「ウルトラマンと社会学」シン・ウルトラマン 立風さんの映画レビュー(感想・評価)
ウルトラマンと社会学
感想を簡単に言えば悪くはなかったです
ただシンゴジラを期待していた自分としては正直拍子抜けしました
まずシンゴジラはシリアスさと緊張感、リアリティーを出す為にキャラは基本結論から端的に会話をしていました
ですが、冒頭からキャラクターが無駄に怪獣の説明を始めたのは正直ガッカリでした
庵野さんがそんなことをする訳ないですし、樋口さんがやるともあまり思えないので円谷さんからの意向が大きいのではないでしょうか?
そして無駄にシンゴジラのように早口で話すのはいいのですが、早見さんという方の滑舌が良くないので聞き取りづらいのと、有岡さんが演じたキャラが非常に鼻につきます
有名理系大学を出て未だに大学生の様な態度を取らせるのには違和感があります
ゴジラは人間物語が一番の魅力だった感じますが、今作はよくある月9モノ感があり非常にチープです
特に早見さんのキャラにピー音が入るシーンがあるのですが、あれには本当に頭を抱えました
(他にも非常に日本ドラマらしいダメな部分がありました)
ですが、大枠の物語は非常に良かったです
特に長澤まさみさんが演じるキャラが放つ「あなたの服も誰かが作ったモノ、この世の中は誰かの助けで成り立っている(的な)」という言葉から今作は社会学的な視点を中心として作られていると見て間違いないと思います
メフィラス星人、ザラブ星人と様々な星人と他国から日本はウルトラマンという存在を神、又は兵器のように扱いますが、ウルトラマンは「私も人間と同じ生き物なのだ」という言葉には人間という集団、社会を生きていく上での認識や価値観を問われます
個人的にシンゴジラをシンウルトラマン風に描くと思っていたので、まさかゼットンをあんな風に描くとは想像もしていませんでした
まさに"使徒"と言えるでしょう
物語後半からおそらくシンエヴァが終わり、庵野さんも参加されていると思うのですが、後半はやはり良かったです
特に最初はめちゃくちゃだった有岡さんと早見さんの演技も上手く活かされていて良かったです
(特に階段で思い悩むシーンはエヴァっぽいなぁと感じました)
結論
作品としては良かったです
ただシンゴジラを期待していた私としては、ありきたりな邦画の編集、手を加えられた今作は少しガッカリだったかなと感じます
まぁSFですから私はひねくれ過ぎているのかもしれませんね…あと個人的やな西島秀俊の喫煙シーンを入れた方に拍手を送りたいです