「【自由主義と社会主義思想の狭間でエデンが学び、体験した社会構造、恋愛模様、そして作家としての成功の果てをアイロニックに描いた作品。ルカ・マリネッリの魅力(特に目力)溢れる作品でもある。】」マーティン・エデン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【自由主義と社会主義思想の狭間でエデンが学び、体験した社会構造、恋愛模様、そして作家としての成功の果てをアイロニックに描いた作品。ルカ・マリネッリの魅力(特に目力)溢れる作品でもある。】
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-既に、優れたレビューが多数投稿されているので(取り分け、”お守り様”のレビューは素晴らしい・・。)簡単に感想を記す。-
・エデンの若き日の、自由奔放だが、実に魅力的な姿が印象的である。
知識に飢えている彼に、エレナが言葉の言い間違えから直したり、彼自身も本を10冊一度に買い込んだり、安物のタイプライターを買い、熱心に打つ姿。
ー資料にルカ・マリネッリは、イタリアのアランドロンと呼ばれているとある。
成程。冒頭の波止場のシーンが、何となく「太陽がいっぱい」に雰囲気が似ているなあ、と思ったのは強ち、見当違いではないらしい・・。
久しぶりに、"パトリシア・ハイスミス"と"ジャック・ロンドン"が読みたくなった・・。-
■貧困層の出身で学のないエデン(ルカ・マリネッリ)が、身分違いのエレナと恋に落ち、必死に雑誌に作品を投稿し続け漸く作家として成功し、エレナと対等に付き合える地位を築いたのに、
1.何故、彼は船上で会い、一度だけ関係を持った女性を妻にしたのか?
2.そして、訪ねて来たエデンに一度はキスを交わしながら、態度を豹変させて、あの様な態度を取ったのか?
3.何故、彼は目の下に隈を作る程、不健康で、不機嫌な表情を浮かべ、粗野な態度を取るのか?
<その理由は、あの夕陽が沈む海を一人、沖に向かって泳いで行くシーンを見れば、明らかである。
彼は成功の引き換えに愛する”自由”を失い、忌むべき社会構造の中に”いつの間にか”取り込まれたと気づいたのだから・・・。>
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