「会話やセリフがきれいで良い作品でした」劇場 tackさんの映画レビュー(感想・評価)
会話やセリフがきれいで良い作品でした
又吉直樹氏の作品らしく、凄く会話が文学的だし、
人間味のある良い作品だった。
原作を読んでいなかったが、
主人公・永田のモノローグが多かったりしたので
凄く原作に忠実なんだろうなと思い、
帰りに原作も購入した。
好きなシーンは、
咲希がデート前に高菜おにぎりを必ず食べるという話を
同僚に話したら、周りからちょっと引いた目で見られただろうエピソード。
何気ない事が彼女には凄く楽しかったのだろうけど、
永田には他の人には言われたくなかった事で、
そんな出来事が少しずつ2人の間を広くしてしまったのかな、と思った。
微笑ましいですが。
ラブストーリーとしても人間味のある良い作品。
私の好きな『生きてるだけで、愛』もそうだったが、
濡れ場やキスシーンなどフィジカル的な表現のないラブストーリーって
本当互いの気持ちや感情の行き来が如実に見えて美しい。
松岡茉優は相変わらず素晴らしく、
しかも松岡茉優史上、一番可愛かった。
山崎賢人はこれまでどちらかと言うと若年層向けの映画が
多かったせいもあるか初めて観たけど、おそらく
ターニングポイントになる作品では。
あと余談だが、この作品は劇場公開と同時にAmazon Primeにて配信と
異例の試みだったのだが、
上映先が中小規模の映画館中心と言えど、
そこそこ動員されているそう。
結局、本当の映画ファンは観ようと思った映画って映画館に行くし、
配信で良いというライト層も、
良かったら2回目は映画館で観ようとか、
この監督、俳優の次回作は
劇場で観ようという未来投資にもなる。
また、地理的に不利な人に優しいし、
これは新しい映画の方向性になるかもしれない。
特に配給規模の小さい映画がとても多いので、
例えば公開から配信までのスパンを短くするとか、
配信にも劇場と同じくらいの金額設定にするとか
色々な手段が増えて良いと思う。