「やはり庵野さんは変態」シン・ウルトラマン じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
やはり庵野さんは変態
ウルトラマンで育った世代としては、期待通りの出来だったと言えよう。
ウルトラQのゴメス、マンモスフラワー、ペギラ、ゴーガ(カイゲル)など、懐かしい怪獣(禍威獣)から始まります。音響エフェクトも同じスコア。いいねえ。リスペクト忘れてないね。
ネロンガ(ウルトラマンZらしい)登場で、空から飛来する赤い玉(ウルトラマン在中)。戦いの最中にハヤタならぬ神永を死なせてしまう。この時命を融合することで運命が変わってしまう。
シン・ゴジラの時もそうだったけど、怪獣やウルトラマンなどの未曾有の災害に対して官僚や自衛隊、政治家がどう考え動くのかに焦点があり、対応も通常兵器なんだよねー。
そこはう少しファンタジーでも良かったのではないかなあ。
フジ隊員ならぬヒロコ隊員(長澤まさみ)巨大化(笑)
名前のチョイスもおそらくシリーズに合わせてある(フジ隊員の女優さんは桜井浩子さん)よね。
でも、どうしてパンツスーツにしなかったのか。その目的が巨大化でわかる。そりゃそうだ。スカートだと上見ちゃうよな。見るでしょ。その辺は変態。
話を戻そう
ウルトラマンの来た目的は、どうやら光の星(光の国)から生物の住んでいる星に来て観察することらしいが、最初に人間と融合したことで少し意識が変わったらしい。そこをザラブ星人に付け込まれての偽ウルトラマン登場。その過程で正体バレる(早くない?)それにしても、半分しかない宇宙人とは
更にはメフィラス星人(山本耕史)登場。「人間は兵器として役に立つ(ベータカプセルによる巨大化)」ことを他の星人から認識されてしまったよ。だから、その権利を独占させろ。とやんわりと交渉される。人間に未来の兵器ベータカプセルを引き渡すことで人間を牛耳るのが目的。メフィラス星人はスタイリッシュながら邪悪さを身にまとって、ある意味美しいほど
このことが元で、ゾフィーがやってくる。
ゾフィーはテレビとは違いウルトラマンの命を救いに来たのではなく、兵器として有用性が知れ渡った人類を、若い芽のうちに摘み取るためにやってきた。究極兵器ゼットンを持って。
というのが、庵野さんの発展的解釈らしい。
そんな力が人間にあるかどうかはさておき、実に辻褄があっていると思う。
しかし、これでも、ウルトラマンが地球にやってきた説明が希薄だし、メフィラス星人がずっと前から仕込んでいたこととも矛盾するなあ。ニワトリとたまごの論争になりそうだ。
人間が思っているほど宇宙人は優しくないし、光の星に至っては130億のうちの一つがなくなっても大したことは無いと消し去ろうとする。
明治頃の他国と日本との関係性を下敷きにしているのは明らかな作品だね。また、日本にしか怪獣が出ない理由もうまく説明した。
さて最後に庵野さんと樋口監督の変態は、やたらと長澤まさみのSiriを強調し、叩かせているところ(笑)