「『シン』シリーズはやっぱエヴァ、そして飽きた」シン・ウルトラマン 屠殺100%さんの映画レビュー(感想・評価)
『シン』シリーズはやっぱエヴァ、そして飽きた
エヴァならNERV、シン・ゴジラ、そして、シン・ウルトラマンは役所の人たちが裏でわちゃわちゃやってるところをドラマにするという基本コンセプトは変わらず。
でも今回はなんかもう飽きたって気がして。
最初でウルトラQの怪獣が文字とモンタージュ映像でパッとサラッとやっつけられて、パゴスのマイナーチェンジ版であるネロンガ、ガボラとSDGs意識系怪獣が続くのも飽きる。同じ怪獣を有効活用、リユース、リデュース、リサイクル。
ザラブ、メフィラスと、政府交渉系怪獣が2回続くのも飽きる。
そして、最後はなぜかゾフィーがゼットンを作ってウルトラマンを追い詰める。サラッとゾフィー、敵じゃん。
ゼットン、こいつは地球温暖化のメタファーか?SDGs系。
ぺらぺら机の上で仕事しながら、長たらしいセリフを吐いて、人類滅亡の危機的な状況なのに、緊張感なく軽口たたいたり、ジャンクフード食べたり、ダサくて安っぽい長机重ねて、パイプ椅子座ってたり、調度に関心なさすぎで、人間描写がアニメっぽくてアホらしい。
ぺらぺら長たらしいセリフで、なせばなる、なさねばならぬ何事もだとか、リエゾンだとか、捲土重来だとか、生殺与奪とか、普段使わないような言葉を使うのが一々鬱陶しい。
なぜ怪獣が現れたのか、ウルトラマンがなぜ人間を愛するのか、西島さんは何をする人なのか、怪獣をやっつけるのに、なんであんなたくさんの省庁が関わるのか、あんなたくさん関わったら意思決定がぐちゃぐちゃになるのになぜ?とか、そのくせ西島さんのチームは、部下4人しかいなくて何してるかわからない。肝心なことは一切わからない。神永さんはいつも席にいないで図書館で『野生の思考』を読んでいる。意味不明。人類学者なの?
子供向けにするのであれば、政府の内輪劇はもっと削って戦いメインでわかりやすくしてほしいし、大人向けにするなら、もっと説得力がほしい。
子供にとっても、大人にとっても中途半端で雰囲気だけエヴァにしました的ななんか深みのない映画だった。
ネタが、SDGs系のリユース、リデュース、リサイクルすぎて。。。飽きるわ!
資金出す東宝、総監修の庵野さん等たくさんの人が自由にさせてくれなかったんですかね?いろんな人に気を遣いすぎて、誰に向けて映画作ってるか訳わからなくなるパターンですよね。もう少し作家の考えを優先させて、自由にやらせてみせないと作り手も関係者との政治的なことにばかり気を取られて、消耗し、やる気なくなりますよね。
多分ですが樋口監督も庵野さんがやりたい放題やるからやり辛いのではないかな。
だから中途半端な出来になる。
シン・ゴジラは東宝の関係者がある程度ストップを掛けて自由にやらせなかったみたいな話を樋口さんがしてましたよ。
特撮界隈で庵野さんの評判は悪いらしいですし。
漫画ですね。『ウルトラマンかっこいいは設定がSFで、現実じゃないから、人間の描き方も非現実でいいみたいな、安易さが苦手です。全ての映画は非現実なので。非現実にいかにリアリティーを持たせるかが力の見せ所なのに、最初から放棄してますから。
そう思います。シンとついてるので、新解釈で深みのあるドラマが観たかったです。往年のウルトラマンは、悪として単純に割り切れない複雑な事情をかかえた怪獣がいて、ウルトラマンが倒すことに苦悩したり、考えさせられる深みのあるドラマがたくさんありました。子供はもちろん大人のハートもつかんだ気がします。今回の映画は怪獣が理由もあきらかにされずに唐突に現れ、ウルトラマンが機械的に倒すだけでした。
うものを題材として取り上げればよかったんじゃないかと思います。ほんと同感で、子供が見たら訳がわからないでしょうし、往年のウルトマラマンを知って期待している大人の人にとっても、こんなウルトマラマンじゃねえんだけどなぁ〜って思いながら最後まで観なきゃならないしで、今からでもぜひ作り直してほしい気持ちでいっぱいです。