「露骨なる意図。」マーティン・エデン t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
露骨なる意図。
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ルカ・マリネッリが目立つのは、主人公だからというだけではなく、さまざまなシーンで、彼のポジション(立ち位置)や写されるアングルや陰影や、まあ魅力的になるように計算しつくしているからだろう。演技や存在感は十分あるのに加え、それをさらに増幅させるカメラや照明の渾身の働きがある。という露骨なる意図を、さすがに感じさせてしまうほど過剰なのだが、まあニュースター誕生と叫びたいイタリア映画界の総意もそこにあるのかもしれない。
さて映画なのだが、唯一の疑問。これって、背景となる時代はいつなんだ!?ということ。まあ、20世紀の数十年をまぜこぜにして、アールヌーボーなシチュエーションにテレビジョンが存在したり、荷車の向こうにコンパクトカーが駐車してあったり。このあたりの雰囲気、監督が狙ったであろう<紛れ>に対して、いい感じに没入していても、時々我に返って違和感が生じてしまう。この醒めた瞬間が気持ち悪かった。
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