「ストーリーが素晴らしい!」ブラック校則 ゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーが素晴らしい!
あまりによくて、此元脚本家の大ファンになった。舞台こそ高校だが、散りばめられた内容は放火・外国人差別・過労死…緻密で軽快な会話劇の裏にある何百何千ものストーリー。そして「わかる人にはわかる」数々のオマージュ。荒削りな俳優陣から発される、押しつけでない眩しい光。
特にモトーラ世理奈さんが素晴らしい。子どもと大人の狭間にある儚さを繊細な表情で見事に表現している。主演の佐藤勝利さんは内から滲み出るる不甲斐なさに不自然さがない。必死に訴える姿は全くかっこよくなくて、その姿がかっこよいと思える不思議な感情であった。
3メディア展開であることや、目玉の俳優が出演していないということ、学園物というだけで敬遠されているとしたらあまりにも勿体ない。
映画が主軸のこの作品。終盤のパズルのピースが一気に合わさる爽快な展開と、それでも劇的に何かを変えられるわけではないというリアルさ。善と悪を決めつけず多様性を尊重する令和に相応しい映画。
コメントする