「初代ウルトラマンだけがウルトラマンだと思う私です。」シン・ウルトラマン ChessistJiroさんの映画レビュー(感想・評価)
初代ウルトラマンだけがウルトラマンだと思う私です。
私は「初代ウルトラマン以外はおまけウルトラマン」だと思ってるので、このオマージュ作品には期待もあれば、かと言って今の日本映画に期待を持ちすぎないほうがいいとも思ってます(とハードルを下げた感じで観た)。
まず、新たにウルトラマンを制作するにあたって、絶対にしてほしくないことがいくつかありました。
それは、「シリーズが続くに連れて、段々子供向けにより過ぎたアクションシーン、スペシウム光線を最後に取っておく、昭和のTVだから仕方なかったことをやらないでほしいと願っていました。
他は、まぁ細かいこと言えば科特隊の無駄な光線銃も、昭和のTVでは良かったし、それは私はも嫌いではなかったですが、昨今の作品にはいりません。
そういうのが庵野氏に届いてたかのような納得いく作品ではあったので、ホッとしました。
もっと言えば、ウルトラマンの大きさと怪獣の大きさが着ぐるみ同士だと同じくらいの規格になるのは当時は仕方なく当然ですが、CGなら大きさがまるで違っても良かったとも思うけど、そこまで望むのは酷なので許容範囲です。
昭和は特撮の関係で、空飛ぶシーンと地上のシーンは完全に分離してましたが、CGならウルトラマンが空中でふわりと浮いて攻撃するのも面白いとも思ってましたが、それはCG制作に酷ともいえるかもしれないですね。
まぁ、そこまで細かくはしゃぁないか…庵野秀明は私ではないのだから。
戦闘シーンはまぁまぁ合格ですが、やっぱり辛口の方々がご指摘通り、説明セリフの多いこと。
いやぁ、庵野氏がどうしても説明したかったことを端折るのは難しいのも理解できます。
ただ、撮り方というか、説明したいなら、別に説明してる人物をわざわざ一回ゝカメラでぬかなくてもいいと思ったです。
違うアングルのまま独り言言ってる感じで流す感じでいいと思います。
時間が2時間と限られてるから、「これは説明しておきたい」ってのを早口でも言わせたいのかもしれんが、もっとゆっくり喋るほうがリアリティあるとも思うんですが…それも時間枠に収めるためかもですが、もっと短い言葉でワードをチョイスしてほしかった。
難しい言葉を羅列したがるんですよね…カッコよく見せようとしすぎて…。
まぁ、それでもあの偽ウルトラマンとのシーンで古谷敏さんが本当に痛がってるのと同じシーンが入ってたのには笑みもこぼれました。
最初のタイトルに関しては「まぁそれ、やりたいよね」でした(笑)。
「ヘアー」とか「ショワー」とか「シュワッチ」とか入ってなかったのもいいと思います。
ウルトラマンの目の光り方もあれくらいがバッチリです。
ウルトラマンに変身して登場するシーン、私は泣きました(笑)。
最初のほうのマスクがAタイプの顔だったのも嬉しい。
最後に、庵野秀明氏の目指した成田亨氏による『真実と正義と美の化身』という油彩画の真のウルトラマンを作りたい希望を叶えてくれてありがとうと言いたい。