夕陽のあとのレビュー・感想・評価
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誰も悪くない
・誰も悪くないのが観ていてずっと苦しかった。(貫地谷しほりをDVしてた夫だけ悪い)しかし、観ていて産みの親が悪いように観えてきたり、育ての親が悪く見えてきたり、結果どちらも悪くないのに何でこんなことになってしまったんだろうと苦しくなってきて。どこにでもある人生の歪みの描き方が凄まじかった。
・映画を観ていて主人公はこうしたらいいんじゃないのかなと考えたりするけれど、この映画はそれが全くわからなかった。それだけに唯一無二の映画だと思った。
・貫地谷しほりの東京で漫画喫茶、職場とすべてのシーンがとても苦しかった。
・豊和役の子が凄く良かった。
・育ての親の五月が東京に向かって足跡を追うのが良かった。貫地谷しほりを理解して話し合おうとするのが良かった。
・ラスト、船上で話し合うのが絵になって良かった。二人ともに折り合いがついて良かった。
・貫地谷しほりがどうやって育ての親の場所を調べたのかが少し気になった。描いたら、同じ方法で探そうとする人がいるかもしれなかったからなのかな。
・貫地谷しほりが誘拐しなかったのが本気で連れて行こうとしていたんだなと思い辛かった。
子供の幸せって何だろう
二人の母が子を求める気持ちは、それぞれ分かる。
でも、子供の幸せを1番に考えたら、実母が身を引いて良かった良かったとは思えない。
難しい問題だけど、子供に選ばせるには酷かな。
でも、大きくなって話を聞かされた時、素直に聞けるかな?
実のお母さんが可哀想とは思わないかな。
気持ちがスッキリしないまま終わったな。
2019年最優秀作品賞として強く推薦したい
施設から里親として預かった育ての親が住む町に一度は捨てた産みの親が子供を連れ戻しにやって来る話
ありがちな話しで決して難解ではなく単純な話ではあるが難しい問題がある
どうまとめるか気にはなったが最後はあっさり産みの親が引き下がったのには正直拍子が抜けたがそれで良かった
現実はなかなかそうはいかないだろうがそこは虚構である
監督や脚本家の人間性が出ている
こういう作品にこそ文化庁は支援するべきなんだ
それにしても実際には産みの親の承諾もなく里子に出してもいいのかな?こういうことがあるわけだから
残念なのはこれだけ素晴らしい作品を上映する劇場がやたら少ないことだ
東北では仙台しかなくしかも一つでミニシアターで東京に比べると上映開始日が遅めだった
おばあちゃんをよく見たら最近亡くなった木内みどりだった
おばあちゃん役が樹木希林なみに板についている
木内みどりといえば元気がでるテレビの秘書役の印象しかなかったのでそれからいきなりのおばあちゃんに驚いた
おばあちゃん女優としてのこれからの活躍に期待できたのに残念な思いがいっぱいで早すぎる死だった
育ての母親役の山田真歩が良かった
涙を流すシーンはもらい泣きしてしまった
北川景子は見習ってほしいがきっと悲しい経験がないのでできないのかもしれない
声が綺麗なので本人じゃないだろうがあまりにも似てるので椿鬼奴の妹かなと思ったが違うようだ
他人の空似だ
そして何よりも素晴らしいのは貫地谷しほりの演技である
演技力がずば抜けている!見事な顔力
ますます好きになった
彼女の代表作であり今まで歩んできた役者人生の集大成といえる
表情のさまざまな移り変わりが世界的にも最高な芸術の域に達している
もう一度チャンスをくださいと土下座するシーンも良かったし母乳を出すシーンも良かった
「あーもったいない飲みたい」と思わず思ったくらい
胸を露出するのではと嬉しい反面不特定多数に見せないで嫌だなとという場面も結局出さなかったが右の乳輪が母乳でシャツが透けていた
あれは本物の乳輪なのか男性ならほとんどの人が気になるところだがそれはどうでもいい
彼女は意外にわりとそこそこバストがあるので胸が張るという設定も違和感がない
女優は胸があるに越したことないし吉永小百合だって有れば若い頃もっと大胆に脱いでいた
胸が大きめになるよう生んでくれた母親に貫地谷は感謝しないといけない
宮本から君への蒼井優も凄いので甲乙つけがたい
どっちが今年の最優秀主演女優賞か決めないといけないならかなり迷う
村上か近本で決まったあとも揉めてるセの新人王より判断が難しい
蒼井が鬼(いい意味で)なら貫地谷は仏
蒼井が悪魔(もちろんいい意味で)なら貫地谷は天使
産みの親か育ての親かで最後までどうなるか気になった同様に極めて困難な選択
当初は憎んでいた育ての母親も息子豊和(とわ)と産みの親の歴史を調べるためわざわざ鹿児島長島町から上京し戻ってきたら夫が呆れるほどすっかり軟化していた
僕は一応男だが彼女たちの切実な思いが不思議とわかるような気がする
いやわかったつもりだろうが人間としてわかってあげたい
自己中で片付けるわけにはいかない
借金まみれの国だがこの国の未来のためにも子供がほしい夫婦に少しでも支援してあげてほしいと感じた
山田真歩が貫地谷しほりにつかみかかるあたりのインディーズ映画のようなカメラ割りが良かった
豊和を後ろに乗せて坂道を自転車で港まで降りていく引きのシーンが良かったしそこからアップの貫地谷の笑顔も◎
豊和の鰤からの海が母親そしてみんなが母親というあの一連のセリフに感動して涙が出た
漁船で育ての母親が産みの母親を抱きしめ「産んでくれてありがとう」でまた感動して涙が流れた
2019年最高の作品
是非劇場で観てほしいがそれが無理ならCSとかツタヤとか動画サイトで必ず観るべし
かなり長めな感想になったがバカな自分にはとても短くまとめることができない愛がぎゅうぎゅうにつまった感動作でした
母親が子供を思う心情。それが伝わってくる作品です。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」では出番が短めだった貫地谷しほりの出演作品だったのと、この作品の予告がとても綺麗だったので鑑賞することに。
一人の子供をめぐって、生みの親と育ての親が「自分が育てたい」と争うお話。
重そうなテーマだろうと身構えていたのですが、
重いというより切なくも暖かい作品でした。
☆
7年前に子供を置き去りにした「産みの母」 = 貫地谷しほり
7年前に子供を預かり育ててきた「育ての母」 = 山田真歩
二人の母親が感情をぶつけあう場面が展開するわけですが
子供を手放さざるを得なかった事情・心情を徐々に理解する「育ての母」
子供が素直でやさしい子に育てられていることを肌で感じる「産みの母」
次第に相手の過去や心情が分かり、最後は
「町のみんなが僕のお母さんなんだって」
「茜もその一人だよ」
そう子供に言われ、身を引き大阪に引っ越す決心をする貫地谷しほり。
大きくなれば島を離れる子供が多い現状らしく
ならばその時こそ、子供の支えになろうということのようで
切なくも、まあそうなるかなぁ、というエンディングでした。
※素朴な疑問
「鹿児島の離島から都市に出る」
この際の行き先って、大阪が定番なんでしょうか?
福岡辺りなのかなと思ってました。
☆
で、この作品
モチーフに覚えがあるような感覚がしながら観てました。
…
そうか。時代劇の大岡越前。
・男の子をめぐって、自分の息子だと主張する母親が二人。
・子供のウデを掴んで引っ張り合い「勝った方が本物」とお奉行サマ
・痛がって泣く子供の手を離す片一方の母。
・勝ち誇るもう一方に「痛がる子供を気にもかけぬ、お前がニセモノ」とお奉行サマ
↑確かこんな話。
でも
奪い合う二人がどちらも悪い母親ではなく、純粋に子供を愛したい訳ですから
そこは大きな違いですよね。 と自己完結。
どちらの母親も子供も、幸せになって欲しいです。
最後に
木内みどりさんのご冥福をお祈りいたします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
きばれ、豊和!
きばれ、豊和!
茜が呟いた言葉は、きっと、自分にもかけた言葉だろう。
貧困と孤独にある人は、助けを求める術さえ知らない。
たとえ真面目に生きていようが、一生懸命であろうが、社会の片隅に追いやられる人はいる。
子を産む痛みを知らない五月。
子の側にいることの出来ない茜。
茜の苦しみや、子を産む痛み、離れ離れにされる辛さを理解していく五月。
大切に育てられ、優しさを育み、豊和に母の五月と仲直りして欲しいとお願いされる茜。
僕には正解など見つけることは出来なかった。
豊和が幸せであることが一番。
確かにそうだが、どうしても切なさは消えない。
茜は身を引く決心をするが、ただ、茜には帰ってくる場所が出来た。
待っててくれる人も出来た。
五月もいずれ真実を告げる日が来る。
豊和もいずれ真実を知る日が来る。
きばれ、五月。
きばれ、豊和。
そして、
きばれ、茜。
島の夕陽は、皆も、そして茜も照らしている。
もうきっと孤独ではない
参りました
色々頭の中整理つかないです こういうのを"是枝派"って呼んだら、監督に失礼でしょうか? でも 社会の問題を 日々通り過ぎてゆく、悪いやつを見つけ石を投げつけて終わりではないと思わせてくれる、映画が最近日本にも 出てきている。
それには まず、嘘ぽくてはならない。それは 冒頭の漁師のシーンで感じる そして、その中に役者が見事に溶け込んでいる
役者にも自然な演技が求められる。
実は 先日 アイネクライトナハトマジークで貫地谷しほりが良かったので これを観たのだか 相手役の五月 山田真歩が素晴らしかった。
さらに とわ君が茜に謝るシーンでふっと そよ風が吹いて茜の髪を揺らすのだが、あれは偶然なのか
演出なのか……そこにとても人間(大人)では解決できない事に島の自然がふっと 入ってきて…ラストの都会では絶望させた夕日が今度はまた日は昇る 希望の夕日として 映る
さらにラストも 完全なハッピーエンドではなく 鳴り止まぬ蝉の声と演奏を終えたとわが居ない茜を探すような目の動きで終わる事で 観てる者へ 全てが解決したのではない と思わせる
子争い
生後3ヵ月の息子をネカフェに遺棄し自殺を図った過去を持つ女と、児童相談所より赤ん坊を預かり里親として7年間育ててきた夫婦との息子を巡る想いの話。
一度は間違いをおかしたが息子の姿をみて、接してもう一度やり直したいと思った茜。
又、そうなることは予見していたのか、その為の準備も行っていたという展開だけど、現在の豊和の幸せは誰が築いたものなのか。
色々事情があったとしても7年前の行動は子供のことを何一つ考えていたようには思えないし、男脳と女脳の違いなのか、少なくとも6歳の頃から産みの母親と離れて育ち今に至る自分には産んだだけの人を親とは感じられないし、「一度失敗したら云々」は余所でやれば良いことだし、思っていてもそこで口に出して主張して良い言葉とは思えない。
結果としては綺麗に締めてくれたし、ドラマとしては面白かったものの、自己中心的でワガママな欲しがりにしか感じられず響かなかった。
素晴らしかった
作品紹介のコメントを描かせていただいた。日本の現在の里親や養子縁組をど真ん中でドラマにしていて、そこに万に一つだけどリアルなサスペンスを放り込んでおり、僕は当事者でもあるため他人事でなくハラハラした。貫地谷しほりさんが、あまりに暗くて確かにそのくらいつらいだろうなあと思う。息子さんがすごくいい子に伸び伸びと成長していて、両親だけでなく地域全体が素敵な、理想の子育て環境なのではないだろうか。
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