ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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共感の恐ろしさ
花がゆらりゆらりと揺れている。
植物には花の美貌とはうらはらに強力な魔力がある。
森の神秘のキノコはトリップをもたらし、ハーブは呪術につきものだ。まさに悪夢体験。
伝統と集団を守るために「個人」がまるで存在しない、この村の度を越した「共感」。異を唱える者は存在不可能。
SNSとスマホの社会では、相手と情報を共有し、限られた範囲の感情移入と共感が進行する。しかし情報の質も量も異なるため、当然それぞれの「心のはたらき」は異なる。
そんな現代人たちに対して、極度の「共感」が恐怖を煽る。村の女たちがダニーと一緒に号泣するシーンは心底恐ろしかった。
帰るところがないダニー、悪知恵のジョシュ、愚かなマーク、欺瞞のクリスチャン。まるでオズの魔法使いだ。
クリスチャンという名前は偶然ではないだろう。キリスト教の宣教による文明化、個人の自由という大義名分の下で、他者を植民化していくというぺテン(欺瞞)を意味している?
監督のベルイマン仕込みの強迫観念的手法と白夜の狂気がマッチしていた。
創り込んでるが悪趣味なエログロトラウマ映画
手の凝った映像、ミステリアスな音楽、(導入から途中までの)ストーリー、どれをとっても期待感膨らみ....が、その後全てはぶっ飛んで....結果的には、かつて昔に観た事のある、おぞましくやり過ぎなエログロ作品の類に過ぎなかった。かつてのそれらも、カルト宗教や特殊民族地域やお国情勢事情、ポロリスラッシャーやグチャドロスプラッター、死体をカスタマイズや遊戯、近親相姦や障害者、それらの要素を絡めた作品ばかりであり、出会う度に気分が滅入りある種のトラウマや胸糞感を持ち2度と観たくないと思った。本作もそれらと同様、久々にそんな気分の作品だった。
映画自体は本文冒頭記載したが、しっかりと創り込まれている感ありそこは評価したいが、ブラックユーモアとかホラー、ましてや失恋映画?などと軽く受け止められない事だけは断言する。程度を超えた悪趣味なエログロトラウマ映画、で間違い無い。
あと、ボカシがあっても、残酷シーン時間が長くなくても、本作はR18レベルだと思う。
決して人に薦められる映画では無い。
とても美しい風景の陰で…
風景、景色、セット、美術がとにかく美しい。作品自体は監督が好む作品へのオマージュともとれる。映像の至るところで「あの作品からのインスパイアだな…」と気付く楽しみもある。前作「ヘレデタリー 継承」ではオカルトな内容がマンガチックなアプローチでエンディングを迎え、かなりガッカリさせられたのだが、今回はひたすら美しい映像の中でグロテスクなシーンとクレイジーな儀式が色取り取りの花に彩られ、この監督の一つの到達点を見た感じがした。ファンタジーとグロテスクが見事に融合され、軽くドラッグの要素も加味して、素晴らしい出来になっている。この監督自らが「面目躍如、ここに極まる」と宣言しながら表舞台に堂々と躍り出た印象の素晴らしい映画だ。余談だが「ベニスに死す」のタージオことビョルン・アンドレセンが出演していたのには大変驚いた。絶世の美少年も変わり果ててしまったが、元気な姿が見れただけでも感慨も一入である。
ヘレディタリーに次ぐ、アリ・アスター監督の新境地
本作はヘレディタリーに引き続き、かつてないようなアイデア、構成の作品。
監督の発言通り、恋愛にある心情をカルト的な民間伝承の不気味さと融合させた話になっていた。
個人的には、正直気持ち悪いシーンが多く、ストーリーも隅々まで解決するようなものでもないので、後味悪く心に残ったのが正直な感想です。
複雑な内容を考察したからといってすっきりするものでもない気がします。(そういいつつも考察楽しいですけどね(笑))
が、本作の映像美、ストーリー、などなど見どころは満載な作品なのは断言できます。
アリ・アスター監督の次回作も期待しています。
ただ、今回ほどの描写は勘弁してくれ(´;ω;`)
2時間半の宗教動画?!
ラブストーリーでもあり、成長物語でもあるけれど、
なんとなく鑑賞すると宗教動画だなあって感じた。
それほどまでに、ベタな呪術的なプロットだけど、世界観と映像感がかっちりと作られてる、そんな作品。
祝祭が始まる
ボーイフレンドの仲間達との旅行に同伴したダニーはスウェーデンの田舎町で夏至祭に参加することになり…。
価値観の違いによる恐怖が嫌と言うほど描かれているホラー映画で、シュールで笑っちゃいそうな怖さと心から吐き気のする気持ち悪さの両方を感じれる良い意味で嫌な作品。
人の口ほどあてにならぬものはないんだが・・・
ホラー映画なのか?
どこかでドキッツさせてくれてもいいんじゃないのか。
率直すぎる感想だった。
秋風がどこかで吹いてきて春を飛び越して、夏さえも置き去りにしてしまったような気分に襲われた。70年代のコミュンのような風情で、カルト集団にしては猫の頭で考えたような社会で、ここで暮らすことの意味など見出せないだろうに。
色彩、セリフ、音楽どれをとっても感嘆符はつけられない映画だった。
興味深くはある。
家族や共同体についての映画でもあるわけで、観ながらアーミッシュの人々や、かつての日本の農村での暮らしなどに思いを馳せていました。
儀式ばかりでなく、共同での作業や日常の歓びが描写されてると、共同体としての現実味が出ると思うんだけどホラー映画だから仕方ないかな。
正直言うと延々、冠婚葬祭というか儀式が続くのでスピード感がなく、また爽快感が得られないので、ちょっと観ていてイラつきました。
最悪、すべてが最悪、
つまらなくはない、と言いたいところだが、儀式が始まるまではタラタラしててつまんなかったな。
そこからも淡々と進んでいくので、それが恐怖と感じない人にはただただ退屈な時間だし、それを耐えても最悪なことしか待ってないし、どんな気持ちで見ればいいのかわからない。
考えうる限り最悪な出来事が全部起こる。
観る人を選ぶ
タイトルのまんま、一言で言うと観る人を選ぶ作品です。
誰かと観に行こうとしている方、覚悟してください。
ヘレディタリー継承もそうでしたけど、観終わった後、微妙な空気が流れます。エロもグロも耐性がある方が良いかと。
画面の不安定感もあるので、できれば体調が万全な時に(笑)
晴れた日の昼間に観ると、映画館の外に出てからも余韻を感じられます。
不快指数最高レベル、画面は明るいですがとにかくお尻がモゾモゾしてしまうようなシーンが続きます。
不協和音と無音のバランスが絶妙で、またところどころスウェーデン語で何を話しているか分からないところが登場人物と同じ立場で不安になります。
言葉が分からなくても、笑顔で飲み物を差し出されたらつい手に取ってしまいますよね、何が入っているか分からなくても。
郷に入っては郷に従えとは良く言ったもので、明るく楽しそうな祭りに招かれたら、自分で考えることを放棄して身を委ねてしまうんだろうなと思ってしまいました。
でも、監督が言うとおり、私はホラーではなくてハッピーエンドのストーリーだと感じました。ハッピーエンドの裏には何があるのか、まざまざと見せつけられた思い。
元々はかなりの長尺だったそうなので、回収されない伏線もチラホラ。
いつか完全版を観る機会があったら、観てみたいなと思います。
もちろん、心身ともに元気な時に。
蓼食う虫も好き好き。
グロとエロをふんだんに使ってひたらすらに気味の悪さだけを押し付けてくる。
それでいて納得のいく終わりでもないし、謎が多く鑑賞後にわざわざ調べなきゃいけない。
正直このタイプの映画は嫌悪する。
思い出したかのようにモザイク使うのやめろや。
めっちゃ時間の無駄使い。
好きな人は好きなんでしょうね。
お花はキレイだった🌺
いやぁぁぁ、なんて後味悪いんだ。朝から観る映画じゃないな。いや、夜に観てても眠れないかもしれないな。
目を覆うようなシーンとかちょくちょくグロいし、ある儀式では笑うところじゃないんだけどなんか笑けてくるし。でも、ない話じゃないのかもとさえ思えてくるから不思議。
とにかくずっと不気味。唯一の救いは、80%自然の中でお花がたくさんでキレイってことかな🌺🌼💠🌻🌷🏵️
ジャンル分けが難しい
これは、友達といくと、ちょっと気まずい映画。
ホラーでもないし、スプラッタでもない。変な村でバカンス、もう帰りたくなーい、という気分。(テンポがゆったりなのも空気にどっぷり浸るためか?)
見たあと、さっぱりすっきりするけど、それは人によると思うので、ハマる人はハマる、いやな人は途中で帰りたくなるだろうなあ。1人で気兼ねなく見たい映画。
不穏さと間抜けさが同居する、白昼のカルト追体験ムービー
不穏さと間抜けさが同居する、あからさまな白昼が続く夏至祭。拷問やカジノの空間のような、時間の感覚を失わせる空間プラス幻覚剤のドラッギーな祝祭。俗世のディスコミュニケーションで孤立した主人公が、共感に満ちた閉鎖的なコミュニティに取り込まれていく、カルト追体験ムービー。
これはギャグなのか??
ヘレディタリーで鑑賞した人間をどん底の気持ちに突き落としたアリアスター監督。明るいイメージから予想されるいやーな感じ。でも、なんだかコメディ。
笑っていいとこなのかな?ってちょいちょいあるシーン。
BGMからして不快な感じでちょっと面白かったのはBGMかと思ったらお前らが演奏してたんかい!
あと、モザイク、今更??笑
全裸で逃走するクリスチャン、いまさら股間を隠されても、、笑
と、色々なんだかクスリとするシーンもあるが、グロシーンもわりとある。
なんだか気に食わないのは押し付けられた価値観や村のルール。
ようはホステルみたいに騙してハメているようで嘘や薬物で自分達の思想をおしつけるのはなんだか嫌な気持ちだった。
あんな現場みて主人公の女はそりゃラストはニヤリとするだろうが、結局精神の弱い女の子はあっさり洗脳されて取り込まれますわ。
最後にガツンと反撃があればスカッとしたんだけどそれもなくどんよりとしたラスト、胸糞悪いなー
これが監督の狙いなんだろうけどきっちりハマりましたわ。
余談ですがjk2人見に来てたけど、ドン引きしてましたね。そりゃそうか笑
ちょっと怖そうだな〜なんて軽い気持ちでカップルが見に来たら気まずいこと間違いなし。
余韻の長い作品。観るものが試されている。
まず最初に。この映画はホラーではない。主人公ダニーの物語だ。そのスエーデンのある村の白夜の90年に一度の祭りに出会うダニーの失恋や人生のいろいろなことの、悲しみが描がかれていて深い。恐怖心とは
怖さとはいろいろで人によりけり。
ブラックコメディともとれて笑える部分もたくさんある。観る人は選ぶかも知れないけれど、間違いなく言えるのは、この先の時代に残り、語り続けられる作品ではないかと思います。
そして何より映画とは余韻。終わったあと話しをしたくなったり何かいろいろ考える映画はやはり良作なのではないかと思いました。観る側の理想や想像に収まらないからこその良作です。新しい事へのリスクは常につきもの。映画を観る側が試されているのかもしれないです。
なにが気色悪いのかよくわからない
なんかもう一捻り欲しいなと思ってしまう作品だった。
カルト系のホラーと聞いて、なかなか残忍で非人道的なものだろうとあらかじめ予想はしていたが、そこまでなにも感じなかった。
それとどこに不安要素があるのか全くわからなかった。全てが伏線と言っていたので注意深く考えて見ていたが、鑑賞後確認したところ自分の考えていたものと似ていてあまり驚きなどは感じなかった。
レビューでの高評価、綺麗なポスターとカルト系のホラーという点で期待値が爆上がりしていたのですが想像と少し違ったので残念でした。
北欧に人知れず存在する真っ白な地獄、足を踏み入れてしまった主人公ダニーの喜びから絶望まで全てを味わうことが出来る、最高のトリップ映画
中毒性のあるものを薬だと表現することはよくあるが、この映画はそれらとはまた違う文字通りの「薬物」という感じ。
まず本作のイントロだが、一面に雪が広がる森のカットを背景に歌の聞こえてくるシーンから始まる。見ているこちらまで肌寒く、孤独を感じるこのイントロが本当に美しい…
視覚的にアートを楽しみたいならこの映画を選ぶのは正解だと思う。スタッフが一から作り上げた村のオブジェや建築造形、村の人々の白い衣装と幻想的な風景、そして中盤から白い景色の中で鮮やかに映える血の赤も含めて、終始どこを切り取っても美しかったのが本当に良かった。
(本作はR15指定ということもありスプラッタ描写に関しては相当なものがあった……が、生きている人を痛めつける描写ではなく死体が生々しく映っている描写の方が多かったので、個人的にはそこも不快感が少なかった。)
それからこの映画で面白いのが、主人公の感情を視覚と聴覚でそのまま味わえることだ。深い孤独を感じた時には周りの音は遠くなり視界もフォーカスされる、酷く泣き叫んだ後は場面が飛んで、気づいたら時間が経っている。怪しげなハーブの飲み物を飲んだ後には、あえて画面を歪ませている場面も多くある。全体を通してまるで主人公と一緒にトリップしたような感覚になることがまさに「薬物」な映画だった。
私個人としては、観るのに体力こそ使えど快感はそこまで感じなかったのでリピートはしないかなという感じ。ただ美術面や演出面などが刺さったし、いい映画だったと思う……劇中カットとか集めた画集みたいなのが欲しいやつだな〜〜〜
(あとパンフ、あれ本当に凄いのでもし映画が気に入れば、そしてパンフの在庫があれば、普段パンフ買わないよって方も買うのオススメします!!!手に取った瞬間でもうびっくりすること間違いなしです!!!)
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