ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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一体何を見せたかったんだろう。
自分にしか描けない世界観? アートのような美しいサイコ映画? 監督が届けたいことがさっぱり入ってこない映画だった。美術を頑張ってるのも、作りたい絵があるのも分かるが、それだけで120分はのめり込めない。なにより、その世界観というのが、どこかでみたことがあるような、なんとなく既視感があるものばかりだったし、話にドラッグを登場させることで、都合よく撮ってみたい絵を撮っているようにしか感じられなかった(妹の死についても、ありがちな一家心中で、妹と家族とのつながりも何も分からぬまま死だけ描かれるので、ただかわいそうな経験をした鬱気味の主人公、程度にしかパーソナルを掘り下げられてなかった)
儀式のありよう、恋人とのうわべだけの関係性、馬鹿な男友達、集団による強迫観念、喜びや悲しみのない生と死。どれもがステレオタイプの描き方。一見、ステレオタイプに見えないのは撮り方や美術をすこーし凝ってるから。ただ、それだけだった。
冒頭20分、村に着くまではそのすこーし凝ってる、だけで楽しめた。これから先、本質が出てくるんだろう、、、と思って。でも、村に着いてから、凝るだけ凝って、中身はスカスカ。踊って、人殺して、裸写したり、セックス映せば、なんかすごい映画!ってなると思うなよ!
時間の無駄でした。
生命のループの美しさ
個人評価:3.8
こういったジャンルでは良作であり、作品性も高いと感じる。生命のループを描いていると感じ、草木や花など動植物では当たり前の理を、人間に当てはめ描いている。生命の引き継ぎの美しさが根底に流れているので、草木・花や自然の素晴らしさを同時に描くのはテーマと一致し、映像の美しさと恐怖がリンクしている。
また最後に主人公が生命のループに加わる事で、苦悩や恐怖から解放され、単なる恐怖映画ではない想いを受け取る事ができる。
しかしながら生贄を外部から連れてくる事と、この村での鉄の掟が一致せず、その部分の掘り下げが足りない。これでは生贄系の量産型ホラーと変わらない構図になってしまう。他にも表面的なグロテスク描写や、意味の無いホラー要素が作品性を低くしてしまってるのも残念。そのマイナス評価の違和感があるシーンを、完全版で説明してくれれば、そちらも是非見たい。
まるでサウナ
公開前の評判がすさまじかったこの映画。ふたを開けてみれば、期待以上にえぐかったとか、期待しすぎて拍子抜けだったとか、いろいろな感想がネットを駆け巡っていた。
私には正直、映画のほとんどが退屈でつらいもののように感じられた。それはまさに「サウナで整うってことを教えてやるよ」と先輩に言われて嫌々交互浴に付き合う後輩社員の気持であった。しかし、私はミッドサマーでしっかりと「整う」ことができた。
まず、ホルガに行くまでが長い。カメラワークも独特で、これから観客を不安な気持ちにさせてやるぞ、という製作者の気持ちが見えるようであった。その状態でおそらく30分…しかもカメラワークだけでなく、内容も面倒くさいダニーとうじうじしているクリスチャンのグダグダ喧嘩がほとんどで、スウェーデンの明るい青空と緑が現れた時にはホッとした。
そしてそこからがまた長い。前振りとして人物紹介をし、コミューンの明るさの中にある不気味さを醸し出していく。特に儀式で命を落とす2人を待っての食事シーンにはイライラした。マークの気持ちもわかるというものだ。
そしてやっと最初のグロシーン。老人2人が崖から飛び降りて顔面や脚をぐちゃぐちゃに破壊する。あとから飛び降りた死に損ないの顔を若者たちがハンマーで砕くシーンは中々。だが、それほどグロくはない。アイアムアヒーローやロボコップが平気なら大丈夫なレベル。
ここまででたぶん、90分くらい。つまり、最初の山場までですでに上映時間の半分以上を使っている。正直、しんどい。しかもここからめくるめく邪悪な儀式に邁進するでもなく、じっとりとした不穏な空気をじわじわと醸し出していくのみ。
しかし、今思い起こすと、不穏な空気の作り方が非常に優れていた。誰かと誰かが険悪な雰囲気になるだけではなく、画に映る全員が各々の目的を基に、一丸となって、”観客に”ストレスを与えるために行動していたのではないかと思わせるほどに、事情が複雑であり、それでいて理解の及ぶものでもあった。大変すばらしい。
ただ、”お客さま”たちをグロテスクな方法で殺害したのは、正直意味が分からなかった。禁忌を犯したマークやジョシュはわからないでもないが、サイモンとコニーは何かしたのか?お客様たちは儀式的な方法で殺さなければならないが、コミューンのメンバーは自分らの自由に死なせていいってのはムシが良すぎないか?
と、コミューンの面々が何を考えているのか全くわからずに、ダニーとクリスチャンの仲もまったくよくならなかったので、いったいこれでどんな着地をするつもりなのだろうとずっと不安だった。クリスチャンが生贄として炎の中で死にゆくときも、考えていたのは「おいおい、あと数分しかないぞ!これで本当に終われるのか!?」だった。
だからこそ、最後のダニーの微笑みで衝撃を受けた。これはコミューンに囚われた哀れな観光客の話でも破局寸前のカップルに起こった悲劇でもない。ダニーの心が救われて”家族”を得る話なのだと。
そこに気が付いた瞬間、私は整ったのでした。
…この整いを大事にしたまま終わればよかったのだが、公式HPで観た人用の解説ページを読んでしまったので、ちょっともやった。簡潔にまとめると、「アリ・アスター監督はこんなにディティールに凝っているよ」という話が延々と続いているのだけど、正直どうでもいい。
もう一度観れば新しい発見もあるだろうが、それはダニーとシンクロして得られる「整い」を上回るものなのか?ダニーはコミューンで共感してもらうことで救われた。ならば我々もダニーに共感して整うことを重要視するべきなのでは?
ルーン文字の意味や儀式的な殺害方法の意図、「隠された顔」など、分解すれば面白いものがたくさん出てくる映画だとは思う。しかし、観るときは無心になって、ぜひ「整う」ことを優先してもらいたい。
2020年ベストムービー!⭐️✨
なんともBad Tripな映画でした…(笑)
仲間が行方不明になり始めてからは、もう最後までただただ悪夢を見せられている…そんな作品でした。
この作品に解釈なんて必要なんでしょうか?(笑)
異文化の中の、アメリカ人の節操の無い感じとか、その不快さとか、分かりやすかったですね…演出だったのかどうかは知りませんが(笑)
この作品、大好きですわ!(笑)
コメディ映画
SNSの前評判にて「アメリカではカップルが観た後に別れてしまった時のためのセラピーが用意されている」とか「途中退出続出」とか「白いドレスにトラウマが残る」とかとか、話題性が話題性だったので、怖いの観れない映画好きに頼まれた&自分の精神力を試す目的で見に行った。
今回はネタバレなどの予習なしで鑑賞。
コロナ自粛モードの平日昼間なのに場内はほぼ満席。若い人たち沢山。たぶん彼らもSNS流入に違いない。
で、普通にカップルも来てる。口コミ知ってるよな?自分たちを試そうという儀式的な役割がこの映画に生まれているのか?どんな思考回路で一緒に観に行くことにしたのか、そこが気になって仕方なくなる。
そわそわしつつも、映画が始まっていく。
冒頭題名表示でなんでsummerじゃなくてsommerなのかが気になって仕方なくなる。
後から調べて解決
主人公の女の子は、ちょっとメンヘラでヒステリックな感じ。
双極性障害の妹の話とか、両親+妹の死とか、伏線としてどこまでの意味があったのか結局よくわからんしもはやどこからどこまで彼女の妄想なのかわからない。
ペレ怖すぎやろペレ。
序盤からサイコ感ある表情がすごい。
他の4人を上手くはめて連れてきてる時点で、自分たちの共同体の異質さがわかってるんじゃねーか。
村の常識を疑わない姿勢を貫いて欲しいのに、村のおっさんたちは自分たちが罪を犯した人を殺したことを隠そうと残りの仲間の仕業にしようとする所とかよくわかんなかったんだよなあ。
最初はホルガきれー、みたいな感じだったのが、72歳の男女の儀式で急にグロに路線変更。
グロを随所で強調してくるところとか、もはや何がしたいの?って思った。そゆことしてるとメッセージ(あるのかは知らんが)が滲むと思うぜ。
ロンドンの男女は騒ぎまくって逃げようとしたけど結局生贄になっちゃってたね。そこもおっさんたちが嘘ついてたの悪意しかないじゃんよくわからん。
近親交配をわざとさせて障害者≒賢者を生み出し、外部からの血を混ぜることによって種の存続を図ろうというロジックはよく分かったのだが、だったらそんなすぐ皆殺ししちゃう意味がわからない。90年に1度なのに、よくわかんない年の偉い感じのおばちゃんが「私もいつかは喜んで差し出すのよ」的なこと言ってたの、毎年72歳の人はいるだろうから結局この祭り毎年やってんじゃね?ってことなのかな計算が合わなくてモヤモヤした。
笑っちゃったポイントが多くあって、まず子供作りの小屋の中ww
さすがにあれは狙ってるでしょ。小屋からクリスチャンが逃げてくシーンも笑わざるを得なかった。
生贄の目に花が刺されてるのも一緒に行った人が笑ってた。
フューチャーされない、背景の中でなんか村人が儀式っぽいことしながら踊ってるのとかもギャグかよってなったし。
あとは音の不快感と劇中幾度となく出てくるヤクな。
あの村の中には絶対的なリーダーがいるわけではなく、共同体の信仰心として狂気が充満してる。それがわかっているからこそのヤクなのか、良心がどこに存在しているのかわからない。
総じて、何を見せられとるんやという感じの映画でした。
SNSに踊らされたなあ。長い時間を費やしてしまった、、
ラストについてだが、9人を数えるのに必死だった。洋画において顔が一致しない相貌失認の傾向があるので、同じ顔のやつ3人いるぞって思っちゃって混乱した。
最後のダニーの微笑みは理解できるものだったが、彼女はあの後共同体に吸収されてしまったのだろうか。なんで母親を見たのだろうか。。。
冒頭で触れたSNSの前評判は信用できないということが大いにわかった。冷静に見ればツッコミどころ多すぎてトラウマとかになりようがない。カップルでみて別れるくらいなら別れとけ。
でも、マヤがクリスチャンのベッドの下に木の札を置いてくシーンだけは好きだった。殴り書き失礼しました。おしまい。
ソーヘビー!
苦手なので普段あまり見ないホラー系。
避けている理由は鑑賞者を怖がらせようと音や雰囲気、あらゆる手段を使って恐怖のどん底に落としにくるから。
でもこれは「怖くないよ〜大丈夫だよ〜」って笑顔でどんどん寄り添ってくる恐怖だ。
しかもちょくちょく登場する恐怖シーン(だと思っている)では、
あくまでも「あっちょっと怖かったね〜ごめんね〜でもほら素敵でしょ?」って見せつけてくるお節介な親戚みたいなスタンスで嫌でも入り込んでくる。
おっかなびっくりホラー映画とは違って最後まで見れたけど、もうお腹いっぱいです…
ホラー映画ではないとすると、感じた恐怖はどこからやってきたのか。
おそらく、自分の常識の範疇を超えた人間の使い方をしていたからだろう。
ミッドサマーに出演していたのは、人のかたちをした何かだった、と心の整理をつけた。
理性も喜怒哀楽も痛みもない世界。
喜楽だけの天国に見えるけどなにもない。
鑑賞後はほんとに笑うしかなかった。
祝祭の締めで、炎に苦しむ人間をやっと見れてホッとしてるよく分からない感情に包まれる。
燃える家を見て笑い転げてる村人。
ねえペレもしかして笑うフリして泣いてる?
えっなんで泣いてるの?こんなに素敵な祭りができたのに
ってホルガ民の気持ちを追体験できるくらいにはひどすぎて洗脳された。
…と思っていたら、解説とかレビュー見たところあれはみんな泣いてたのか?
どうやら私がおかしくなっていた模様。
全体的に音楽の効果は好きだった。
あのミートパイ、サイモンだと思ってヒヤヒヤ見てたけどそっちかー!
吐きそうになったので食前食後はおすすめしない、、
鑑賞後時間が経つにつれ、二度と見たくないと思ってたのにまた気になり始めている。
儀式の先
予告を見て、明るい儀式に一種異様なザワザワ感を感じ儀式の先に何を見せてくれるのか期待と不安で鑑賞・・・儀式の終わりは不思議なグロテスクユーモアでした。○○の皮を着た姿につい笑ってしまった自分が怖い・・
SFで言うところのファーストコンタクトもの
ヨーロッパ人が世界征服の際に原住民に殺されたファーストコンタクトに対する恐怖(この際原住民をその何千、何万倍も虐殺・収奪した歴史は無視する)を題材とする物語は、ジャンルとしてはSFが良く取り上げるテーマですが、異文化をヨーロッパの非キリスト教と定めた上で直球でホラーとしてやり切ったことはスゴいですね。
こーいうのはルーマニアあたりの架空の吸血鬼信仰をでっち上げて作劇するモノだという先入観がありましたけども、実在の信仰を取り上げたことで非常に高い緊張感を作品に与えていますので、全く効果的だと感じます。
当該宗教に対する差別的感情を喚起しそうな気もしますが、ひょっとすると残念ながら当該宗教は既に駆逐されており、要らぬ心配なのかもしれません。
さて、中盤頃から原住民の特異な死生観が露わとなり、現代人から見ると命がいかにも粗末に扱われているように感じ、また悪気なく禁忌を侵してしまった事により仲間にも被害が出るに及んで、「これは生麦事件と同じだな。つまりこれはファーストコンタクトをテーマにしたホラーなんだな」と感じてしまい、前段の感想を持つに至りました。
これが正統な評価なのかも自分では判断できません(まぁ生麦事件は直接的なネタ元ではないでしょう)が、一度そう感じてしまってからは原住民であるところの日本人としては、「こちらの倫理を理解できない不気味なモノとみなし、未開の蛮族とその信仰としてのカルトとして描画しやがって、ムカつくな」と感じるところもあり、しかしながらその描画、演出は真に美を追求しており決して粗末には扱っていないと感じるところもあり、感情が(久々にレビューを投稿する程度には)ぐちゃぐちゃに乱されました。感情を一つの所に納めきれないので、表層的に「ファーストコンタクトものを直球のホラーとして描くなんて凄いなぁ」程度の第一段として置くのが精一杯です。
(感情が落ち着いた頃にレビューを書き直してみたいかな)
ポスター綺麗だからと観たら、、、、、
私もビビリなのですが、ビビリ友達とポスター綺麗だしと、そこまで怖くないでしょ!と安易な気持ちで観に行ったら2人で見事沈没しました。もっと調べたらよかった、、、、、、
嫌な怖さです、、、ほんとに、、、、
でもちゃんと伏線が張ってあって、終わった後に取り敢えず心を落ち着かせるためにカフェに入って話していると、「あー!!なるほど!?」みたいになりました。でもやっぱり怖い。
ペレの両親が「炎に焼かれて死んだ」っていうのは、、、、ゾッとしました。
怖いのが得意じゃない人が観るものでは無いと思います。怖いのもグロイのも大丈夫な人なら楽しめるかと…
現代の日本に生まれてよかったなって思いました。
Skåååålll!!!!
1.はじめに
映画「ミッドサマー」はやたらと「9」という数字に拘っていたので、この感想文も9つの章に分けて書き連ねてみることにした。
完全に見切り発車である。やりづらい。
ちなみに鑑賞したのは一週間前なので、この感想は鮮度を失っている。熟成肉である。
2.いきなりの総評
快感の強い映画だった。
インパクトの付け方、モチーフの数々、ストーリー展開、全てたまらなく好きだ。
しかしどうしても苦しくない。
気持ちよくて気持ちよくて、圧倒的に痛みと恐怖が足りていなかった。
いっそのこと終始トランス状態に陥ってしまいたいのに、盛り上がってきたところで現実のテンションに引き戻されてしまうのがなかなかに辛い。
3.まだ続く総評
そもそもストーリー自体はかなり単純でありきたりだ。
ヤバい田舎のヤバい儀式に巻き込まれる系。
それをものすごい熱量で作り込み、やたらと仰々しく勿体ぶって描き、ドヤドヤのドヤ顔で観せてくるものだから、こちらは若干萎えてしまうのである。
しかし、表現力の強さは凄まじいものがあった。
後を引いてたまらないのだ。
この映画の中の色々な物事について、悶々と考えを巡らせてしまう。
そうさせるパワーがあるというのは、実は結構すごいことだと思う。
4.祝祭の開催頻度について
「90年に一度」は絶対に嘘だと思っている。
村人たちの受け入れ方、所作とパフォーマンスの揃い方、慣れ方、女王の写真の数。
それらを見れば、この祝祭が一生に一度あるかないかの催し事ではないことは明らかである。
毎年やるほどの体力は無さそうなので、「9年に一度」が正解ではなかろうか。ほら、だって、9だし。
もし万が一、本当に90年に一度開催しているのであれば、村人たちの練習量は相当のものだろう。
運動会だって卒業式だって練習するじゃない?ああいう感じで何回も何回もやってきたんだろう。
練習風景を想像するとシュールで可笑しい。
5.ダニーとクリスチャンについて
家族全員を失ったトラウマガール、ダニー。
主人公にしては魅力の薄さが気になるが、後半の彼女はなかなか輝いていた。
拒否、共鳴、同化、決別、昇華。
彼女に新しく家族ができて良かった。
あの家族たちはなかなか絶えないだろう。安心して良いんだ。
きっと、あのようにして増えた仲間が何人もいるんだろう。
恋のおまじないを描いたタペストリーの通り、村の少女に堕とされゆくクリスチャン。
「スウェーデンでヤリまくる」という宣言が実現する皮肉さよ。
少女の陰毛を喰らったことしか言及していなかったが、飲んだジュースには少女の血液が混ざり赤みを帯びていた。
あの血液。絵を見たときには経血かと思っていたが、「自分で性器を傷つけて採ったもの」だと認識し直した。そうか、破瓜か。
6.人肉について
明確に人肉を食べている描写は無かったが、喰ってないわけないだろうと思う。
死んだ人間の肉を食べてこそ、村の中で生命が廻っていることになるのではないか。
名前を受け継ぐ〜とか生温いこと言ってる場合じゃない。人肉を喰え人肉を。
崖から落ちた二人の死体を綺麗そのまま焼いていたシーンが信じられなくて、唖然としてしまった。
いや、綺麗そのまま、なわけない。
きっと身体の肉をくり抜いて、中に詰め物か何かして、火葬に出したのだろう。
あのミートパイの中身は二人の肉だったと、私は信じている。
7.ゴア表現について
人体破壊の描写、造形、映し方、インパクト、どれも申し分ない。
完全にパワフルでショッキングだった。
願わくば、その過程を見せて欲しい。
破壊が完成されている肉体をただ見せられても、痛みが伝わってこない。
コニーの絶叫の際、何をされたのか。観たいのだ。
身体を開かれ吊られてもなお息をしていたサイモンの苦しみ。感じたいのだ。
生意気なマークの皮が剥がされる瞬間の歪んだ顔。そのものを見たいのだ。
8.しつこく三度目の総評
最初にも述べたが、恐ろしくない映画だった。
村での出来事よりも、ダニーをめぐる友人たちの気まずい空気の方がよっぽど怖い。
明らかに敬遠したいマーク達と、それに気付けないダニーの構図。ゾワゾワするでしょう。
とはいえ、ここまでの量の感想を連ねるほど、力のある映画だった。
まんまと手の内に嵌っている、ということなのだろう。
正直微妙だったな…と思いつつ、きっと私はこの映画が好きなのだ。
そりゃそうだ。
ホラーなんて、どんなにつまらなくても嫌いにはなれないのだ。
ただし、公式サイトでめちゃくちゃに解説しまくるその姿勢は好きになれない。
「あれ、もしかして…」の状態になるのが一度良いのだ。私はそう思っている。
言われないと気付けなかった点もあったから悔しいんだけどね。
9.おわりに
この一見ボリューミーな感想文は、全然大したことを言っていない。
とりとめなく巡る私の想いを、仰々しく勿体ぶって綴ってみただけなのである。
いかにも「ミッドサマー的」かなと思って、小賢しいことをしてしまった。
いつもの文体とは違う形を取ってきたので、私自身やりづらかったし、読みづらいものになってしまったと思う。
しかし思い返してみれば私の文章はいつ何時も読みづらいものだったので、まあ良しとする。良しとしてくれ。
そもそもこの文章を読んでくれている人はどれくらいいるのだろう。どう考えても長すぎるだろう。ここまで辿り着いた人はいるのか。
実は私の文章を一番読んでいるのは私だと思う。
映画の感想を記録するために始めたものだけど、文章を作ることに楽しみを見出しているのもたしかなのである。
たまにはこういう試みもありかもしれない。
しかし、こうやって長々とずるずると語り続けてしまうのは悪い癖だなとつくづく思う。
「映画の感想」の範疇を明らかに超えている。いや、実は締め方がわからなくなっているだけだ。たぶんあと50行くらいは文章を生成できる。
やめておこう。この辺で。
とりあえず「Skåååålll!!!!」
不思議で、面白い。
映画なので、自分の知らない世界を疑似体験できるのも、楽しみ方のひとつなので、アリの映画。
不思議な体験として、記憶に残る。
この、共同体的人間関係の世界は、
ある種のムラ社会であろう。
現在の都会の個人がバラバラの希薄な人間関係の世界と、
映画の中の濃密な関係性の世界は、
どっちも、隣の芝生になってしまう。
だから、田舎出身で、都会で活躍するしてて、
疲れたら田舎帰るなんて出来る人が最強だよな!
日本なら、すぐ思い出されるのは、オウム真理教だけど、
アレも、ある種の濃い共同体内の犯罪。
それを、実社会に影響させたから、犯罪となったわけで、
内部だけで、ポアとかしてても、
外の人が知らなければ、犯罪として立件できない。
家族としては、困ったものだけど。
老後の問題も、実は結構深刻。
18×4=72で人生終了とか、ひとつの考え方。
日本とかは、干支の12年が単位で、
12×5=60で還暦のひとまわり。
そこから12年で72だね。
現実の日本は、あと12年の84が
女性の平均寿命だから、すごい幸せだと思う。
幸せな悩み。年金が少ないなんてのも、
無い国だってあるのに、幸せな悩みのひとつ。
よく、厚生年金で、生活できないから、ヒドイ国だ、
なんて報道あるけど、
もともと、国民年金の、ヒトはどうなんだって!
たくさん払ったって言ったって、半分は会社が払ってるんだし。
あと、定年制なんてのも実は老人差別だよ。
働きたい人は、いくらでも働けばいいじゃん。
日本がサラリーマン社会になったのなんか、
戦後から、だからまだ最近の話なんだぜ。
取り留めないので、おしまいです。
白い衣装は、世界共通?
ヘヴィ、、メタル🖕
空腹の観賞後
喰えるか!
こんな映画観てすぐ、、、
感じるコトは少ないし、感情移入もありゃしないけど、
揺さぶられたよ。
悔しいけど。
無性に胸がザワついて、ヘビメタで洗い流してる。
ディストーションでザクザクザクザクザクザクザクザク
ヤバいもの観たな笑
美しかった
人によるかもしれないが、私はすごく好きだった。
日が沈まない美しく楽園のような場所、真っ白な生地に刺繍が施された衣類を纏う人々は俗世から離れ(ある意味)ストレスとは無縁な生活を送っている。スウェーデンの設定だがあまりスウェーデン感は見受けられなかったような。
しかし完璧を装いつつも所々に見え始める辻褄あわせと何が起こるかわからないハラハラ感が背筋をゾクゾクさせた。
1人ずつ人がいなくなり、なんとなく何が起きているのかは想像できるのに最後まで明確にされないところもたまらない。
燃え盛る火の中でペレの隣に座っていた人が恐怖に負け断末魔をあげるシーンは、楽園から現実に引き戻される様子がとても分かりやすく、美しかった。
グロテスクなシーンや驚かせてくるシーンこそ少なかったが、胸糞要素盛りだくさんなのに鑑賞中は嫌でも夢中になってしまい終わってから疲れがどっとくる、後味が悪いわけでもなくスッキリとまとまっていて清々しささえ感じた。
この監督の映画は見たことがないし感想もあまり書かないから文章にしてみると見落としているところが沢山ある気がする、もう1度、次はジンジャーエールを買わずに見てみようと思う。
監督のインタビューを見て30倍怖くなった。
最後のダニーの笑顔について。
鑑賞時の印象としては、ホルガの考え(死は救い)を受け入れることにより恋人を殺した罪悪感から解放された笑顔かと思った。
また、家族の死についても考え方が変わった部分があるのかと。
(あと少しだけ、ホルガ民のあまりの泣き芸に笑ってしまったのかとも思った…
私は笑ってしまった。こいつら顔は嘆いているけど涙出てないなというのもあって。
クリスチャンとマヤの行為を見た後のシーンもそうだけど、ホルガの人たちの「共感」は
人ではないものが人の行いをただ真似ているようで不気味さがある)
私は、何言っててもいざ死ぬとなったら怖いよなと思ったし、本編でも志願して生贄になったホルガの男性2人が、炎に包まれる直前には怖がり逃れようとする素振りを見せていた。
なので、『ダニーはホルガの考えを信じた事で救われた。ただし自分の番がくるまで……』という後味の悪い終わり方かと思った。鑑賞直後は。
しかし鑑賞後にアリ・アスター監督のインタビューを読み、最後のシーンは観客にカタルシスを感じさせるための物と知った。
私はカタルシスを感じることはできなかった。
「不誠実」という罪と「死」という罰が釣り合っているとは思えなかったから。
(マヤとの行為もドラッグを飲まされた上でだったし)
しかしダニーの憎しみは、クリスチャンとマヤの行為を見た事によるものだろうか。
私はそれよりも、ホルガに来るまでの生活の中で積み重なったものが大きいと思う。
家族を一度に亡くしたダニーの悲しみは、多くの人は一生味わうことがないほど深い悲しみだと思う。
それ以降のダニーの生活はずっと「非日常」で、ダニーの非日常に踏み込もうとせず「日常」を続けているクリスチャンから、他人事というのが透けて見えて、ダニーを傷付け続けていたのではないだろうか。
ではクリスチャンはどうすればよかったのかというと、正直、1年も引きずらずに(事件が起こる前に)別れておけばよかったとしか言いようがない。
別れを先延ばしにしたのはダニーへの気遣いじゃなくて”別れる”という大仕事が煩わしかっただけ。
ダニーが家族を亡くし、同情から寄り添おうとしても、心が伴わないので傷付けるだけで、結果死刑にされるという…。
(しかしそんな不誠実な恋人でも、ダニーにとって、家族を亡くした直前には居ないよりはマシだったと思うんだよな。誰でも良いから縋る先が必要だったと思う。なので、結局ダニーはより良い依存先(ホルガ)を見つけたからクリスチャンが要らなくなっただけで、なんとも自己中心的にも思える…)
私はダニーに共感しきれない、この映画だと死罪になるべき側の人間なんだと思う。
そう思うと恐ろしくて、映画本編の不気味さなどは全て吹き飛んでしまった。
胸糞悪い。。
綺麗な映像を挟むことで
より気分を悪くさせるそんな映画。
飛び降りた死体や最後祭壇で燃やされる死体の描写も
チープで偽物であるのが
明らかで感情を入れるのが無理だった。。
その癖、裸体や死体損壊など
胸糞悪い印象しかない
ワーストワンの作品。
季節は巡る 生命は廻る
花は生命の象徴としてよくたとえられます。
そして季節ごとにいろいろな花が咲きます。
また、ヒトの一生も度々季節にたとえられます。
芽吹きの春 成長して開花する夏
結実する秋 種を残し衰退する冬
花はいずれ枯れてしまいます。
でも季節が巡ってくればまた咲きます。
ヒトもいずれ一生を終えてしまいますが
種子や宿根が絶えない限り生命は継承していきます。
そういう意味では、花もヒトも等しく自然の一部なのです。
よそ者からみたらまゆつばモノの
古来からの土着風習ならびに宗教的祭事。
そして哲学的、というより儒教的な教えを含んだ
どこか、いびつな倫理観のなかで
常につきまとう不安と恐怖と
祝祭の喜びに満ちた何とも言えない高揚感とが
ないまぜになっていくラストに、感情が置いてきぼり!
9日間という祝祭の過程で
ヒトの生命をひとつひとつ捧げながら
ヒトの感情もひとつひとつ切り離していく。
それらすべてを火にくべて自然に返しフィナーレとする。
ヒトの節理をも自然のサイクルとして組み込まれていくかのように…
けして祝祭というオブラートに包んで
崇高ぶっているだけの映画には思えない…
『へレディタリー 継承』の方がミニマムかつソリッドな
語り口だと思いますが、観終わった印象は同じで
呆然… 転じて、じわじわとインパクトが強まっていく感じ…
考えれば考えるほど深淵にハマっていく感じ…
そんな、噛めば噛むほど味がするスルメ映画だと思いました!
大爆笑。
それまでもツッコミどころ満載で、笑いを堪えてはいたんだけど、女王を決める踊りの戦いあたりからツボに入ってしまい、イスが揺れるくらい笑ってしまった。
これを世の中がどう受け止めてるの?
なんで満席なの?
この新型コロナ騒ぎで、みんな外出を自粛してるっていうご時世に!!
本人たちは大真面目というシュールさが可笑しすぎて、怖さも吹っ飛んだ。
不思議な味わいの映画。
こういうのを面白がって生きていける感性は必要だと思った。
人滲み出る人間の怖さ
自分としては面白かった映画です。2時間半弱の長めの映画でしたが、あまり長いとは感じませんでした。
ゾンビ系やパニック系の怖さより、派手ではないけど背後から滲み出る人間の怖さの方が好き(面白いと思ってる)な自分としはとても良かった🤔まぁでも派手ではありましたね、自殺のシーンとかは。笑
またみた後に他の人のレビューをみて北欧神話のことが背景としてわかっているとすんなり入ってくる部分もあったのかなと思いました。
これも人の考察ですが、村に入るときにカメラが反転したり、通常夜で描くものを逆に日中、白夜で描いたりという"逆に"なっていることが、例えば我々にとっては死は恐怖の対象だがあの村では死とはサイクルの一つで喜ばしいことであると考えられていて我々の世界とあの村の価値観は"逆である"ということを意味しているというのには妙に納得してしまいました。
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