「面白かった!思いっきりネタバレ。」シン・ウルトラマン アガサさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった!思いっきりネタバレ。
面白かった!
難しく考えずに、素直に観た方がいいと思います。
よく分からない分析は迷惑なだけ。
ウルトラマン世代としては、ウルトラマン80ですが、初代ウルトラマンも実相寺昭雄監督が好きなので追っかけてました。
シンゴジラで培われた巨大禍威獣の造形と特撮は、惜しげもなく披露されるのに、あっけなくカットで次々片付けられていくのが、爽快(笑)。
2時間という尺で、ちゃんと起承転結がついているのに感心しました。
話が性急だとかおっしゃってる方いますが、これは過去における「総集編」的演出なのではないでしょうか。
だいたい、2時間で片付けるには歴史がありすぎるんですよ。だからこその総集編風な仕上げではないかと。
禍威獣や、星人自体がファンタジーなのに、政治の描き方がリアルで、ここはシンゴジラと同じです。その対比が笑いを誘います。
ただ、政治家が出てくると退屈なのも、同じ。
「禍威獣はこの国にしか出現しないんだ」もユーモア満載。でも、禍威獣の出現する理由、をメフィラスがちゃんと説明していて、なるほどとまた感心。
前半が禍威獣、後半が星人ですが、「河岸を変えよう」の後のメフィラスとの居酒屋シーン、五木ひろしの曲とかつまみ食べるとか、挙げ句「割り勘でいいか?ウルトラマン」のシュールさは、ひょっとしてウルトラマンセブンのちゃぶ台トーク(実相寺昭雄監督)のオマージュでしょうか。海外進出を狙っていたTBSから、日本的なシーンは入れるなという指示に反骨精神を持ってた実相寺昭雄監督の上を行く、ユーモア溢れるシーンでした。
偽ウルトラマンは、オリジナルの「見てわかる」の批判を見事にひっくり返す偽っぷり。(笑)
町の壊しっぷりは旧の方がすごいんですけどね。
初代ウルトラマンのエピソードを基本にしてるんですが、長澤さんを巨大化は正直ちょっとやりすぎかなと(笑)
YouTubeで、ウルトラマンの正体がバレちゃうのも、シリーズ化しない潔さですね。
だから、ラストもそうでないと神永さん拉致されちゃいますし。
ウルトラマンは、メフィラスにも勝ってはいないし、そしてもちろん勝てないだろそんなデカイの、のまさに庵野流ゼットンにももちろん勝てないのですが、ここは人間に花を持たせるための設定なんでしょうね。
マルチバースの使い方も、スパイダーマンや、ストレンジのようでなく、限られたもので、何でもありにならなくて好感が持てました。
お笑い系の芸人は誰も採用されておらず、それも良かったです。やっぱり本格派なら、芸人は遠慮してほしい。
最後のあの終わり方も良かった。
あの一言で、米津玄師さんの曲に繋がれるのがお見事です。米津さん、ウルトラマンの元歌のコード進行とか忍ばせたりしてませんよね?米津さんならそのぐらいのことしそうですけど、そうでなくともいい曲だと思いました。
なんかストーリーがしっかりしてるので、泣けました。(笑) ウルトラマンで泣くとか思わなかった(笑)。長く生きるもんですね。
これ、子供なら「頑張れウルトラマン!」って叫ぶんじゃないかな。
とっても楽しめた映画です。この一作で完結するんだという潔さ、が気持ちいい!プロレビュアーで、続編の可能性を説いてる人いますが、この描き方からなら、私は無いと思います。
でも本音を言えば、このスタッフでのTVシリーズとか観たい(笑)。
私はシンゴジラよりも好きですね。
また観たい。
素晴らしいレビューでした。感動。
> ちゃぶ台トーク(実相寺昭雄監督)のオマージュでしょうか
ですよね〜。ブランコで二人が話す際のカメラアングル。そこから居酒屋(!)への場面転換。まさに実相寺監督リスペクトでしたね。自分もめっちゃ楽しめました。
スゴくいいコメントでしたが、センスの無い最後の一行で台無し。ただの結果論。シン・ゴジラがあるからシン・ウルトラマンがあるし、シン・エヴァがあるからシン・ゴジラがある。80億越えのシン・ゴジラのおかげで本作が受け入れやすかったのは確か。ただ、シンゴジラで言う君の名は。みたいな作品が立ちはだかるかどうか…興業が楽しみ。