「脚本と俳優の力」マリッジ・ストーリー chazさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本と俳優の力
基本的には、とっても魅力のある男女が、相手の引力に惹かれ会いつつ、やがてそれゆえに抜け出せない泥沼に陥るという、真正面から離婚の過程を描いた映画。
子供の養育も絡むから、重くないはずがない。
しかし、見終わった後、モヤモヤした感情が残らない。
ユーモアがあって、男女それぞれの人間的魅力と弱さをきちんと描けている脚本がとてもいい。
弁護士が介在するエゲツない紛争の生々しさも興味深い。
よくできた脚本を演じて、ドラマの世界に引き込む役者も粒揃いだ。脇役一人ひとりもしっかりキャラクターを持ちながら、主役級の演技を邪魔しない。
困った。褒めすぎだぞ。
ミニシアターだったけど、途中で席を立つ人が二人いた。
もしかしたら、自分の経験が甦って辛かったのかもしれない。
日本でこうした成熟した大人の映画が作れないのは何故だろう。
私自身は、ドラマに没入できないところが僅かにあったので、0.5マイナスした。
脚本や演技を学ぶ教材になりそう。
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