「庵野ワールドの新・ウルトラマン」シン・ウルトラマン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
庵野ワールドの新・ウルトラマン
昨年から、コロナ禍で上映が延期され、待ちに待った公開。昭和の初代ウルトラマンが、ヒーローだった世代の自分にとっては、上映前に胸躍るワクワク感に包まれた。
まずは、冒頭シーンから、ゴメス、ラルゲユウス、マンモスフラワー、パゴス、ペギラ等のウルトラQの禍威獣(本作ではカイジュウをこう表している)が早速に登場。少しリニューアルされたフォルムであったが、禍威獣が映し出される度に、幼少期のノスタルジーな世界へといざなってくれた。そして昔通りのあの渦巻き模様と、気味悪い効果音のウルトラQからウルトラマンへと変わるオープニングもそのままというのも、嬉しい限り。
続いて、ウルトラマンとしてもお馴染みの、ネロンガ、ガボラが暴れる中、真打ち・シン・ウルトラマンが登場!本作では、ウルトラマンのシンボルだったカラータイマーは封印。より無機質で無駄のない宇宙人としての立ち姿が印象的。その後は、地球征服を狙う、ザラブ星人、メフィラス星人とウルトラマンが対峙していく。
とまあ、禍威獣も次から次へと現れるのだが、そのフォルムは、やはり総製作指揮に当たった庵野さんのエヴァを彷彿とさせるフォルム。また、禍威獣やウルトラマンについて特徴や武器を分析するシーンにおいて、物理や化学の専門用語を駆使して説明する辺りも、庵野流とも言える。そんな中で、各シーンでのBGMや本部の電話や変身の時などの効果音は、昔のまま。庵野さんからの、初代ウルトラマンへのオマージュとも感じられた。
但し、あまりにたくさんの禍威獣を盛り込み過ぎて、ストーリー展開が雑なように思えた。禍威獣の出現も、ウルトラマンの登場も唐突。本来ウルトラマンは、残り3分までは、科学特捜隊のヒューマンタッチなドラマが展開する中で、最後の印籠としてウルトラマンが登場する。今回、西島秀俊や長澤まさみ、そして斎藤工の主要登場人物のセリフも全てが説明的で、ドラマ的な面白さは、シン・ゴジラの方がよかったと思う。
また、日本を取り巻くロシア、北朝鮮,中国などの現在の世界情勢を鑑みる中で、国家としての日本政府の立場の弱さに、一石を投じるようなシーンが盛り込まれている。これも現代世相を表しているのだろう。
そして、ラスボス。ウルトラマンのラスボスと言えば、言わずと知れたあの禍威獣。ウルトラマンの生死を賭けた闘いが幕を切る。いずれにしろ、1960年代にウルトラQ、ウルトラマンと共に少年時代を過ごした昭和世代にとっては、堪らない作品だった。
CBさん(^^)怪獣名をご指摘できる貴殿も、なかなかの通❗️リアルタイム世代ですので、怪奇大作戦から始まって,ウルトラQ、ウルトラマン、そしてセブンまでの怪獣は、全て名前は分かるかな。😅
> ゴメス、ラルゲユウス、マンモスフラワー、パゴス、ペギラ等のウルトラQの禍威獣
ここを全て名前を挙げられるのは、"通" ですね。さすが!そして、その絵は感動的でした。全部、ちゃんと作ったんですね。