「激ヤバ光線!」シン・ウルトラマン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
激ヤバ光線!
マルチバース・・・これは私の好きな言葉です。印象に残る台詞もいっぱいありましたが、ほぼ笑ってしまったために覚えているのメフィラスの山本耕史のみ。忘れっぽくてイヤになってしまいます。
オープニングから凄い!絵の具をぐしゃぐしゃにした逆回転からのウルトラQ、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンへとタイトルが変わる!これはTV版ウルトラマンのオープニングも「ウルトラQ」から「ウルトラマン」へと変わるのと同じ。ずっとウルトラQのテーマ曲が流れているのも驚き。そしてウルトラマンの造形。美しさを強調したあまり、カラータイマーが無い!あぁ、これだ。スペシウム133なる元素についてもね、すごく嬉しかった。あぁ、なるほどね。そういう意味があったんですね。などなど。
数々のオマージュとパロディが組み合わされ、『シン・ゴジラ』のように早口言葉で専門用語をまくしたてる。カイジュウは中身が同じ(使徒っぽい)?これは円谷プロがカイジュウの着ぐるみを使い回していたことのギャグなんでしょうか。
宇宙人を「外星人」と呼ぶのも興味深いし、メフィラスが名刺を差し出したり、皮だけの存在だったのも面白い。長澤まさみが巨大化させられたのもオリジナルと同じです(オリジナルではバルタン星人が化けていた)が、それよりも匂いを嗅いで追跡するシーンが最高!あ~~風呂に入ってないのに~
『大怪獣のあとしまつ』では国防大臣だった岩松了が今作では防災庁大臣。『シンゴジラ』でも『大怪獣のあとしまつ』でも外務大臣だった嶋田久作が今作では総理大臣。微妙に絡んでるんですね。そして最後はゼットンの登場。着ぐるみではなく、『エヴァンゲリオン』に出てくるような動かない奴。敢えてマルチバースというワードを使ったことで、『シン』ユニバースの存在さえ想像させてくれた。ゾフィーは当時の児童誌での混同から着想を得たという存在になっていて、今後のウルトラ兄弟の物語はややこしくなるだろうね。
それにしても諸外国との政治的駆け引きや、簡単に外星人と条約を結んでしまう愚かな政治家達。風刺も含んでいて面白かったけど、ちょっとやり過ぎ感があった。特にアメリカの援助。「空想」と名をつけるのなら、もっと違った設定が良かった気もします。それにしても、禍特対の本部ってオリジナルの科学特捜隊と違って、単なるオフィスみたいでしたね。みんなサラリーマン風だし・・・
長澤まさみの姿がいまだに目に焼き付いてるのに、『大きな春子ちゃん』てのがプライムにあったので見てみましたよ。
3分しかないけど、冒頭のMGMロゴで笑えた。
セブンはウルトラマンに比べて、なんとか星人がたくさん出て来ますね。もっと、怪獣を!って思ってました。セブンはやっぱアンヌ隊員です。やっぱり制服です。永遠です。
> 悲しい怪獣、ジャミラやシーボーズが好きです
くう〜、いいとこ突きますね。自分が子供の時どれだけ響いたかは忘れてしまったけれど、こういう「ホントにこれでいいのか?」.と聞いてくるような作品は大人になるにつれ、俺には響いてきます。怪獣ものの、ワンメッセージが上手くハマった作品達だなぁと思います。そして両方とも実相寺監督作品ときた。(なので佐々木守脚本)
kossy様コメントありがとうございます。流石です。金沢の知識王!
私は音響が特に気に入りました。全部、原作に準じてさらにアップデートしてます。庵野監督のセレクト。真性のオタクさんですね。
> 円谷プロがカイジュウの着ぐるみを使い回していたことのギャグなんでしょうか
ですね。ギャグと言うよりリスペクトなんでしょうね。こうやって工夫して予算内に入れて、俺達に毎回届けてくれたという。出現理由とかは、庵野さんが子供の頃からずっと考えてきたのだろうな、と、感じました。ホントのオタクだ