「1回目と2回目では内容が異なるな!と思いました」シン・ウルトラマン 吉田ヤブさんの映画レビュー(感想・評価)
1回目と2回目では内容が異なるな!と思いました
樋口監督の「ローレライ」と「隠し砦の三悪人」が好きで
今作のシン・ウルトラマンを観させて頂きました。
最初観た時は上記2作品の印象を感じて。
樋口監督らしさが出ている名作だと思いましたが
妙な違和感を感じて、2回目を観ました
最後、ゾーフィの声が最初ウルトラマンの前に立った時と
2回目異次元でウルトラマンを見下ろしている時の声が
違う様に感じましたし、話している内容も
1回目とは異なっています。
ウルトラマンと地球人の行動に考え方を変えた!とも
思えなくはないのですが、声優まで変える必要あるかな?と
もしかして、答えを自分で見付ける
タイプの物語か?と思い、探すつもりで2回目へ
結論から言えば
案の定、1回目はゾーフィで、2回目はゾフィなんだな!
ブラックホールに引きずり込まれ、パラレルワールドの
ゾフィーと対話しているんだ!
と考えた方がふに落ちました。
更に2回目観た時に思った事なのですが、
事前に調べた所、庵野監督は学生時代
自主制作でウルトラマンを撮影し、ご自身で
ウルトラマンを演じられたとの事
庵野監督はウルトラマンを作りたかったのではなく
ウルトラマンになりたかったのでは?という視点から
観ました。
そんな庵野さんが作ったウルトラマンは
「神ではなく、同じ生命」と言い
そのセリフに続けて
「みんなの叡智を集めて創ってほしい」と
ある意味、映画界のヒットメーカーとしての
ウルトラマンになった庵野さんの言葉に様にも
感じました。
マニアックなネタ満載の映画のシン・ウルトラマン
色んなもの観て、吸収して、凄いなと思ったものを
形にしているんだ!僕も同じ人間だ、君たちも
何か!創ってみないか?
そんなメッセージが込められているようにも
感じました。
ゾーフィの設定は大伴昌司さんという方が書かれた
放映当時の児童誌の記事が元ネタとの事
「そんなに人間が好きになったのか」という
セリフはウルトラマンの最終回でゾフィーが言った
台詞。庵野さんをその両方に胸が躍り、その両方を
使う為。メタバース、多次元宇宙、という設定を
用いたのではないかと思います。
好きなものをこれでもか!と盛り込んで自分なりの
ウルトラマンの世界を描いて、それを学生当時、
みんなで和気あいあいと撮影に取り組んでいた
日々を思い出すと共に、今、近くに一緒にモノを
創っている仲間を巻き込んで。
最後の
「おかえりなさい」につなげたのでは?と思いました。
2回目を観た後、これは、青春時代から今日までの
庵野さんのドキュメンタリーの様にも
思えました。