「ウルトラマンというSF作品。考えながら鑑賞する力が必要」シン・ウルトラマン JanSmashさんの映画レビュー(感想・評価)
ウルトラマンというSF作品。考えながら鑑賞する力が必要
基本的にネタバレを書くのは好きじゃないが、この作品はどの角度から書いてもネタバレになるので、今回はネタバレレビューとして扱います。
続編が作られることなど意図してなかった原作リスペクトをしている作品。
動きの全てが特撮時代をリスペクトであり、人間の発想の中で行われている「人体ならこうなるだろう」という考えを完全に無視した不可思議な動きが、よりSF感を際立たせている。
あの動きを見て、「あ、これはSF作品だ」と納得できた。
こういった動きは、不満を持つ人間は多いと思う。
特撮時代に表現できなかった事を補完していない。つまり、CGで多彩な表現ができるのに、そのままやるのはおかしいだろうという意見だと思う。
自分の場合はこれはSF作品だと判断した。
「ウルトラマンは人間じゃない=人型だからって人間らしい動きを求めている違う」と考えた。
ストーリーもSFらしい。
ウルトラマンのテレビシリーズの中での多くの事が補完されていた。
地球と人類が持っている問題を追求した原作を採用している為、大人の映画に仕上がっている。
なにより地球はウルトラマンに守られる特別な星じゃなくて、ウルトラマン本人が人間を通して特別に思ってる感が凄く良かった。
正直、ウルトラマンに興味がない人や初代ウルトラマンのストーリーや設定を知らない人が見るとよく分からないと思う。なので、事前にウルトラマンを調べてから視聴することをおススメする。
●重要な問題点
典型的な「考えながら鑑賞する作品」である。
本来、SF作品は「知能指数を高く維持する意識=考えて観賞する意識」がどうしても必要になる。
それが「奥行きを見る事」に繋がる。
この「奥行きを見る事」が発揮されないと陳腐で退屈な作品に見えてしまう事が多いのがSFの難点だ。
考えて見る事が必須だと意識したからこそ、楽しめたが意識してないと正直見ていてシンドイ場面もあった。