オフィサー・アンド・スパイのレビュー・感想・評価
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戦場のピアニストと並ぶポランスキーの正統派映画!
ポランスキーが亡くなったら、戦場のピアニストと共に代表作として紹介されるでしょう!今撮っておきたかったという意欲は感じるのですが・・真面目すぎる!もっと不真面目なポランスキーも観たい!女性にお勧めがはばかられるロ―ズマリーの赤ちゃんや反発、子どもが観てはいけないおとなのけんかや毛皮のビ―ナス、劇場公開すらされなかった欲望の館やテナント、みたいのがみたい!
ポランスキーはイ―ストウッドと並んで60年代から活躍しているから、また何かやってくれるでしょう!
ところでパーティーのシーンで、チラッと出てましたね、ポランスキー!
ユダヤ人描写の変化=監督の心境の変化??
同じユダヤ人迫害系だと、この監督は「戦場のピアニスト」を撮ってますが、
あの映画は、「ユダヤ人って、とってもかわいそう!かわいそう!」一辺倒だったのに対し、
今回は、ユダヤ人のド厚かましさも描いていて。
まさかの「階級あげてくれ〜!」にドン引き…。
なんとなくユダヤ人が好かれていない理由が透けて見えるような描写が散見されました。
自身もユダヤ人であるのに、割と客観的なユダヤ人描写になって来たのは、
やはり88歳になって、お迎えが近づいて来た事とも関係あるのか、ないのか。
知りませんけど、心境に変化があったのは確かでしょう。
ここで逃亡生活をやめて、アメリカに戻って罪を贖う事を選択したなら、、、
そういう心境の変化であるなら良いですよね。
だって今のままだと、「自分のこと棚にあげた作品ばっかり撮ってた監督」て評価で終わりますよね笑
フランス人の2つの側面を想起
「最後の決闘裁判」を観たときになんて強引な裁判だと感じた。時代が時代だから仕方ないが、暴力ですべてを解決する中世のフランス(フランスだけではないが)を怖く感じたことを覚えている。あの映画の時代から500年がたった時代が本作の舞台。
この手の冤罪事件を扱う映画だと、権力者たちの保身やいい加減さが描かれるものだと思っていたが、もう完全に予想通り。あの手この手で自分たちが下した判断は間違っていない!と主張し工作する姿は醜悪でしかない。
でも予想外の展開となったのが決闘シーンがあったこと。500年もたっているのにまだこんなことやってたのか!フランス人はどれだけ決闘好きなんだよ!
たとえ自分が間違っていても納得のいかない結論になるなら暴力で解決しようとする。この発想は時代も地域も超えて、DVを繰り返す男たちに脈々と受け継がれているのが恐ろしい。
この話をただの友情物語にしなかったのも憎らしい演出。フランス人は正義のために行動するのだ!みたいな監督のドヤ顔を想像してしまった。ま、暴力で解決しようとしたのも、正義のために行動したのもどちらもフランス人の側面と言える。そんなフランス人感を考えさせられた映画だった。
ポランスキー監督に敬意を表して
史実に基づく物語り。との事。
でですね。
「これは過去の物語りでは無い」と言う謳い文句。
国家権力による事実の隠蔽。情報の改竄。
って事を言いたいんでしょうけど。
それだけじゃねーよ。
国家機密情報の漏洩。これ、現在の日本から、あっちゃこっちゃに漏れまくり。のみならず。工作員もワンサカ活動中。
って事で。「スパイ」も過去の物語り、他人事じゃないですもんね。
映画本編は、ピカール中佐を軸として、テンポよく淡々と進んでいきます。見やすくて分かりやすい、親切設計です。電子データによる通信が存在しない時代、アナクロで現物主義。証人による証言に頼る裁判は中世的でもあり、権力者の思い通りに進むだけやん!と言う絶望感に満たされて行きます。
劇中、速射能力が向上した75mm野砲が登場しますが、年代的にはM1897 75mm野砲と思われ。これは、砲撃の反動を、砲身のみを後方にスライドさせることで減衰すると言う、革命的な野砲で、フランスで開発・製造されていました。ドイツが開発した野砲は、砲身のスライドに液圧とバネを使うハイブリッド方式。フランスの気圧式に比べて、大型で重量がありました。野砲は軽量であればあるほど機動力が高いため、フランスの野砲はドイツ製に比べ、運用上圧倒的なアドバンテージを有していました。
ドイツは、その設計情報が、のどから手が出るほど欲しかったと思われ。結局、設計情報は得られないまま、もしくは手に入ったが製造に成功しないまま、第一次世界大戦に突入します。
ちょっと意外だったのは、これほどの機密情報を漏らした(冤罪じゃあるけれど)にも関らず、軍法裁判の判決は禁固刑なんだ、と言う事でした。これが帝国陸軍なら切腹ですもん、確実に。
贅肉無しでサクサク進む物語りは、リアリティに富んでいて好印象ですし、顛末のビターな感じも、個人的には好き。野戦では戦況を左右しかねない機密だったと思うんですが、演出がサクサクし過ぎてて、そこんとこもサクサクと流れてしまった点が、ちょっぴり残念ではありましたが。
良かった。普通に。
現代日本
100年以上前にフランスで起きた事件ですが、現代の日本と重なる部分が多すぎて・・・
映画はスリリングなポリティカルサスペンス仕立てでエンタメとしても非常に優れていると思います。
安倍晋三をはじめとする自民党の御歴々に是非観ていただきたいです😊
軍への忠誠か自らの正義か
19世紀末のフランス。ユダヤ系のドレフュス中尉は機密漏洩容疑で離島の監獄送りになった。士官学校で彼の教官だったピカールは、反ユダヤだが正義感が強い男で、ドレフュスの無実の証拠を見つけた為、軍の上層部に再審を提言する。だが事無かれ主義の軍に相手にされず、独自に調査を続けていくと、書類の捏造が判明する。しかし・・・
フランス国内を騒然とさせた有名な冤罪事件らしいです。
知らない事件だから退屈するかもと思いましたが、複雑な事件を分かりやすく整理して見せ、緊迫する場面が続いて目が離せなかったです。
ほぼ同じ服装(軍だから)の似たようなおじさんが何人も出てきて誰だっけ、となりましたし、時間も前後するのですが、今は何年の何月かという点を注意していれば混乱しません。
この時代でもユダヤ人は疎まれていたのはなぜなのかと思いましたが、ドレフュスはおそらく優秀で、忖度せずに自分の意見をはっきり言うタイプ。それはピカールも同じなのですが、フランス人じゃない事で、無実の罪に陥れられ、証拠まででっち上げられます。もしかしたら宗教的な確執もあるのでしょうか。
自分達とは違うからと差別したり、目障りな人間を排除しようとする構図は、日本でも、関東大震災のあとに朝鮮人がいわれなく殺害されたという話を思い出すし、現代のいじめにも通じる気もします。
本作は、分かっている事実のみから真実を導き出そうとする重厚な映画でした。
ピカールは情ではなく信念で行動する男なので、ドレフュスとの距離感が縮まったりはせず、無理に感動的にはしません。
権威に弱い人々の中にあっても、不正は許さないという熱い想いの人々もおり、マスコミも奮闘しました。ペンは剣より強し、ですね。見ごたえがありました。
Dの奴
軍法会議の結審が誤りだったことに気付いた陸軍中佐で諜報部長の男が隠蔽しようとする上層部と対峙する史実に基づく話。
1895年1月、スパイ容疑でユダヤ系フランス陸軍大尉が軍籍剥奪と終身禁固刑を言い渡され巻き起こっていくストーリー。
ユダヤ人という偏見と決めつけから、都合の良い解釈で決めつけられて、あっと言う間に結審し投獄とか、時代背景もあるとはいえ恐ろし過ぎる…まあ、今でもそして世界中のどこでも冤罪と隠蔽は沢山あるけれど。勿論日本でも。
この事件を知らずに観賞したけれど、それでも結末は判りきっている訳で、そこに向かってどうみせるのかと思ったら、そこで終わりですか!?
字幕処理されても何でそうなったのかは不明のままって。
強い信念を持つ上に有能なピカールの戸惑いと抗いと、それでもハマっていく様は見応えあったけれど、題材にしても内容にしても、ある意味目新しさもなければ衝撃もなく、まあこんなものなのかなという感じ。
真面目な映画だが、内容に乏しい
自分は、大佛次郎の「ドレフュス事件」で予習して、映画を観に行った。
昭和5年という、時代の転換点(翌年は「満州事変」)に書かれたこのノンフィクションは、「社会講談」と著者が謙遜するものの、この事件を平易かつ網羅的に教えてくれて、とても有り難かった。
ゾラの「弾劾文」の全文が載っているという点も素晴らしい。
この映画は、脚本に参加しているロバート・ハリスという英国人の小説を原作にしているが、観に行く前の印象は「ピカール中佐が主人公で、映画になるのか?」だった。
そして、観た後の感想は、「やっぱりピカール中佐では、映画にならない(笑)」だ。
正義と軍人という立場の間で引き裂かれた良心の人であるが、「ドレフュス事件」を描くには、取りこぼしが多すぎるのではないか?
もちろん、2時間の映画で「ドレフュス事件」を描くのは不可能だ。しかし、この事件を社会問題にした、もっと大きな流れが、ほぼ描かれていない。
反ユダヤ主義、軍国的な風潮と反ドイツ感情、新聞を使ったプロパガンダ、殺気立った国粋派の群衆、そういう社会背景描写がない。
弁護士ラボリは目立つが、ゾラを始め、落選中のクレマンソーなど、再審を求める側の活動は、ほとんど出てこない。エンタメなのだから、画家モネや小説家プルーストくらい、ちょい役で登場させても良いだろうに。
本作においては、“正義”はピカール中佐だけに集約され、他の“正義”は蚊帳の外という異例の展開だ。
何より、それほどまでに登場人物や社会背景描写を切り捨て、限定したわりには、主人公ピカールの人物造形が浅すぎる。
エリートだったのに左遷され、1年も投獄されたピカールの怒りが伝わってこない。ピカールの後任の参謀本部情報部長アンリに決闘を申し込んだのは、ピカールなのだ。
そして、勝手な創作にすぎない、ポーリーヌとの“ロマンス”を延々と描いて、お茶を濁すのである。
こういう感じがポランスキーの映像美学なのかもしれないが、実在の事件を描くには不適当だと言わざるを得ない。
ピカール中佐を主人公にするなら、最も描かれるべきは、組織防衛のために嘘と隠蔽に追われた軍内部の動きであろう。
彼らにもフランス軍の尊厳を守るという、大義があったことを忘れてはならない。
しかし具体性を欠き、誰が誰だか分からないような、ステレオタイプ的描写に終始しているのは残念だ。
また、獄中のアンリが、なぜカミソリで自殺できたのか、そのカミソリは何処から来たのかという疑問にも、答えようとしていない。
真面目な映画である点は、好感がもてる。
「モリカケサクラ」の某元首相を告発できない、腐敗した司法のもとにある日本においては、ちょとした清涼剤となる作品かもしれない。
しかし、内容に乏しく、たいした映画ではなかった。
偏りや演出めいたものを感じるけど─
過剰なドラマを多少感じるけど、歴史的な事柄を淡々と述べている印象も不思議と同時に感じたので、歴史的な出来事がこれほどまでに面白いとは!という感想です
酷い出来事であり、しかも偏見とか政治とかスキャンダルが複雑に絡んでいて、この事実を歴史として学ぼうとするとかなり難しく思うだろうし、正直嫌になってしまうところだろうけれど、これほどまでにドラマティックに描いてくれると、何の苦もなく歴史的事柄が頭の中に入ってくれるような気がしました。決闘とかスキャンダルとか暗殺とか、一つの事件であらゆる出来事があったからこれほどまでに面白いのだろうけど、それプラス愛の力が大きいのかも─。歴史の教科書には愛というものはなかなか盛り込みづらいと思うので─。
難しい出来事を、質の高い演出・演技、映像でもって非常に分かりやすく再構成してくれていて、かなり見やすい作品でした。
顔の見分けがつかねえ!
2022年劇場鑑賞130本目。
史実によって描かれているということで、不倫している人は実際にも不倫しているということでしょうか。
主人公だと思っていた人が投獄され、実はこの投獄はフェイクで、スパイとして活躍する話なのかなと思ったら主人公は別の人だったぜ!
みんな口髭に軍服なものですから、結構画面の中にいる主人公を見失う事があり、困りました。諜報部の部下たちは結構個性的なビジュアルをしていて分かりやすいのですが。
ポスターには大逆転劇!みたいな感じで書いてあったのですが、そこまでスカッとしなかったのでこれくらいの点にしておきます。
安倍ちゃん、見てみろよ
見ても忖度尽くしのこの国がより、大好きになるだけかな。
信条、思考に拘らず、真実を追う。
この話は良かったよ…
人として、かくあるべき、オレもこうやって生きていきたい。籠池、加計、厚労省、その他忖度まみれの連中はどう思う?
ポランスキーにとってはブーメラン
少女への淫行で米国に入国できないポランスキーにとってはブーメラン的作品。本作で良心と法律に従うことを主張するのであれば、ポランスキー本人も米国の裁判所に出頭すべきともいえる。
それはさておき、88歳の巨匠ポランスキーの手腕は衰えておらず、ドレフュス事件を描いた本作も法廷劇として秀逸。権力の欺瞞に立ち向かうピカール中佐を高い緊張感を維持しながら描き、語り口のうまさはさすが。
なんとなくしか知らなかったドレフュス事件について知れたのも良かった。
えっ?
86本目。
まあ、ざっくり言えば謎解き。
アナログな手法で、どう紐解いていくか楽しみではあった。
きっかけは分かるけど、なんかボヤけてる感じ?
真相に近づくにつれ高まっていく緊張感、組織の壁みたいなのが弱すぎて。
それぞれにドラマもそれ程感じないし、盛り上がる所でも、なんかイマイチ。
最後も、えっ、それはいるかなと思ったけど、あのシーンで彼の存在が軍では、目障りだったのでは思ってしまう。
うーん、理解するにはなかなか難しい作品のようです
ユダヤ人であることから無実の罪を着せられたドレフュス氏を、自分が属する軍組織からの迫害にかかわらず擁護し真実を明らかにした軍人(ピカール中佐)が主人公の物語です。
この作品を理解するためには、
・フランス革命を起源とする「自由・平等・博愛」という標題は単なるお題目に過ぎず、ユダヤ人差別が現存した(とういうか、一般庶民が積極的にユダヤ人を差別・迫害していた)という前提を知っておく必要がありますね。
・また、1870年のプロイセン(ドイツ)との戦争においてフランスは大敗していることも知っておいたほうが良さそうです
・ついでにいえば、陪審制とか決闘裁判?とか、フランス独自の法制度を知っていればさらに理解が深まるでしょう。
ドレフュス事件については、19世紀末のフランスでユダヤ人差別の事件があったことだけ知っている程度で予備知識なしにこの作品を見ましたが、時代背景を知らないとちょっとハードル高い感じがします。
ちなみに監督は少女への性的虐待で訴えられたポランスキー氏。それを理由に、この作品を批判する人もいるとのこと。
一方で、ポランスキー氏の家族もユダヤ人でナチスに殺された事実があるそうです。
監督がこの作品を作ろうとしたことに何か思惑があるのでしょうか・・・?
理解するにはなかなか難しい作品のようです。
世は変われど、人の本性は変わらず
『エミール・ゾラ』の評伝を読めば必ず触れられる
「ドレフュス事件」。
十九世紀末のフランスでの免罪事件に対し、
彼が新聞紙上に「J'accuse」と発表した公開状。
いみじくも劇中では「私は弾劾する」とも訳されているし、
「私は告発する」でも良いのだが、それが本作の原題。
それを〔オフィサー・アンド・スパイ〕などと翻案した、
日本の配給サイドは相変わらずセンスが無いと思ったけれど、
元ネタの小説のタイトルが〔An Officer and a Spy〕らしく、
そこから頂いたのね。
確かに『ヒッチコック』による〔私は告白する/I Confess(1953年)〕や
直近では〔私は確信する/Une intime conviction(2019年)〕もあったりで
それなりに苦肉の策とは失礼か、理由のあったことと思われ。
とは言え、今回の主人公は『ゾラ』ではなく
陸軍中佐の『ピカール(ジャン・デュジャルダン)』。
諜報機関長への就任を契機に、スパイ事件の調査を始めたところ、
件の事案に行き当たり,
どうやら『ドレフュス(ルイ・ガレル)』は犯人ではないのでは?と
疑念を持ち始める。
大尉は嘗ての教え子だったこともあり、その人となり、或いは
懐具合や、国への忠誠度についても該博な知識を持っていた背景もあり。
所謂、正義の人である『ピカール』は疑いを晴らすために動き出すのだが、
そのことが却って、自身に災厄をもたらしてしまう、との筋立て。
監督の『ロマン・ポランスキー』は、当年取って八十八歳。
が、その年齢をとても感じさせない、重厚な造り。
スリルありサスペンスあり、裁判や決闘シーンありと、
起伏のある描写とシチュエーションもテンコ盛り。
もっとも、その決闘については、「決闘裁判」なのだろうか
ことの次第が判らず、戸惑ってしまったのは正直なところ。
また、登場人物は皆々口髭を生やした類似の相貌のため、
人物の識別と関係性理解に苦労する、との
日本人らしい悩みもあったり。
本作での気づくべき点は三つほど。
ユダヤ人への偏見
官僚制の腐敗
愛国心を隠れ蓑にした欺瞞
ユダヤ人商店のウインドウに「ダビデの星」を書きなぐり
破壊するとは、その後の「水晶の夜」にも繋がるような所業。
監督もユダヤ人であることから、どうしてもこの種の描写は
熱めになるのかな。
権力が必ず腐敗するのは世の常。
保身に走り、その為には、善良な第三者の犠牲など
屁とも思わなくなる。
そして、愛国が居丈高に唱えられる際には、
その裏に自己の都合の良さが隠れていることを
常に疑ってかかることの必要性。
しかし、この何れもが、今でも
世界中で或いは身近で起きていることではないか。
百十余年の時を経ても、社会は、或いは人間は
何も変わっていない。
原作者の『ロバート・ハリス』は、〔The Ghost〕との小説も書いており、
『ポランスキー』はこれも〔ゴーストライター(2010年)〕として映画化している。
俳優や脚本家とは勿論のこと、
小説家との相性についても
改めて思った次第。
ユダヤ人の迫害ってナチスだけじゃなかった事をあらためて学んだ
1894年、ユダヤ人のフランス陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を漏洩した容疑で終身刑を言い渡された。対敵情報活動を率いるピカール中佐はドレフュスの無実を示す証拠を発見し上官に対処を迫ったが隠蔽を図ろうとする上層部により左遷されてしまった。ピカールはゾラらに支援を求め、権力や反ユダヤ勢力との闘い、ついにドレフィスは無罪となる話。
観てて面白くはないが、この事件もイスラエル建国のきっかけとなったらしく、ユダヤ人にとっては重要な事件だった事を知れて良かった。
真実はいつもひとつ、だが語られるとは限らない
ドレフュス事件を下地に《明かされない真実》に対して焦点を当てた作品。
さすがはポランスキー作品。相変わらずの映像美ですね。当時の環境を最大限に活かしたセットにキャスト一同の佇まい。もはや絵画と言っても過言ではないです。その一方で『開かない窓』や『探すことすら面倒くさい鍵の束』など、ビジュアル重視すぎておよそ実用性に欠けた小道具(花形であるはずの陸軍の怠惰な生活が垣間見える)との落差がなかなかに笑えましたが。
これまでのポランスキー作品に比べ、非常に観やすかったと思います。基本は一本道。ヤマはエミール・ゾラ登場の場面でしょうか。
この場にコ◯ンくんがいたら「蘭姉ちゃん、この時代っていろいろと面倒くさいね」とぼやいていたかもしれません。物証もアナログであれば提示もアナログ。そこに偉い人達の胸先三寸が加わるので、もうどうしようもない。
単調ではありますが、ラストの内容を含めていろいろと考えさせられる良い作品でした。
J'accuse!
J'accuse!
この邦題を考えた者を。
なぜ、国内上映するときにこのように作家の渾身の語句を無惨なまでに切り刻むのか!
J'accuse!
その邦題に無批判に乗ってしまう配給会社を。
これではかえって映画の価値が下がってしまう。今となってはもはや手遅れではないか!
J'accuse!
そんな映画に予習せずに臨んだ者たちを。
なぜ、諸君は、この後、慌てて世界史の教科者やWikipediaを今更ながらに読まずにはいられなかったのか!
ー Moi aussi...Vous devez vous préparer avant de regarder ce film!
J'accuse!
映画が始まって20分でいびきをかき始めた前列の男性を。
開始直前に入場し、気になるほど背もたれから頭を出し、すぐ後ろの老年の男性が見にくいそぶりをしていたことに気づかなかったのか!
そして、ずるっと、座席に沈み込んで間も無くすぐさま撃沈のいびきをかき、近隣の観客がその音にが気になったことを気にしなかったのか!
J'accuse!
自分が次回上映予告作品のパンフをもらおうとしてラックの前に行こうとしているにもかかわらず、その前に立ち塞がっていた若きカップルたちを。
諸君らは、何を求めて映画館に集うのか。君らの目的は岡田健史なのか!チケットを求めるにせよ、オヤジの楽しむを奪うな!そんな君たちは、こんな映画ばかりか今上映している『教育と愛国』さえ関心がないだろう!共演ついでの阿部サダヲでも見て『シン・ウルトラマン』にでも行ってくれ!
という愚痴をこぼしているナラバ・・・Je m'accuse!
ここまでSuivez les mots d'Émile Zola!
J'accuse à ce pays d'avoir ignoré les activités criminelles de l'ancien premier ministre!
きな臭いものにはJ'accuse!
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