「鳥肌が立った」劇場 あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)
鳥肌が立った
何と形容して良いのか分からないが、この映画は最高だ。鳥肌が立った。
客観的に見れば永田は、大して才能も無いのに夢を諦められず、困窮から彼女の家に居候するヒモ男で、沙希に対するモラハラの酷い最低男だ。そりゃ夢を追う男ってカッコいいけれど、野原とか青山くらいの距離感でないととても見ていられず目を背けてしまう。
でも矛盾するようですが、そんな永田が不器用すぎて愛しく放って置けない沙希の心情も(自分は男ですが)分かる気がするのです。
永田の滅茶苦茶さに嫌悪感を感じたり、もっと器用に生きれば良いのにと哀れに思ってしまったり、それでも彼の生き方に一抹の憧れを感じてしまうのは自分だけでしょうか。ラストシーンは感動的でした。
山﨑賢人さん、昔は演技が微妙だった記憶があるのだけれど、いつの間にか上手い俳優さんになったなぁ。キングダム以来だろうか。最低男が板に付いてる笑
松岡茉優さんも相変わらず上手い。勝手に震えてろとか、蜂蜜と遠雷とか、ちょっと変化球な役のイメージが強かったけど、正統派ヒロインも行けるじゃないか!(愛が重く鬱陶しいという意見もあるのかな。自分は純粋に健気としか思えないけど。)沙希に幸あれ!
主人公はやはり最低男と思うが、映画は最高!映画館で観るべき映像の美しさとのめり込みたい世界観がある。勿体無いのは、これをNetflix公開にしてしまったこと。だって劇場ですよ!コロナで興行収入が期待できなくなってしまった事情は分かるが、この本物の作品に限っては映画館に拘ってほしかった。もっと多くの人にこの映画を映画館で観てほしい。純粋にそう思える映画でした。
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