hisのレビュー・感想・評価
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男があまりやる気ない!!
薄く長い映画という印象で、一番大事な二人でいて幸せというエネルギーを感じませんでした。それよりも、後ろめたさや世間一般的な批判の描写が長く続き、あまり良い内容ではないと思います。行政職員がいちいちイラつきます。親権裁判で母親が子供に冷たく当たる様が暴かれるのは良かったですが、父親も若いのに何か色々と諦めていてショボかったです。主人公ではなく「(男)は(男)が好きなのに」と重要な台詞を子供に言わせたり、母親に引き取られてやる気を無くしたり、結局はゲイカップルが人生を切り開いて行くのではなく、単に子供をダシにした映画でした。
子どもが教えてくれたこと
空ちゃん最高~でした
子どもって偏見をもって無いから~
この作品は…
BL のはなし?と思いきや
それだけではなかった
BL の抱える周りの偏見や差別
そして子どもの親権をめぐる問題
たくさんの問題が絡み合う
子どもからの…
パパはシュンちゃんが好き
シュンちゃんはパパが好き
空は…パパとママが好き
…シュンちゃんも好き
みんな大好き~
……子どもが教えてくれた
なかなか
子どもと違って
偏見や差別を
リセットするのは難しいですが。
これから世の中が少しずつ変わって
生きやすい時代が来ます様に…
ボーイズラブ(その前、その後・・・
2020年。
「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」などで、恋愛映画の名手・今泉力哉監督最新作。
ボーイズラブのその後を描いて鮮烈でした。
大学生の時、迅(宮沢氷魚)は、知り合った渚(藤原季節)と同棲していました。
渚から一方的に別れを告げられた迅は、岐阜県白川町に引っ越して、ひっそりゲイを隠して生きていました。
そして8年ぶりの渚との再会。
渚は6歳の自分の娘の空(外村紗玖良)を連れて迅を頼って来たのでした。
戸惑いつつも、迅と渚と空の生活は始まります。
しかし渚は妻とは離婚調停中で、空の親権を争う身だったのです。
この映画はボーイズラブを差別したり偏見にまみれたりしていないのです。
迅の同僚も村のお年寄りも、みんな3人に優しいのです。
そこは心地いい・・・だれも好奇心はあるけれど、否定はしません。
「だれが、だれを好きになったって良いさ、」
ニュアンスは男同士だって愛は同じさ・・・と理解してくれます。
後半は法廷劇です。
裁判を通して空の親権を妻(松本若菜)と渚が争うのです。
妻の立場も辛いですよね。
夫が自分のゲイを隠して結婚して子供までいるのに、やっぱり俺ゲイだから、無理・・・なんて言われたら、
最後まで責任もってよ・・・って言いたいです、私なら・・
でも裁判は迅と渚にとって、自分と向き合い真のアイデンティティを見つめる良い機会になったようです。
迅を演じる宮沢氷魚さんの清潔感溢れる演技が良かったです。
渚を演じる生身の偽らない藤原季節さんも、空ちゃんを通して大人になる演技が迫りました。
そしてなんと言っても空の外村紗玖良ちゃんの演技に参りました。
迅と渚と空の10年後、20年後が、絶対に見たい・・そう思いました。
過去鑑賞
「愛がなんだ」も良かったけど
「his」も良かった。「愛がなんだ」は原作を読んでから観たから内容を知っていたけど、これは知らなかった、まさか子供が絡む話だとは!
でも子役の女の子も無邪気でかわいかったし、優しいパパ役の渚くんも素敵でした。ゲイであることを隠して誰とも親しく付き合おうとしない迅くんの心も2人と過ごしていくうちにほぐれていくのでした☺️
色黒で明るく社交的な渚くんと、感情を抑えて控えめにマイペースに生きている色白の迅くんは、惹かれ合うのがわかる気がしました。迅くんは耳が真っ赤になるのも愛らしい❤️
ゲイの偏見についても考えさせられる良作でした。何回も観たい。2人の役者の評価は私の中で爆上がりです。
あ、鈴木慶一さんの出演にはとてもびっくり😲ムーンライダースですよー、懐かしい。
戸田恵子さんも良かったです。
みんなそれぞれ
単なる男性の同性愛を描いた作品だというイメージで鑑賞
だが実際の「LGPTが生き辛い」「風当たりが強い」と言うものだけでなく
外に出て働くお母さんの苦しみも同時に伝わった
おじいちゃん良い人
空ちゃんも「好き同士なら普通だよね」と二人の愛を理解していて安心した
「これからはあなたが空の成長を見ていて欲しい(要約)」このセリフで号泣
愛する人と一緒に子どもを育てたい気持ちは痛いほどわかったが、
やはり女性の方が育児に向いていると言うイメージは確かに無意識にあるんだなと気付かされた。
個人的に保育者を目指す一人として、いろんな家庭に寄り添えるようになりたいと感じた
難しいテーマ うまくまとまりました
若干ハッピーエンド方向のエンディングで少し安心しました。それぞれこれからが大変だとは思いますが。
難しいテーマをうまく展開させている今泉力哉監督の力量を感じます。この前観た『愛がなんだ』でも感じましたが、映画やドラマは普通主人公たちに共感あるいは理解できないと面白く観れないと勝手に思っていましたが、最近はそうじゃないってつくづく思います。
『愛がなんだ』ではダメダメな主人公にもどかしく思いながらもなるほどなって感じたりしましたし、この『his』では偏見は持ってないつもりでもなかなか本当に理解できていないであろう深いテーマに少し、一歩くらい近づけたような気がしました。
宮沢氷魚さん、藤原季節さんとも難しい役柄を素晴らしく演じられてましたよね。宮沢さんは『騙し絵の牙』で役者さんとして初めて触れたのですがとってもいい雰囲気を持った俳優さんですね。藤原さんは今回が初めての出会いでしたが、幾度も書いて「またか!」って言われそうですが最近の若手俳優さんたちはこれからの活躍が楽しみな方々がたくさんいますね。
空ちゃん、可愛いかったですね〜
「パパ、ちゃんと謝ればママもきっと許してくれるよ」にはもうダメです。涙腺崩壊です。
最近夫婦とも30年来の親友である2人の別離に触れる機会があり身につまされるものがありましたが、難しいですよね。『妻のトリセツ』『娘のトリセツ』を再度熟読したいと思います。
松本穂香さん、裁判で相手側弁護士(堀部圭亮さん)に詰め寄られたときauのCMみたく「ヤリ過ぎです」って怒って欲しかったですね。
でもアンパンマン(戸田恵子さん)はやっぱり正義の味方で安心しました。
それにしても緒方役の鈴木慶一さん、いい味出してましたよね?!
ムーンライダースのボーカルですよね。『ママと遊ぼうピンポンパン』『今のキミはピカピカに光って』を作曲したミュージシャンがとても重要でいい役どころでした。白川(岐阜県)にずっと住んでいる長老感バッチリでした。
まとめに入りますが、色々な偏見や差別がなくなる世の中になることを切に願うばかりです。(いいこと言った?!)
beyond discription
レビューする語彙力がとにかく足りない。
今泉監督はとにかく 間 の取り方が上手い
個人的には冒頭にいちゃいちゃシーンを入れたことによってこの映画の全視聴者の思考を一致させる効果があった気がします→良い意味で!!!
…私は少し戸惑いました( ˊᵕˋ ;)
自分の中で同性愛について1番考えさせられるのが同性愛×子供への影響
同性愛と慣習的な一般論との対比はあるあるですが、そこに人的な要素(夫婦間の育児的な問題)を入れてストーリー展開させることで今までにない感動がありました
全体的にまとまっていて、最後の自転車のシーンは本当に「この映画を最後まで見て良かった」と思えるくらい素晴らしかった
場所と時間の流れが少し分かりづらかった気がします
五右衛門ワンちゃんまじで可愛かった
誰の幸せを願うか
同性愛者としての自分のアイデンティティを一番に考えるのか、生まれた子どもの将来を一番に考えるのか、考えさせられる。
結果、玲奈に親権を譲る渚。子どもへの愛は伝わってくるけど、結局土壇場で母親に押し付けるのか、と最後まで無責任だと思った。
同性愛者というアイデンティティ以前に、渚の身勝手さが目立つ。元の男のところに身一つ(子連れだけど)で押しかけるのも身勝手。子連れで居座るのも身勝手。子どもには選択権がないのに、子どもをその環境においておくのも身勝手。ずっと一緒にいた子どもを、父親にすがった子どもを、最終的に手放すのも身勝手。
結局渚は、子どもを犠牲として自由を手に入れた。
自分のしたことの重大さが分かっているのだろうか。愛する人と一緒になれれば、それでよかったのか。
それは、母親と子どもの犠牲の上に成り立っている。
親権こそ得た玲奈だが、相入れない考えの実の母親と、協力しての慣れない子育て。
自分を否定する母親に、頭を下げるのは辛いだろう。孫にも、自分と同じように厳しいしつけをする母親。それを目の当たりにする玲奈も辛いだろう。過去の自分を思い出してしまいそう。。そらちゃんの心も不安定になり、やはり一番の犠牲者は子ども、だと実感する。
自分たちが一番弱いと思っていた。
渚の言葉だけど、、、結果、違ったよね。
一番弱いのは、子どもとその母親だったよね。
渚は、自分が弱者ではないと分かり、安心したのか?自分は、自分のままでいいんだ、と思えた?それは良かったと思う。でも。
じゃあそらちゃんと、玲奈さんを守ってあげてよ、って思う。親権渡して泣いていたけど、、悲しいのはわかるけど、本当に弱い立場の人を、もっと守ってあげてよ。渚なら、弱い立場の人側に立てるはずだと思う。
心は優しく、穏やかで、自分に正直な渚。
でも人の人生に対する責任感がなさすぎる。
渚に全く共感できなかった…。
子どもから大人に成長していって、色んなことが分かってくるそらちゃんの幸せを、心から願った。
どうか、そらちゃんは、今のまま真っ直ぐな心で、笑っていてほしい。。
心があったまるね
劇場に行けなかったのDVDで鑑賞。
見終わった時にとてもこころが暖かくなった。
ゲイのカップルの恋愛モノだと思ってみたけれど、それよりもっと深い色々な愛の形の物語だった。
まずは親子愛、専業主夫となって子育てをして男は昔の恋人の家に転がり込む。いつもそばにいてくれるパパのことを女の子も大好きだ。
だから、パパが好きな人のことをすんなり受け入れた。
そしてお互いに忘れられない相手だった2人の間に純粋な恋愛が戻ってきた。今度は3人で一緒に幸せになりたいと願うのだ。
女の子はママのことも大好きで、愛情表現の下手なママは裁判でどんどん不利になっていく。すると彼が耐えられなくなってしまう。自分の今あるのは彼女のおかげだと。そこにはかつて自分の子供を産んでくれて生活を支えてくれた女性への愛があった。
メインの登場人物がみんな、少しの勇気と大きな愛を持っているから、この映画は暖かいのかもしれない。
優しい社会へ
作品が連続ヒット中の今泉力哉監督。
今年手掛けた2作品の内のもう一本は、監督初の同性愛。
でも見始めの印象は、イマイチだった。
何も同性愛に偏見があるからでは断じて無い。
と言うのも本作、TVドラマのその後のようで…。
基となったTVドラマは…
江ノ島を舞台に、サーフィンを通じて出会った2人の高校生、迅と渚。
これだけ聞くと、悪くなさそうな感じ。
でもこれだけだったら、2人の間に何があったのか全く分からない。どんな純愛があったのか、別れた原因は…?
本編は2人が別れてから8年後となる。
田舎町でゲイである事を隠してひっそりと暮らす迅。
そんな彼の前に、渚が突然現れる。しかも、離婚協議中の妻と親権を争う6歳の娘・空を連れて。
半ば強引な形で暫くの間住む事になるのだが…。
開幕で高校時代のシーンがあるが、本編は現在の話。
役者も違い、最初はどちらがどちらか。
状況や設定も把握出来ずのまま見始めたので、今泉作品初の空振り…と思ったのだが!
次第に引き込まれ、気付いたら感動もしていた。
今泉マジックとでも言うべきか…!?
何が良かったって、TVドラマを見てないと分からない云々ではなく、今泉監督のもう一つの真骨頂である何気ない日常描写が描かれている点。
最初は突然同居する事になった渚と空に戸惑いを隠せない迅。別れた過去もあるから尚更。
しかし、3人での暮らしが幸せになっていく。
小さな田舎町。余所からやって来た者たちにヒソヒソヒソ…。それも最初だけ。
町の人たちは皆、優しく、温かい。
この暮らしがずっと続いたら…。
でも、ゲイである事を隠して生きる者には、社会は優しくない。
渚の妻・玲奈がいきなり現れ、空を連れ戻して行ってしまう。
本格的な親権争い。
親権争いでは、男親ましてや同性愛カップルは圧倒的に不利。
玲奈と代理人はそこを徹底的に突いてくる。
負け戦になるかと思いきや、玲奈に不利になる事態が。
玲奈はキャリアウーマンで(まだ離婚してないが)シングルマザー。それ故の…とだけ言っておこう。
空はまた一旦、渚と迅と暮らす事になるのだが…。
同居し始めた当初はぎこちなさがあった迅と渚だが、再び昔のような想いで惹かれ合う。
ある時キスをするのだが…、それを空が目撃してしまう。
子供に悪気は無い。
子供は正直。
2人がキスしてた事を話してしまう。
この町の視線が気になり始める迅。その事は渚の親権争いにも…。
2人に最大の試練と苦境。
が…
そう、子供は正直。
パパは迅くんが好き。迅くんはパパが好き。
単純な事なのだ。
そんな単純な事を差別や偏見で壁を作り、社会は優しくないとしてしまう。
それは自分自身もそうだったのだ。ゲイである事を隠し、勝手に壁を作り、自分の方から社会に優しくなかった。
自分の方から壁を崩せば、きっと社会も優しく受け入れてくれる…。
宮沢氷魚と藤原季節の繊細な演技。ゲイの人たちに話を聞き、徹底した役作りで、同性愛カップルの苦悩や葛藤、一時の幸せ、それら姿をリアルに体現している。
町の居住サポートの若い女性係の松本穂香も可愛…いや、好助演。迅に密かに想いを寄せていて、ある時告白するのだが…。松本穂香ちゃんに告られて断るなんて、何て勿体無いッ!!
双方の代理人に、戸田恵子と堀部圭亮。堀部は狡猾で、戸田は頼りがいあり。
でも、大金星は次の2人。
空役の外村紗玖良ちゃんの愛くるしさ。そりゃあ親権を巡って争いたくなるわな。
玲奈役の松本若菜。妻でありながら最初はムカつく親権争い相手。が、いつしか彼女の方にも感情移入していってしまった。
と言うのも…
親権争いの渦中。
やはり同性愛者への優しくない差別、偏見。
特に、玲奈の代理人の切り刻むような言い分。
負け…と思いきや、例の玲奈が不利になる証拠が。
渚の代理人が容赦なく突く。
母親としての責任を激しく問い詰められる玲奈。涙を浮かべるその姿、見ていてこちらも苦しかった。
渚も空を愛しているが、玲奈も心から空を愛しているのだ。
同性愛者に社会は優しくないが、キャリアウーマン/シングルマザーにも社会は優しくない。
その時、渚が…。
親権争いは、意外な形に。
終わって、迅に抱き締められ号泣する渚に涙腺崩壊。
TVドラマのその後のゲイの恋愛映画だからと言って、敬遠しないで欲しい。『彼らが本気で編むときは、』や『チョコレートドーナツ』が好きな方なら絶対必見!
同性愛カップルの純愛や現実を描きつつ、
未だ根強い社会の差別、偏見、
キャリアウーマン/シングルマザーの現実までも織り込み、
自分らしく、社会に優しく生きる。
今泉監督、またまた良作! 連続ヒット記録を伸ばした。昨日見た『mellow』より良かった。
この社会の現実や彼らへの試練や苦悩はまだ続くだろう。
だが、そんな中でも、あの心温かいラストシーン。
空とパパとママと迅くんとで、ずっと楽しく暮らせたら…。
視点を変えれば
終始穏やかで優しい雰囲気で話が進むのだがある1組のカップルが別れて再会してよりを戻して幸せに暮らしましたというだけではなく夫と妻、親と子、父と母という関係からも話が展開されるのは良かった
周りの人達から受け入れられて2人(もしくは3人)は幸せに暮らせれば良いんだろうけどそうは上手くいかない
どれだけ2人が真剣に愛し合っていようが妻からしたら迅は不倫相手だし渚は自分を裏切った相手なのだから自分が命をかけて産んだ子供をはいどうぞと手放すわけない
LGBTを題材にしてはいるけどゲイだから、世間から差別をされたから それを乗り越えて愛する人と幸せになる、ではなく人間同士として様々な視点から2人を見せてくれたことに感謝したいです だからこそ渚のごめんなさい、だったり自分たちが一番弱いと思っていた、という言葉が観る人の心に響くのだと思うし
妻が物凄く寛大だよね 自分が妻の立場なら調停の1か月後に4人で会おうとは到底思えないので
一番残念だったのは2人がそこまで愛し合ってるように見えなかった事
愛してるというセリフもキスシーンもあるんだけど
どうしてだろう
自分が捻くれた見方をしているからだろうか
もう少し2人が一緒に生きていきたいと思い合ってることが伝わるシーンがあったら良かった
これが偏見
男性同士の激しいキスシーンに戸惑い
困惑して
笑ってしまいそうになりました。
でも、物語が進むにつれて
2人は私とは違う性的マイノリティだけど
誰かを愛する気持ちは私と同じなんだということが
ひしひしと伝わってきました。
困惑して笑ってしまいそうになることが、
自分と違うことや
マイノリティに対する
自分の中の偏見なのだなと
感じられたことだけでも
この映画を観た価値はあったと思います。
根岸季衣さんの
「この歳になったら、男も女もない。
長生きしなさいよ。」
という言葉が優しく大きく、
そんな言葉が掛けられる人に
私はなりたいと思いました。
追い歯磨き
会話劇をやらせたら今泉力哉の右に出るものはいないな、と確信。
愛がなんだに比べると、映像には現実味やドキュメンタリー性を重視したように感じられてエモさやセンスをあまり感じられなかった。現代日本における同性愛についての風潮に一石を投じるような、現実的な作りの社会派の作品はあまり好きではなかったけれど、今泉監督ならではの空気感や会話、セリフなどが調和していてかなり心に残る作品だった。この映画を好きになれたのは、同性愛を認めろ!という強烈なメッセージが込められているわけではなく、現代の同性愛の問題について柔らかく訴えていたからなのかもしれない。
歯磨き粉のくだりがめちゃくちゃ好きだった。
藤原季節の若干の素人感や、村人たちの一般人感が映画全体に良い影響をもたらしている感じが心地よかった。そして、宮沢氷魚さんの演技がとにかく自然で、人間ぽくて、あの映画の主人公にふさわしすぎるほどふさわしかった。
白川町のみんなの優しさは、小さな集落の温かさを感じられてすごく良かった。「楽園」で描かれていた集落とは180度印象が異なっていて、興味深かった。
ラストの上からのカットめちゃくちゃ素敵。迅と玲奈が会釈したところで、現代的な愛の形を感じた、、
gdgd【超絶ネタバレです】
本当はタイトルを【終わる終わる詐欺】にしたかったのですが、それだとタイトルだけで思い切りネタバレになるので自粛しました。最初のクライマックスシーンで終わっていたら星4つにしたと思うのですが、そこでは終わらず、さらにクライマックスらしきシーンが3度もあってかなり食傷気味となり、いよいよ5回目の正直(分かりやすい引きのカット)でやっと終わってくれました。長かった。。。
途中までは良かったんだけどなあ。心象風景や心の声は無く、全てセリフのみの進行でもちゃんと登場人物に感情移入できた。(ノンケなので、リアルなゲイの心情の動きまでは分からないけど)でもラスト30分、全ての曖昧だった部分をきっちり説明し、型通りのカミングアウトをし、さらに登場人物誰も悪くないという美しい展開となり、そしてLGBT映画として「政治的に極めて正しい」結末。。。
役者はみんな良かった。特に妻役の松本若菜は「通訳なのに英語下手」という点を除けば大変うまかったので、返す返すもラスト30分が余計だったなあ。。。
脚本がダメ。2020ワースト
LGBT(マイノリティー)の抑圧された恋愛物がやりたかったのか、はたまた離婚による親権問題が描きたかったのか?それとも女性の社会的弱者を炙り出したかったのか?
全てに於いてテーマがブレている気がする。裁判のシーンなんかは、台詞が余りにも酷くて演出で削れなかったのか?甚だ疑問である。特に最終妻側の弁護人が吐く「子供は女性が育てるべきなんだ!!」という台詞。あんな事言う弁護士いる?傍聴席で何度も拝観しているが、今作に出てくる弁護士はあまりにもチープな台詞が多くて、リアリティに欠ける。たぶんプロデューサーたちがこう言う考え方を持ってしまってるんだと思う。
自分たちが社会に蔓延る問題をありったけ描きました!って感じの浅薄な映画だ。
マイノリティーを描くので有れば、妻側は悪くないし、むしろ自分勝手をしている、だけど愛と言うものには逆らえない。を注視して描くべきだと思う。しかし、妻側が一方的に悪く描かれていたことが残念でならない。
子供の親権問題もそれに絡んでくるが、子供が言う台詞があまりにもストーリーにご都合良すぎて「?」となる言葉ばかり。子供ってそうじゃないんだよなあ〜って。
あと根本的に思ったこと。この映画の提示する世界観では、女性が社会に出て働けないよ!って言いたくなった。それが狙いですって言うんだったら、説明ではなくて説得力ある脚本で見せて欲しかった。なので女性蔑視だと認識。
最後のユートピアみたいなエンディングは何あれ?この製作陣大丈夫か?って思う。
プロデューサーが全員男だってことに納得した。
まあまあ
主人公が生真面目過ぎる+寡黙な影響か、全体的にテンポが悪い。会話のやり取りがぎこちない…台詞が物語進行に徹していて遊びがないと言うかイキイキしていない。この辺が観てて一番しんどかった。
藤原君が申し訳ないが余り上手くない。娘のセリフも紋切り型。鈴木慶一の飼ってた犬の方が演技上手かった。
他の方も書いていたが、主人公カップルの間にあまり愛情を感じなかった。性的な行為がなくても、さりげなく愛情を醸し出す演出はもっとあったはず。
藤原君の嫁は良かった。嫁と娘の展開はベタだが実際あんなもんだろう。
ただ最後で藤原君が嫁とあの形で和解したのは…家事子育て旦那がするって最初に二人で決めたんだから卑屈にならんでいいやんって。内容的にごめんなさいって言わせたかったんだろうけど。男二人で子育てして欲しかった〜。まぁその可能性もある終わり方だったけど…。
あと、突然スカイプの画面に出てきた堀部敬亮は唯一可笑しかった。
勇気を受け入れる勇気
上映時間が合ったので鑑賞
ロケットマンなど同性愛の描写が普通になってきている
気がしていたのでこういうのもという気持ちで観ました
出身地の岐阜が舞台なのもあり…
感想としては
非常に心を打たれました
テーマに真っ向から挑み素晴らしいラストを
提供してくれると思います
迅と渚は仲睦まじい日々を過ごすも
迅は渚から突然別れを告げられ
失意のまま岐阜山奥は白川町に若くして隠遁するかのような
生活を送る迅のもとへ子供を連れた渚が現れます
困惑する迅ですが離婚調停中で親権を争っていると
言われ複雑ながらもその娘空と打ち解けていき
渚への残っている気持ちや渚自身の懺悔も含め
迅は再び渚を受け入れていきます
迅はその端正な顔立ちもあり町職員の美里にも
好意を持たれたり同性愛関係がひょんな事から
町民に知れ渡るなど起こりますが
迅の人柄に触れていた緒方らの理解により
町民にも同性愛を打ち明ける勇気を持ちます
そしてそれは同性愛を隠し妻ともうまくいかなく
なって逃げていた渚にも影響を与えていきます
その渚も
一般社会の認識に溶け込もうと渡航先で知り合った
玲奈を所帯を持っていたが同性愛者であることが発覚し
離婚調停と親権を争う事態になっていますが
同性愛カップルで育児を行うことが肯定されにくいこと
夫が親権を勝ち取ることがないと弁護士に言われつつ
育児関係は渚が全般的に行っており玲奈は仕事優先で
子供と向き合っていない現実がありました
裁判でも渚は親権を勝ち取る雰囲気を得ますが
迅の勇気や空の言葉に絆されたのか
自分の正直な気持ちによって夫婦の時仕事で
家庭を支えてきた玲奈に感謝と謝罪をしつつ
親権を玲奈に託すのでした
その後迅の腕の中で慟哭する姿は涙を誘います
空のために玲奈と関係を修復する道を選び
その代償に空と暮らせなくなるのですから
ただこれによって空とは定期的に会う機会を持ち
迅も渚も空も玲奈も一緒にいる風景を遠くから流しながら
幕を閉じます
昨今よくメディアでも目にするようになったLGBTですが
日本はどちらかというと女装タレントが昔からテレビに
普通に出ているしあまり抵抗のある国民性では無い気がします
無関心に勝る寛容は無いと思ってます
ですが知らないだけで本質的な問題には触れる事が無く
こうした映画などから考える機会を持つのが最も
大切だと思います
売名で利用してる下衆も政治家にもたくさんいますから
主演の宮沢氷魚の寡黙ながら大事なところで力強い演技
藤原季節の軽そうで軽くない妙な存在感を感じる演技
テーマを受け止めていたと思います
シングルマザーの苦悩も描写している部分もありますね
どこでも観られる公開規模ではないですが
これは幅広い層が観るべきと思います
松本若菜にエールを。
松本若菜さん演じる妻が心に残った。私にとっては主役のカップル以上に。愛した人が本当は自分を見てなくて、親も当たりが強くて、仕事はフリーで安定しなくて、娘は夫といる時間の方が長くて…って、あれはつらい。最後、渚が妻に謝罪と感謝を伝えてくれて本当によかった。あれがなかったら見てられなかった。
法廷のシーンが見応えあった。戸田恵子vs堀部圭亮。「マリッジストーリー」もそうだったけど、弁護士を前にたてて、夫婦が傷つけ合う姿は苦しい。お互いのいいところもいっぱい知ってるのに。
全28件中、1~20件目を表示