セーラ 少女のめざめのレビュー・感想・評価
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オカルトカルト
ハリウッドで胡散臭い飲食店で働きながら女優を目指す主人公が友人に遅れを取ることに焦りながら申し込んだシルバースクリームという作品のオーディションを受けたことで変化して行く話。
一見大人しそうでだけど、結構自我が強い主人公。オーディションでの審査員の反応の悪さからトイレに駆け込み発狂&奇行。
それが審査員の目につき何故か次のステップに繋がっていく。
受かった訳でもないのに調子にのったり、舐めたことを言って仕事を辞めたりとダメ人間な主人公が壁にぶつかり追い詰められて面白くなって行くかと思いきや…???
怪しげな女性審査員のアクセで嫌な予感はしたけれど、それかぁというオカルトに。グロさとエグさは良いのだけど…。
オカルト無しで精神的に追い詰められたことで壊れてのこの展開ならば大好物何だけどね。そうなるとジャンルがかわっちゃうか。
内容的には面白かったけど、どうしてもそれと繋がってしまうし、最後も結局そこかという感じで自分的には残念だった。
きそうでこない
オーディションで、あきらかに怪しいおばさんが面接官として登場してくる。セーラは主演女優のチャンスなので、気合いを入れて演技アピールをするが、面接官には響かず、すげなくあしらわれてしまう。セーラは、やりどころがない気持ちをトイレで爆発させてしまい、髪の毛を抜きまくる自傷行為までしてしまう。髪の毛を抜く音は不気味。
実は、その荒々しい行為を密かにおばさんが見ていた。おばさんは、ホラー映画の主演女優としての素養があると見込んで、セーラにもう一度チャンスを与える。自傷行為は、物語のキーなのかな? ひょっとしたらメタ構造のストーリーなのかな? 中盤以降に期待ができる感じ。
中盤以降も雰囲気は、何かがくる予感を醸し出しているが、なかなかこない。そうこうしているうちにプロデューサーの手の甲に悪魔のサインが浮かび上がる。このサインが見えたことで、結末が予想できてしまった。予想が裏切られることもなく、エンディングへ。
クライマックスになっても、なぜ、セーラが選ばれたのかもあいまいだし、自傷行為の謎も明かされていない。本当
の自分の姿になれっていってもね。セーラの生い立ちの秘密とかがあって、覚醒した理由があれば、怖かったんだけど。恐怖を伴わないグロさは、ただただ不快。音で驚かすような低レベルではないだけに残念。
サタニズム! ローズマリー! マーレボルジェ!
この映画の配給会社、AMGエンタテインメントに対しては、不信感というか映画の買い付け方に疑問をいつも持っている。そんなこと、大人気のない、いまさら言うことでもないと仰る方がおられると思うが、重箱の隅をつつきたくなるものにとっては良い格好の餌食となる。邦題の「セーラ 少女のめざめ」の主人公の女性の名前は、セーラとは劇中では発音はされていなくて、どちらかと言うと“sé(ə)rə”と呼ばれていたうえに主人公のセーラはどう見ても少女という年齢には見えません。この映画配給会社は、いつも思うことだけれども映画の中身やシナリオを精査して買い付けているとは思えないところが見える。
スターを夢見るセーラ。日頃は、“Hooters”のモロ、亜流のようなレストランで男性客ばかりでなく店のオーナーからもいやらしい視線に耐えながら働き、いつかはエンターティメントの世界で一旗揚げたいともがいているが、人生そんなに甘くはなく、ツマヅキッぱなしの毎日を送っていたが.........!
ある日、幸運にも映画のオーデションを受けることができるようになるが、しかし、いつものようにうまくいかなかったと思い込んだことで、ついに面接会場のトイレで感情失禁をし、爆発してしまうが.......? それをマリア・オルセン演じるキャスティングディレクターの1人に見られてしまう。このディレクター役のマリア・オルセンさん、リン・シェイさんと並ぶオカルト映画界の重鎮にして、前回観た映画「リメインズ 死霊の棲む館(2016)」では、メーキャップらしいメーキャップはしているようには見えず、悪霊に憑りつかれた100年前の霊媒師を素顔で演じているのではないかと錯覚するほど1度見たならば、印象に残る方です。
Maybe we didn't see all we needed from you after all.
What was that you were doing in the washroom, Sarah?
-What?
Your fit.
-Um...........that............That was nothing.
Sarah, you have my attention.
-Uh, I was disappointed in myself.
So you punished yourself.
-No, I don't .........It's just something I do. I don't know.
Would you do it again, for us, now?
-What?
I want to see your fit, Sarah.
-I've never done that in front of anyone before.
Alright then thank you to coming in.
表向きは清楚でおとなしそうに見え、どちらかというと幾分内向的なところがあるセーラなのだが、その落ち着いた表情からは、決して想像もできない精神的な病である抜毛症という人として致命的な部分も持ち合わせていた。その恥部を面接官に見抜かれてしまうが、そのことがかえって彼女自身の運命を変えることとなる。そんな中、後先を考えない短気な性格も持ち合わせている彼女は、レストランのオーナーから仕事に対することをとがめられると
Sarah, there are a million other girls who would beg
for a steady job like this.
"I am not a million other girls." なんて言って速攻で辞めてしまう。 (7つの大罪の一つ 日本語:高慢 ラテン:superbia)
この映画、主演のセーラ役のアレックス・エッソーさん抜きでは到底、考えられないもので、彼女の女優魂を観ることができ、またセーラが最初、色気のない薄化粧でどちらかというと美しくもない女性のつまらない映画と思っていると最後は、さなぎから蝶に変わるとはこのことで、原題の「Starry Eyes」という言葉がうなずけるシナリオとなっている。しかし、その変化の途中で彼女があることがきっかけで体中が異臭を放っているのではないかというほど身体中が腐っていき、それと同時に精神状態もドロッドロッになり、しまいには、きれいなブルーネットの髪が、抜け落ちて、あたかも有名なお化けさんにそっくりになっていく過程は、おどろおどろしいものとなっている。彼女も前出のマリア・オルセンさんのように忙しく、2019年公開映画であり、スティーブン・キングの「シャイニング(1980)」の30年後の後日談を描いている「ドクター・スリーブ」。その主人公のダニーをユアン・マクレガーが演じてる映画に彼女は出演されている。
映画の根底にはペンダラムもかかわるサタニズムがあり、その古くは、小説や戯曲で言い尽くされ、また有名どころは、ゲーテの“ファウスト”であったり、ダンテの“神曲”の悪魔や地獄というものがある。近年ではノーベル・文学賞を受賞した方も悪魔との契約を交わしたと公表している。え~ッ!?
ギリシャ神話にも登場する最低界の地獄であるコキュートス。その一歩手前で地獄に落とされたものが罪状で振り分けられる第6のフクロ、偽善者: "偽善をなした者が外面だけ美しい金張りの鉛の外套に身を包みひたすら歩かされる。"というくだりやまた、7つの大罪におけるすべてが、この映画では条件が満たされていて、特にセーラの若者の友達が、"嫉妬""怠惰""貧食""色欲"に呈している。
実際には悪魔崇拝のグループ、イルミナティを思わせるような部分も演出されている。
ラストの20分間余りのギミックをふんだんに使った凄惨なゴア表現はホラー映画ファンだけでなく、スラッシャー映画の醍醐味を味わえる演出がなされている。
I told you Sarah, dreams require sacrifice.
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