マリッジ・ストーリーのレビュー・感想・評価
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2019年ベストムービー!⭐️✨
2019年の映画納めはこれ!年の最後の日に良い作品を観れました(笑)
アダム・ドライバーの演技が素敵で、すっかり引き込まれてしまいました。ラスト近く、夫婦が互いの感情をぶつけ合うシーンは涙無くして観れませんでしたね( ; ; )笑
アメリカの恋愛ドラマにしては、どこかウェットな感じで、面白かったです…でも、やっぱりどこかしっくり来ないのは、日本人の方がもっとジトジトしてそうだし、それに比べたら、彼らのやりとりはまだまだドライな印象だったからかも知れません…文化的な違いと言ってしまえばそれまでですが、子どもの親権のためにNYとLAを行き来するなんて…かなり非現実的…(笑)
これもNetflix作品ですが、ミニシアターでなく、普通にシネコンでロードショー上映して欲しいもんです。Netflix…良い作品が多過ぎます(笑)
どちらの立場にも感情移入した
今作は見る人によってどっちかの立場になって見るのかなと思った。
前半の方で、ニコールが弁護士に思いを吐き出す長回しで、彼女側について見ていたが、チャーリーの息子を思う気持ちもよく分かったし、それ故腕切っちゃったり空回りする部分も憎めないなあと思った。
二人の喧嘩シーンで不利な状況であるチャーリーがだんだんと白熱していく様がすごいリアルで良かった。
それと、離婚裁判ではいい人を貶めると言っていた様に、チャイルドシートの取り付け、ワインで酔いすぎたくだりなど、二人がまだ思いあってるんだなと思うシーンが二人の溝を深くしてしまうきっかけになるなんて切ないなと思った。
主演二人の演技がリアルで本当にすごいなと思ったんでアカデミー賞取ると良いなぁと思った。
一組の離婚夫婦を通じて、男女の相違を鋭く炙り出した名作
ノア・バームバックは常々機能不全に陥った家族や、離婚家族を描いてきた印象がある。それを彼自身の離婚体験と重ねようとするのはあまりにお節介なことという気もするけれど、「イカとクジラ」では離婚する夫婦よりもその息子であるジェシー・アイゼンバーグにバームバック自身の気配を色濃く感じたのに対し、この「マリッジ・ストーリー」ははっきりと離婚する夫婦の目線で離婚が描かれていたのは興味深かった。
最初は冷静さを保ちながら弁護士を入れずに双方の話し合いで離婚をしようとしていたはずの夫婦が、小さな出来事の積み重ねによって弁護士を挟んだ「闘い」のようなものになっていく切なさ。でも同時にそういうすれ違いが、この二人を離婚に至らせたような気もした。話し合いで離婚が出来る二人なら、そもそも離婚はしなかったかもしれない。
お互いがそれぞれに思うことや憤ることや不満に思うことがあって、何方が正しいでも間違っているでもないように感じられるから、本当に苦しい。社会における男女の立場の違いと結婚における男女の目線の違いなどといった非常に細かい男女の相違を、バームバックが実に鋭く解析し、奥深くまで考察した上で、最後に見事に磨き上げたような研ぎ澄まされたストーリー。身近なテーマだからこそ逃げ道のない内容をここまでありありと描写してしまえたことが本当に凄いと思う。はっきり言って観ている間はずっしりと心が重たかった。ある意味「ジョーカー」以上の鬱映画とも言えるのではないかと思うほど。それなのに目を逸らすことは出来なかった。
そして男女のそれぞれの立場を表現したアダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソンがまた凄まじかった。怒りと悲しみの奥に辛うじてお互いへの情けがあるような複雑な心理状態を生々しく演じ抜いて、二人が対立するクライマックスの激論のシーンなんて呼吸すら忘れるほどのド迫力だった。一秒ごとに心が揺れて様々な感情が流動的に入り混じって喜怒哀楽だけでは到底説明のつかないような心の内を、勇敢な表現者二人が的確に体現することで、リアルな離婚の現実と渦中にいる人間の心理を思い切り剥き出しにされていたなと思う。そしてそんな胸の詰まる映画の中でローラ・ダーンがシーンをいい意味でぶち壊してくれる痛快さ。登場からして格好よくキマっていたローラ・ダーンはひと度セリフを口にし始めた瞬間にもう愉快痛快。現実では絶対に身近にいてほしくない登場人物だし、なんなら離婚を修羅場に変えた元凶のような存在なのに妙に快哉で妙なインパクトがあってすごく良かった。
物語は相手の長所を綴った「手紙」によって冒頭と結末がブックエンドのように納められている。あの手紙をもし冒頭の時点で読んでいたら・・・?という仮定が思い浮かぶとまた切なくなった。
でももし冒頭であの手紙を読んでいたのだとして、あの時点では夫婦の心には響かなかったかもしれないとも思えて、それもまた切なかった。
妻は、夫の母親じゃないんだからね
ニューヨークで劇団を主宰するチャーリー(アダム・ドライヴァー)と劇団の看板女優ニコール(スカーレット・ヨハンソン)。
ふたりは夫婦で、間には8歳になる息子がいる。
円満だったふたりだったが、西海岸から出てきて現在の地位をなったニコールは、自分のキャリアについてある種のもやもやを引きずっていた。
もう一度、西海岸で女優としてのキャリアを築きたいと感じた彼女をチャーリーは快く送り出したはずだったが、コミュニケーション不足からなのか、夫婦関係に生じた亀裂は徐々に広がり、協議により円満離婚をしようとしていたが・・・
といったところから始まる物語で、シリアスなドラマ・・・ではなく、コメディ。
え、コメディ? と思うひとも多いかもしれませんが、コメディ。
たぶん、米国ではゲラゲラ笑っている観客が多いだろうなぁ、と想像します。
離婚、それも円満な協議離婚でなく裁判沙汰になってしまうと、とかく、本心以上に相手のことを罵って、何が何でも勝とうとする弁護士が登場する。
そこだけが、コメディなんじゃない? と思うかもしれないが、東海岸と西海岸ではまるで考え方や行動様式が異なるようで、西側ではとにかく「ここは広い(英語ではスペース、スペース)」を連呼している。
この西と東の文化の考え方の違いが、全編に散りばめられていて、そこいらあたりで、たぶん米国ではゲラゲラ笑っているだろうなぁと感じました。
まぁ、わたくしはそこまではわからないので、いくつかのシーンが可笑しい程度でしたが。
で、笑いの部分はさておき、夫婦問題の観点からみると、もっと円満で建設的は解決策だってあったろうに、と思わざるを得ません。
ニコールには、劇団を離れてニューヨークで活躍を目指すという道もあったんじゃないかなぁとも思うけれど、そこはそれ、西海岸が生まれ育ったひとは西海岸がいいわけで、日本流にいうと「東男に京女」の結婚みたいなもの。
生まれ育ったところが一番、という想いは捨てきれない、だから、話がややこしくなったのでしょうなぁ。
映画でいちばん唸らされたのは終盤の罵りあいのシーン。
「負けず嫌い」のふたりが、どんどんどんどんエスカーレートして、口汚く罵りあってしまう。
が、最後の最後にチャーリーが「アイム・ソーリー」といって崩れ折れるところ。
『ある愛の詩』では「愛とは、決してソーリーと言わないことです」(後悔しないこと、は飛躍した訳)という名セリフがあるが、「結婚とは、ソーリーと言うことです」と思いました。
ニコールはチャーリーにとって、妻であり、看板女優でもあったけれど、あまり良好でない関係の両親のもとで育った故に、母親でもあったかもしれません(これは、離婚協議のランチの際にチャーリーがメニューを決められなかったり、最後にニコールが彼の靴紐を結んでやるというシーンから読み取れる)。
もしかしたら、ニコールにとっては、この「チャーリーの母親」という役割が嫌だったのかもしれませんね。
ということで、この映画、実は、「妻は、子どもの母親だけれど、夫の母親じゃないんだからね」ってやんわりと教えてくれているのかもしれません。
全てを失ったわけではない
良作を次から次へと送り込んでくるネットフリックス 映画。このキャストでこの企画であれば劇場公開作品としても普通にお金を出すところはあっただろうが、そういう作品をきちんと見つけて制作してくる辺りにネットフリックスの 従来の劇場公開形式の作品と比べて質で劣るわけにはいかない という気概を感じる。
まず冒頭、二人がお互いの好きなところを挙げていくのを見せられた時点でもう、どうしたってこの二人の物語に観客は引きずり込まれてしまう。
このシークエンスの主演二人の演技の確かさがとにかく素晴らしく開始5分ですでにこの映画は勝利していると言っても過言ではない。
この冒頭部分の二人の確かさがあるからこそ、その後に二人が支え合い すれ違い 傷付けあい それでも確かに愛し合う姿の全てが愛おしい…
当初は出来る限り穏便に離婚しようとしている二人が、部外者が関わり始めたことで少しづつ二人の心情とは別領域の力関係に引っ張られ言ってしまう様子はとても心苦しい。
ローラダーンとレイレオッタは一見すると 余計なことしやがって! と言われかねないキャラだが、この二人の姿を通して 二人の人間が一緒に生きる と言うことのそもそもの危なっかしさ みたいなものが浮き彫りになるし、その視点はこの映画に絶対に必要なのでこの二人が果たした役割はとてつもなく重要だったと思う。
そんな主演二人の演技力が最も爆発するのはやはり、
夫婦の大喧嘩シーンだろう。
愛しているからこそ、相手を傷つけようと思えばいくらでも傷つけることができる二人が、全てをかなぐり捨てて互いに傷つけ合う姿はまさにこの世の地獄!
何でこんなことに… 愛してたのに…
と泣き崩れるアダムドライバーの姿にはもう完全にもらい泣きである 史上トップクラスの夫婦喧嘩シーンだろう。
とにかく、人が愛し合うという事 の難しさをとてつもないパワーで見せつけていく本作だが、
それでも、いやだからこそ、この映画が最後にたどり着くのは 人を愛する という行為の確かな尊さであるというのが何しろこの映画の素晴らしいところ。
傷つけあいの果てに、二人で生きる人生は永遠に失われてしまったとしても、それでも二人が出会い、愛し合ったことは確かに二人の人生にとって意味があったのだ
という暖かなメッセージが冒頭のやり取りをうまく絡めて綺麗に回収されるラストには只々感動。
良い役者を、良いシナリオで、確かな演出で撮る
このシンプル 且つ 映画制作において最も重要なこのステップをネットフリックス が踏めることを確かに証明する映画だった。
素晴らしい
なぜなんだろう
離婚するのはエネルギーが必要なのはなぜか。
子どもがいなければ、すんなりいくのかな。
結婚ン十年の自分の身に置き換えてみてもそうなんだけど、うまくいかなくなると「言った、言わない」が増えていくんだよね…。
溝がどんどん深くなると修復不可能。
あの激しい長セリフのバトルシーンを観ながらつくづく思った。
しかし、あれくらいの夫婦仲なら穏便に済みそうと思っていたのに、そうはいかなくなることに戸惑う父親。
本当にエネルギーがいるんだなぁ。
よく考えて結婚すべきということか?
今年ベスト
「トイ・ストーリー3」のランディー・ニューマンの音楽はさすがの"泣かせ"演出で、私はまんまと泣かされた。
私も両親の離婚や身近な人の離婚など、割と"離婚"というものは昔から身近に味わってきました。
その上で、本作で描かれるドラマは怖いくらいにリアルだと思った。
アダム・ドライヴァー演じる夫側の視点と、スカーレット・ヨハンソン演じる妻側の視点の違いに大いに笑い、泣き、その演技と演出に唸った。ヨハンソンの1人芝居ワンショットや、ヨハンソンvsドライヴァーのワンショット喧嘩シーンなど。凄かった。
夫はどんどん落ちていき、妻はどんどん上がっていく。
これは途中で挟まれる歌パートでその対比が露骨に表現され笑った。夫のめっちゃくちゃ暗い曲に対して、妻は歌って踊ってハッピーな曲だ。
脇を固める俳優陣の組み合わせも素晴らしい。特に監査員演じるスタンドアップ・コメディアンのマーサ・ケリーの使い方にも笑った。置き物のようにコメディアンを"置くだけ"というのが何とも面白い笑
この時のアダム・ドライヴァーの空回り演技も最高
冒頭のお互いの好きなところのリストアップシーンによるお互いの"癖"が映画随所に用いられ、ラストの手紙シーンで再び現れ締め括るというとても綺麗な構成の映画。
痛い苦しい、それでも一度繋がったものは切れない
クレイマークレイマー、ブルーバレンタインがあるこの時代に、この映画が在る価値とは何だろうか。
これはマリッジストーリーだ。主役は子供でも、仕事でもない。ただ二人の人生の一部を切り取っている。ストーリーは山と谷が激しく繰り返されるが、一度繋がったものは消えない。「矛盾しているけど、ずっと愛している」まさに、そういうことだろう。
二人ともに傷つき、痛みながらも、同じ道には戻らなかった。というより、戻れないことを悟っていたのかな。
アダムドライバーがこれまた、最高の怒鳴りを魅せてくれましたな。あの5分だけでも込められた意味は大きい。ただ、二人とも演技がプロすぎて、ナチュラルさが欠けていた気がしなくもない。少し舞台を見せられている気にならなくもなかった。
スカヨハも今までで一番庶民的で好感が持てた。あの奔放な感じと母性溢れる感じが最高でした。彼女そのものって感じがしなくもない。私の中のスカヨハはあんな感じ。
ローラダーンも大げさま身振り手振りでマリアを語るところなんて、良かったですな。あれは名シーン。
しかし「毎朝、君なんか死なないかと思っている」は印象的だった。また、その後の号泣。しんどかった。しんどかった。
あと調査員のおばはんは何であんな感じなん。急にめちゃシュールで笑えたわ。
それと音楽もよかったよね。サントラがほしい。
すごく二人にいい人生を歩んでほしいと祈るけども謎に共感できないだった。思えば、クレイマークレイマーのときも同じことを思った気がするなあ。
晴天を誉めるなら夕暮れを待て!!
離婚の観点から結婚を描き、良く出来ていると思いますが、離婚がテーマだから仕方ないですが、不仲の時間がメインで面白くはないです。お互いの良い所を分析した、出だし(と最後)は幸せな気持ちになりました。晴天を誉めるなら夕暮れを待て、という感じでした。アダム・ドライバーは格好良く、SWのカイロ・レン役のショボいイメージを払拭する事ができました。
人生はままならぬもの
スカーレットヨハンソンの普通の奥さんぶりも
見事ですが、アダムドライバーの演技が光ります。
一度、すれ違いだすと自分達だけでは修正が効かない
のが夫婦というモノなのかものも知れない。
幸福も不幸も全て含んでいるのが「生活」であり
「人生」である、そんな想いを抱かせる作品でした。
ラストシーンは爽やかでも有り哀しみもあり涙腺が
崩壊しました。
間違いなく傑作です
2秒で恋して
ネッフリやばい。いや、これ、俺の中では今年一番です。マイ・オスカー、作品/脚本/主演男女の総取りですわ。ルーシーとカイロ・レンが最高でした。ごめんなさい。わざとです。スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを心底見直しました。素晴らしかった。とにかく素晴らしかった!
別居・離婚を考え始めた夫婦はセラピスト(カウンセラー?)の勧めで、お互いの長所を作文にします。セラピストの前で、互いに披露し合う様に求められますが妻のニコールは、これを拒否。
これが物語りの冒頭。そこからニコールのロス移住を切っ掛けにした離婚までのアレやコレや。「プロの下衆」であるアメリカの弁護士が出張って来て、さあ大変。離婚調停の結果は落ち着くべきトコに落ち着きますが。
出会って2秒でチャーリーに恋してしまったニコールは、声に出して読めなかった作文を捨てられなかった。チャーリーを愛し愛された事を、無かった事になど出来ない。から?
もうね。駄目。あの作文に泣かされた。
劇中、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが、各々、歌を披露してくれます。アダム・ドライバー、ミュージカル行けますやん。無茶上手いw
劇団のディレクターと女優夫妻の離婚物語りは、主演男女の演技に圧倒される136分の長丁場。子役君を含めた脇役勢も素晴らしく、脚本の良さが遺憾無く伝わって来る、地味ぃなアメリカ映画。
良かった、とっても!
あ。ニコールの実家でのやり取りは笑えました。ジュリー・ハガティも本領発揮で良かった!
原点
毎日を生きていくのが精一杯で目の前の忙しさに流されていく、子育てをしている夫婦ならなおそうだと思う。そんな中でお互い出会った時に抱いていた印象もどんどん忘れていくのであろう。夫婦として大事なことは家族の問題を話し合いで解決できることなのだが、そこに愛がなければただお互いの不満をぶつけるだけの罵り合いになってしまう。なぜ、結婚したのか。その原点を忘れないために、そしていつまでも大事にするために言葉でお互いの好きなところや相手に対する感謝の気持ちを伝えることが大事なのであろう。「思っているだけじゃダメ」「察して欲しいもダメ」言葉で相手に伝えないと何も伝わらない。
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