「大林 "・爺" ありがとうございました!」海辺の映画館 キネマの玉手箱 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
大林 "・爺" ありがとうございました!
大林 "・爺" ありがとうございました! 嘘から出た実 = 《平和への希求》願い。広がるイマジネーションと歴史、平和も広がればいい! と同時に映画という表現への祝祭でラブレターのように総覧していく、なんたるエネルギー量。戦争映画を中心に多ジャンルに広がっていく映画史と日本史、そして"未来の歴史"を作ることができる可能性を秘めた明日を生きる僕たちに託されるバトン。観客も主体性を持つことできっと"ハッピーエンド"は実現する。だってハッピーエンドは永遠、ハッピーエンドは万国共通なんだから…アンハッピーなことばかりの現実においても。
生涯現役。大林宣彦監督本人も恐らく今度が本当の本当に最後になるかもしれぬという意識があったのか、(とりわけ前作『花筐』はじめ近年の)集大成的かつ明確なメッセージが1ミリの言い訳もなく観客の心を射抜く。と言っても作品そのものは感傷的になることなくキッレキレな大林節・ワールド全開炸裂で、怒涛のカット割と情報量にむしろこちらが付いていくのがやっとというくらい必死。いつにも増してトリッピーな仕上がりになっていて、本当にすごいなぁと脱帽。頭が上がらない根っからの表現者精神とそれを実現するために必要な衰えを知らぬクリエイティビティ(←敵性言語)をお持ちの方だった。こういう言い方が正しいのか分からないけど遺作に相応しい。
宇宙規模で考えれば僕たちはみな同じ"人"なんだから。僕も真っ直ぐなくらいマヌケでありたい、そう思う。
中原中也
今年映画館多分42本目
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