「幕が下りる」劇場 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
幕が下りる
原作は未読です。かなりの縮小を余儀なくされての公開でしたが運良く映画館で鑑賞できました。
(でもお客さん4人😭ステキな映画なのに、コロナのアホー!)
物語の舞台は東京。
なぜ自分の才能は認められないのか。
大都会をさまよいながらゆっくり滑り堕ちてゆく演劇人、永田。煮え切らない日々を悶々と過ごす理屈屋で自分勝手なヒモ男永田役に山﨑賢人。これはかなり挑戦的なキャスティングと思いきや、まさかのドハマリで正直びっくりしました。
佇まい、表情、声のトーンまでそこにいるのは間違いなく永田でした。
(失礼を承知の上で…山﨑賢人飛躍的に演技がうまくなってる!)
そして永田が出会う女性沙希。
彼女もまた夢を追ってこの街に来たがいつの間にか心も体も不安定になり脱け殻のようになってしまう。
永田の才能を誰よりも認め、共に過ごす時間を大切にしているがやがてその存在に苦しめられることに。
松岡茉優以外に思い浮かばない程の適役。
自転車に2人乗りするとこが好きです。
この後の恋の結末を知っていながらもそっと寄り添う二人。じわじわ感動。
そしていよいよ"恋愛映画"として迎えるクライマックス。
しかし!"劇場"のトリックが明かされまさに鳥肌!
その上沙希の「ごめんね。」に連られてもらい泣き。
全てがハッピーエンドにはならない。
それでも必ず物語の幕は下りる。
客電が灯ると誰もいない舞台。そして客席。
これからもできる限り映画は映画館で観よう。
改めてそう思わせてくれた。
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