「米国海軍のエリート・パイロット養成機関「トップガン」。 かつてのト...」トップガン マーヴェリック りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
米国海軍のエリート・パイロット養成機関「トップガン」。 かつてのト...
米国海軍のエリート・パイロット養成機関「トップガン」。
かつてのトップパイロット、ピート・ミッチェル大佐(トム・クルーズ)は、いまは最新無人戦闘機のテストパイロット。
現在の任務はマッハ10を記録すること。
しかし、進行中のプロジェクトは予算問題でストップがかかりそうだった。
プロジェクト中止を告げる将校が到着する寸前、テスト機に乗り込んだピートはマッハ10を記録するが、それは懲罰対象だった。
二度と空を飛べない、と思ったピートだったが、彼に救いの手を伸ばしたのは、トップガンでのかつてのライバル、アイスマンだった・・・
といったところからはじまる物語で、ピートはアイスマンの命令によりトップガンから選りすぐりのパイロットたちを集めた超難関任務の教官として招かれたのだった。
この超難関任務は、難攻不落の某国核施設の攻撃というもので、国連の条約違反、某国が核兵器を持つ前の予防的先制攻撃というのが攻撃理由。
ウクライナで戦争が続いている現在においては、これはこれで暴論だと感じるけれども、この作品が作られたのはコロナ禍前。
米国ではトランプ政権時代(企画から考えれば、それ以上前)のこと。
なので、そこのところは仕方がない。
映画は、若きトップガンたちをピート(コールサイン「マーヴェリック」)がしごき上げるフェーズへと移行する。
若きパイロットたちの中には、かつてのピートの親友で、訓練中の事故で死んだ「グース」の息子ブラッドリー(コールサイン「ルースター」。マイルズ・テラー)がいる。
過去の因縁を引きずった物語となるが、人間ドラマとしてはそれほど奥が深くない。
訓練過程での飛行シーンをみせるのだから、あまり深くても困っちゃうだろうし。
ということで、この訓練飛行シーンの迫力は相当なもので、前作に匹敵するだろう。
が、話が進むにつれて、展開はいまひとつ。
訓練生たちは、超難関任務を達成するためのシミュレート飛行を達成できない。
また、ピートを交えてのドッグファイト訓練でも、ピートにいいようにあしらわれてしまう。
そして、訓練中の危険飛行が原因でピートの教官の座も危うしとなったところ、ピート本人が課題のシミュレート飛行をこなしてしまうのである。
むむむ、ありゃ、こりゃ、若いモンには負けられませんぜ映画だったのね。
となると、結局、超難関任務の編隊長はピートということになり・・・と、典型的な戦争ヒーロー映画になってしまう。
その後の展開は苦笑させらるところも多々あり、まぁ、往年のF-14トムキャットでのドッグファイトまで登場し、ホンマかいな、と思ってしまいました。
(そういえば、この後半の展開はオーウェン・ウィルソン主演『エネミー・ライン』も、こんな展開だったけ、なんて思いましたが)
某国核施設の破壊後の苦笑せざるを得ない展開よりは、若い世代に花を持たせるような展開がよかったのではないかしらん。
例えば、
訓練でのシミュレート飛行をピートは達成することは出来たが、機体の大きな損傷を負い、ピート自身も負傷してしまう。
飛行計画の欠陥をマニュアルの隅々まで読み込んだブラッドリーが解決案を見つけ、作戦を成功へと導く。
が、某国核施設破壊後、敵機に襲われた若きトップガンたちの窮地を、ピートが洋上ドッグファイトで救う。
シミュレートされた作戦以外のドッグファイト、つまり、人間同士のぶつかり合いは、まだまだ俺たち、古い世代の得意技だとピートが笑う(終わり)
みたいな。
ま、これも、かつての西部劇の焼き直しみたいなものだけれど、本作も西部劇の焼き直しのようなものだしねぇ。
前作から30数年。
前作も、空中シーンは凄かったけれど、話は薄めの『愛と青春の旅だち』かしらん、と思った者の感想としては、こんなところかしらん。
若い世代は、どう感じたかなぁ。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。