていたので、大人になった今から見てチープな演技、内容でもさして気にはなりませんでした。
ただし、終盤のゼットンとの戦いはストーリーのつなげ方に不満点があります。ガボラ、ザラブ、メフィラスと展開が駆け足なため不敗のウルトラマンがゼットンに敗北するという絶望感が足りません。
そのためか、肉弾戦をしないエヴァンゲリオンの使徒的なゼットンにも拒否感があります。
また、“ウルトラマンに頼らず人類の力で問題を解決する。”というテーマが、国際的に弱腰で外宇宙の高度な文明に依存しようとする日本政府の描写が多すぎるため、駆け足な展開も合わさり無理やり感のある終わり方だと感じてしまいました。
当時子どもながらに感じた、自立した存在としてのかっこいい人類、大人を最後に見たかったため、少し期待をしすぎてしまい視聴後に物足りなさを感じてしまいました。
しかし、やはりまた帰ってきてほしいです。次回作があってほしいです。
浪漫を楽しみたいという日本人の純粋な気持ちが詰まった作品
60~70年も前から日本の特撮ヒーローの最前線に立っていたウルトラマンが、新たな映画でよみがえり、旧ウルトラマンを知らない10代の僕も引き込まれました。何から何まで浪漫が詰まっており、日本人ってこういうヒーローが好きなんだって改めて思いました。「シン・ゴジラ」に引き続き、新たな特撮映画として歴史に名を残すことを期待します。
まずいきなりから設定が斬新です。日常的に怪獣の出現に見舞われる日本が舞台で、こんなんじゃ普通に生活できないじゃんって思うかもしれないですが、そこも浪漫の一つです。それがないとウルトラマンが始まりません。巨大怪獣が出現し、そこにウルトラマンが宇宙から現れるのが定番の流れといったところでしょうか。この作品の中で初めて人間たちが「銀色の巨人(ウルトラマン)」を観た瞬間が、一番ワクワクしました。今まで、こんなにちゃんと特撮のウルトラマンを見たことがなかったので、知っているキャラクターのはずなのに、初めて見るような感覚を覚えました。リアルな特撮をこんな臨場感あふれる演出で見ると、ここまで心が躍らされるのかと、映画館の座席で体中が揺れました。映画というものは、どれを取ってもたくさんの人の手で作られた浪漫でいっぱいです。表現が難しい描写も多々あったかと思うので、多くの製作スタッフの方々のご苦労を考えると、たとえ見る側が満足できなくても決してバカにできるものじゃないです。日本の特撮は、誰もが魅了されるようなものであると思います。
そして最後、米津玄師さんの主題歌「M八七」で心をすべて持っていかれました。映画の満悦を味わいながら最終的に主題歌が別の世界に引き込んできました。映画も神、主題歌も神。日本のエンタメ業界どうなってるんだって心の底から思います。
来年の3月公開の「シン・仮面ライダー」もすごく楽しみです。
関係ない話、ポケモン剣盾やってる方ならわかると思うんですが、キョダイマックスカイリキーってウルトラマンに似てますよね・・・。
こっち方向かという感じ
SFX + 公務員コメディ + α(庵野風味)
映画館で観る価値なし
シンゴジラが面白かったので、
ウルトラマン世代としては見逃せない映画だったので、
仕事を半休取ってまでして観に行きました。
そして、ガッカリ・・・。なんだ、このハラハラワクワクドキドキ感が皆無のクソ映画は?
リアリズムに欠けるオールCGのウルトラマンと怪獣、星人の戦闘シーンと、
芸能人の茶番劇とも言えるクサイ大根芝居の繰り返し。
盲目的な庵野殉教者達は大絶賛していますが、ハッキリ言って1800円を払って映画館で観る価値なし。
こんなのネット配信で十分なクオリティの映画。
『シン・ゴジラ』とは異なる
冒頭BGMと怪獣たちは”ウルトラQ“の世界が次々と現れ、オールドファンには、更に激しくノスタルジーを喚起させます。”ウルトラマン“と謳いながら、実に狡い演出です。ノスタルジーは人の感情を最も激しく波立たせますので、この導入部で観客を一気にウルトラ・ワールドに封じ込めました。
本作は、言うまでもなくアクションの極みの作品であり、従い人物描写は等閑で良い処を、何故か非常に丁寧に映し込んでいます。人物を映す時は常にローアングルで、而も斜に映すカットが多用され、一人を映す際は正面どアップで長カットにしており、特定の役者の表情が観客には刷り込まれてしまいます。
オフィス等の屋内シーン以外は、殆ど特撮ですが、特撮が引きカットだけでなく寄せてパンするカットも頻繁に織り交ぜますので、特に怪獣を至近でアップで見せられると異常な迫力を実感し、子供っぽい冒険心を擽られて満足感が湧いてきます。
一匹の怪獣をとにかく出現させればよかった『シン・ゴジラ』と異なり、TVシリーズ化されていたために複雑に絡まり合った物語世界、つまり昭和40年代の子供向けに創作された空想科学ドラマの枠組みをなぞらざるを得ない本作は、従いどうしても、『シン・ゴジラ』のようには現実的な世界に引き込み尽くすことは出来ず、現実のリアル性は薄まらざるを得ません。斯様なリアリティとフィクションのアンバランスにより、ストーリーの彼方此方で破綻が散見され、当然役者は真剣に演じているのですが、真剣であればあるほど違和感と滑稽感が漂います。
とりわけ長澤まさみの巨大化シーンは、その典型でしょう。
ところで、『シン・ゴジラ』では、ゴジラが暴れ回る東京をリアルに忠実にミニチュア再現したために、破壊された建物を特定化でき、それが話題になったのですが、本作もこの点は同様で、特に丸の内はありのままに正確に作り上げられていたために、嘗ての勤務先が長澤まさみにより破壊される寸前だったことに、無邪気に苦笑したしだいです。
本作は、異星人が地球制服のために繰り出す先端科学技術による攻撃から、人類が全力を尽くして防衛するという、捉えようによっては悲壮感に満ちた厳粛で重厚な物語ともいえますが、観客全員が結末を分かっており、従いどこか落ち着いて笑って観れる、一方で深刻に映像を捉えれば命を賭して戦う究極の覚悟と使命感のドラマであり涙を誘い、手に汗握らされます。
つまり、娯楽映画の三要素、「笑って、泣いて、(手に汗)握る」を全て兼ね備えた、基本に忠実な作品といえます。ヒットするのも宜なるかなと思わざるを得ません。
扨、作中でウルトラマンはスペシウム光線やウルトラスラッシュという、お馴染みの必殺技を駆使し、大いに満足させてくれましたが、本作で相手怪獣に最も効いたのは、がボラをKOした、ややカウンター気味に入った右ストレートパンチだったと、私は思います。
観ておいて損はない。
シンプルに面白かった。
ウルトラマンあまり観たことない人でも楽しめると思う。
監督のやりたいことを映画一本分の時間にすることを考えたら当然これぐらいの情報量になってしまうことは分かるので、そこはむしろ楽しかった。
というかよくまとめたな、といった感じ。
難しい言葉がいっぱい出てくるが、小難しく考えず観るのがコツ。
最初のスタートの時に全くテロップに追いつかずストレスを一瞬感じかけたが、このスピードで流すっていうことはむしろ覚えておかなくていいことなので、ちゃんと観ようとしすぎてたなと思う。
王道展開だが、後半の滝は良かった。最初は演技微妙と思っていたが、最終的にそこも含めてキャラに合っていた。
詳細は避けるが、勝手に相棒を信頼しているとことか、足取り掴めない時の褒めの一言はグッとくる。
最高のモダナイズ
これ作った人達(敢えて庵野さんと限定した言い方はしません)はウルトラマン好きすぎでしょって思いました。とにかくウルトラマンへの愛が随所に溢れています。
現代のウルトラマンとして初代を近代化リメイクするのであればこれ以上のものを作るのは難しいのではないでしょうか。初代からの取り込み方や現代に取り込む際のアレンジが絶妙です。制作陣の愛しか感じない。
シンウルトラマンを観た後に初代ウルトラマンを観直してみてください。あれやこれや色々気付いてどんだけウルトラマン好きな人がシンウルトラマンを作ったのか感じ取れると思います。
贅沢を言うならバルタン星人やジャミラも見たかったけど、映画という尺を考えたら今作の様な内容が限界でしょう。難しいとは思うのですが、同じスタッフ同じ路線同じ世界観同じ役者さんで初代TVシリーズ全話をリメイクしてくれないかなあと思いました。初代(に限らないけど)ウルトラマンには、オミットするには惜しい話がとにかく多いのであれやこれや観てみたいです。
最後のゾーフィについては知らなかったので観ている時は違和感がありましたが、後で出典を知って仰天しました。もしかしたらコアファンには有名な話なのかもしれないですけど、こんなネタ持ってくるとかどんだけウルトラマン好きなのかと笑ってしまいました。
とはいえ、初代ウルトラマンを知らなくても劇中で必要な説明は出揃っているので初代ウルトラマン未見でも楽しめると思います。
ラストもよかったし、エンディングの米津さんの歌も最高によかったし、全般的に凄くいい映画でした。
惜しむべくは非粒子物理学者の役者さんの演技がちょっと下手だったかなーと思いました。
ただ、具体的に何がどう、と言語化出来ないのですが、シン・ゴジラを観終わった後のカタルシスと比べるとなんだか弱い印象もありました。特に大きな不満は思い付かないのに何故そう感じたのか自分でもわかりません。
やっと観ましたシン・ウルトラマン!
庵野監督と樋口監督のタッグというとシン・ゴジラを思い出す。今だから言うけど…
正直あのゴジラは無機質で目つきとか嫌〜な気持ちになって苦手だった。
でもこのウルトラマンの綺麗さ!
クールでカッコ良かった。劇中に登場するウルトラマンのデザインは「ウルトラマン」の美術監督をしてた成田亨さんが描いた絵画「真実と正義と美の化身」がコンセプトとなっているそうですが…ステキでした!
現代社会に置き換えて再構築したと書いてあるけど、古さと新しさが程よくブレンドされて独特な世界観を見せてもらえた。
ま、「禍威獣(カイジュウ)」と言う漢字は覚えられないけどね。笑
政府が集めたスペシャリストチーム、禍威獣特設対策室専従班=通称「禍特対(カトクタイ)」のメンバーが良かった!
班長の西島秀俊さんがぴったりだし作戦立案担当官の神永新二に斎藤工さん。新たに分析官の浅見弘子役の長澤まさみさんがパワーと明るさをプラスしてましたね。
有岡大貴さんのマシンガン台詞や早見あかりさんの存在感。
珍しく良い上司役の田中哲司さん。
チーム最高でした。
あの人間味溢れるラストでウルウルきたけど、あれでは続編製作は難しいかなぁ〜
元祖ウルトラマンの勉強もしたいです!
鑑賞動機:樋口真嗣/庵野秀明コンビ10割
可もあり、不可もあり。
Qと初代は観たことがなく、ほぼ関連書籍からの知識のみ。むしろ楳図版バルタン星人があまりにも強烈過ぎて、もう完全に恐怖の対象。
序盤の怒涛の処理とか、それっぽい理屈づけの長台詞とか、全体としての理屈づけとか、一筋縄ではいかない絵面とか(うまくいっていないこともあるが)は好き。
ただし平成ガメラ支持者なので、前半はともかく、後半のバトルは質量が感じ取れずかなり物足りなさを覚えた。あと主に変身シーン付近の、周囲の状況含めた画面の切り替え方にも違和感あり。うやむやに誤魔化されたように見えてしまった。人間へ入れ込んでいく過程の描写も弱いように思った。最初の別行動にしても、もっと自然にそういう状況にいくらでも持っていけそうなのに、ちょっと雑な処理だな、とかね。
ということで「クソ映画」(私の苦手な言葉です)でも「神映画」(私の苦手な言葉です)でもない可もあり不可もあり、で楽しめた。
オマージュとリスペクトしかない
オマージュとリスペクトしかないと言うか流石庵野秀明脚本総監修作品、撮りたいものしか撮らない。その結果どのネタを使っているか考えるだけで終わってしまって感情移入できない。キャラも個性派と言うより似たり寄ったりオタク過ぎて人物のメリハリが無さ過ぎ。ムラマツキャップとかフジ隊員とかイデ隊員をモチーフにしたのだろうけど。まぁ庵野氏が好きな人なら堪らんのだろうがアンチのワタシにとっては微妙に評価しづらいと言うか、ウルトラマンのシュワとかあったら良かったのにと。★3つ
初代マンの第二章みたいな
駆け足過ぎ
過去作をTVで見てたから、直ぐに理解は出来たけど、物語が駆け足過ぎる。開幕で既に複数の怪獣をウルトラマン無しで討伐済と言うダイジェストが流れ満を持してウルトラマン登場である。せめて二部作か三部作にして欲しかったな。ウルトラマン初見勢には辛いかも。所々シナリオは雑。ネトフリとかでで1クールやって総集編映画で良かったと思う。
原作の昭和特撮のイメージを残しつつも現代風にリメイクしてる点は好感触でウルトラマンってこれだよなって感じた。最後はゼットンとゾフィーは原作ファンならニヤリ。現代日本政府が有事になったらやっぱこれだよなw最後はお約束展開だが、まあ悪くは無い。
禍特隊の演技が下手で自然さがない、その点、竹野内豊は安定感あったな
架空のドラマの総編集版を観てるような感じだった
尺に対して、色々積込んでる為か、一つ一つの場面(問題、エピソード)が淡々としている。仮にシンウルトラマンというテレビドラマがあって、その総編集版というのがあったなら、こんな感じになるんだろうなぁと思った。
以下、感じたことなど
・禍特対のメンバーのセリフが棒読みぽっかった。
あえて、そういう演技をしているのか、それともマジなのかはわからないが、セリフが棒読みぽく、自分は聞いてて違和感を感じた。
・禍特対よ、もう少し気にかけてやれよ。
仕事場でメンバーが広辞苑(?)を一生懸命に読んでたら、普通はおかしいと思うよ。戦闘に巻き込まれて身体に異常がなしって言っても、そんなことしてたら頭が.......って普通は思うよ。
・ニセウルトラマンとの戦闘シーン
空中戦が〜ニセウルトラマンの下ににゅるんって出てくる感じが〜何か笑えた
・メフィラスとのやりとり
ウルトラマンとメフィラスのやりとりは斬新だったし面白かった。特に居酒屋のシーンは個人的に良かった(ちゃんと会計してるし)
あと戦闘シーンでもテレビと同じ様な終わり方をしていたので、良かった。
・ゾフィーよ、酷いよ。
地球人が生体兵器として利用可能とわかったからって、じゃあ地球壊そうかって酷すぎやろ。
・ゼットンとの戦闘
最後は人間の力で問題を(厳密にはウルトラマンの力を借りたが)解決するのは良かった。テレビのオマージュだね(笑)
・エンディングがいい。
あの曲はよかった〜正直本編より印象が残ってしまったわ(笑)
以上
面白かったので観て良かったとは思う。今度はシン仮面ライダーが待っている。どんな感じになるんだろう(笑)
禁止されるほどのネタバレとは…?
仏つくって魂入れず、冷めたピザ、味のしないゴム、ってただのゴムか。
うーん誰に向けて何を楽しめというのか。
カイジューの魅力も乏しいし、ドラマは盛り上がらないし、特撮パートもパッとしないし…ねぇ。
後からの情報によると、どうも予算もスケジュールもかなりタイトだったもよう。
なるほど。。
ストーリーはともかく、シンゴジラに見られた映像的なこだわりすらあんまり感じられなかったのはそのせいかな?
庵野秀明と仲間たち、は多くの才能ある人材を抱えたドリームチームとお見受けしますが、なぜかその中にストーリー面を牽引できる人がいない。
(前田真宏氏は自作ではシナリオを的確にジャッジできるはず、ですが庵野監督案件ではもっぱらデザイン面や画作り方面のみのサポートを要請されているようす)
とにかくシナリオのプロが前に出てこない。
そこの交通整理が甘いまま撮影に入ってしまったのが最大の敗因ではなかろうか。
ここらへんスケジュールのなさも影響してるかも。今回は通しのプリヴィズ作ったんでしょうか?
なにしろ話が終始ガチャガチャしてる。
色んなカイジューが出てきて戦ったりはするんだけど、それがひとつのお話として積み上がってる感がない。すごい単調。
骨折した土台の上でどんなにセリフでがんばってもすべては上滑りしていく。
そのうえ気持ちを全部セリフで説明しちゃうんだ。「リアル」な大人ってもっと嘘ついたりタメがあったりすると思うんだけどね。。
思うにゴジラとの違いは下地がTVシリーズであること。20分×1年とかのフォーマットを2時間の映画に再構成するのはいかにも無茶で、ゴチャつき不可避なんだろうとは思う。
そのためか長いシリーズを無理やり再編集したかのようなダイジェスト感は否めず、ウルトラマンが人と関わってヒーローになっていくカタルシスも、絶望的な状況下でヒーローを信じて苦闘する人間のドラマも盛り上がらないまま終幕へ。
特に気になったのは場面内のウルトラマンと人間側の視点の混在。
どっちの視点なのか曖昧なままシーンが進行してしまうので、過剰にセリフで説明してるのに肝心なことは説明不足っていう日本映画にありがちな悪循環に陥ってしまっている。
とくに序盤において、見せるべき場面と背後にふせておく場面の判断を間違えてしまったことが最大のつまづきだったように思う。
クライマックスがあれなら、シンジがウルトラマンになったくだりはもっときちんと描かないとダメなのでは…?
往年のファンはともかく、私のようなリテラシー低い客からしたら、出てくる星人をもっと整理してドラマの盛り上げに絞ってくれた方がよかったのではと思う。
売れっ子声優さんが担当したあの星人とか、エピソードとしてはそんなにボリューム必要ないのでは?
むしろメフィラス出るならもうそれメインでよいのでは?
人間側の政治的な駆け引きとか、あれドラマに関係ある?
カトクタイも基本リクルートスーツでパソコンカタカタしてるだけだし…ただの解説役?
そもそも原子力施設や電気に関するカイジューって時点で、てっきりゴジラより踏み込んだ原発ネタをやるのかと思ってたわ。。
いい加減もう、本当はノンポリなのに見せかけだけ「政治的」なネタや、「リアル」の風を吹かすのやめにしてくれないかな?
俗に子供ほど大人に見られたがるとかいうけど、正直見てるこっちが恥ずかしい…
やりすぎ実相寺アングルとか、会話の途中でちょこまかイマジナリーラインを越える繋ぎとか、別に中身がおもしろければ全然アリだと思うけど、この出来だとドラマに自信がないのをごまかすための小細工みたいに見えてしまう。
パンフレットでネタバレしたところで特段つまらなさは変わらないだろうし、帯の警句がむなしい。ネタバレってどのカイジューが出るとかそういうことを指してるのかな…?
もちろん役者は全員ちゃんとプロの仕事をしてたと思うし、とくに長澤まさみは石原さとみ以上に演技力であの非現実的なキャラに実在感を持たせていたと思う。その献身ぶりが逆に切ない。
低予算でもというか、低予算になればなるほどシナリオはクオリティ向上に寄与するコスパのいい工程のはず。
伊藤和典とは言わずともプロのライターの1人や2人、せめてアドバイザーを付けたところで予算はそう膨らまないと思うのですが。。
でもそういう真っ当なバランスの良さをこの人たちに求めること自体がまちがいだって言われたら、確かにその通りとしか言いようがありません。
なにせ「式日」の監督なんだからなぁ(式日は大好き)。。
愛すべきリメイクではあります
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