ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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北欧版グリーンインフェルノ
へレディタリーからアリ アスター監督を知り本作を鑑賞しました。
正直へレディタリーに比べてマンネリした印象だったかな…もっと攻めた演出、話の展開があっても良かったと思う…
舞台は未開の地のジャングル…ではなく北欧の山奥の集落でこれまで誰も取り扱ったことのない白人の土着の風習、ある種のタブーに踏み込んでいる。所々深堀したくなるような興味をそそる部分もあるがまあフィクションなので多少無理があるよな‥と思うような風習の設定だった。(村の老人が崖から飛び降りるのは実際にそういった伝承があったらしいが)欲を言えばもっと心臓を抉ってくるような演出が欲しかった。
パンフレットの装丁も洒落っ気が効いてて映像、舞台設計、衣装制作のクオリティーも高い。話の中身自体は前述したとおりマンネリしたものだったが北欧の民俗学や舞台美術には興味をそそられるものがあるので是非足を運んで観てみてほしい。
独特な怖さ
「ミッドサマー」
すごい映画だった、、。 なんだろう、なんて書けばいいのか。笑
いや、映画として面白かった!
アリーアスターが描く怖さが独特。ヘレディタリーは終始、画面が暗い世界観だけど、本作は眩しいぐらい明るくて、太陽、村の人たちの笑顔が怖いし、花でさえ、ちょっと気持ち悪いってなった。
グロさレベルでいうと、グロいシーンは思ったより多くはないけど、エグい。。 しかし、このじわじわくる恐怖心の引き出し方、天才かよ。2時間40分と長いけど、全く長く感じなかったし、作品としては傑作だなって思う。
だが、笑
今の社会や文化からしたら、非道徳過ぎておすすめできないよね🤣グロいとかグロくないってより、そこが無理な人はこの作品は無理だろうなぁと思う。
この映画の何が1番怖いかって、人間の解釈や意味づけで、信じられない残酷な行為でさえ尊いものとして捉えることができるということ。いや、マジでこわい。
カップルで観に行かないほうがいいというのも、確かにそうかもとも思った。
でも、女性がスカッとするとかそういう感想多く見かけるけど、私はそこまでスカッとできなかったかも。
登場人物の誰に感情移入するかで変わるだろうと思うけど、監督もインタビューで言ってますが、この映画は主人公ダニーの視点、主観で描かれているから、ダニーから見た世界が描かれている。ダニーが善として捉えるものは善だし、ダニーから見た悪は悪。ダニーの救済物語的な。
視点を変えたら、ただの地獄。
わたしは主人公に感情移入できなかったパターン。
確かに、論文のあたりとか彼はクズだなと思ったけど、彼は彼女の傷みを背負えるほどの器がなかっただけの話。弱い人間だけど、悪人じゃない。そういう人の弱さみたいなものを悪として捉えてしまったら、この世界どうなるんだろうかとか考えてしまった。
一方で、彼女の彼への依存心も正常にはみえなかった。
彼は同情。
彼女は依存。
私は登場人物に感情移入できなかったから爽快感もなかったけど、同情と依存だけでつながっている別れられないカップルの破局物語として観るとそれもまたおもしろいと思った。
あと、映画の中で出てくる儀式とかも実際に存在していた儀式を参考にしていたり、数字の意味だったり、いろんな細かい演出に意味があったりするみたいで、そこを見終わったあとに調べたりするのおもしろいのかも。
とりあえず、ぜひ観てくださいとは言わないが。笑
なかなかすごい映画です。
ビジュアルの面白さ、内容の醜悪さ。
頭がクラクラ。最高にぶっ飛べるドラッグ映画とは、この映画のこと。
凄かった。観た後しばらく感想が出てこなかった。。。
スウェーデン の夏。山と森と大草原。カラッとした晴天。スマホの電波も届かない。俗な文明から完全に切り離された大自然。
村人は誰にでも優しく、美女が歓迎のダンスを舞う。ここは天国か?まさに、この世の桃源郷。まさに、至福の時!
と思いきや・・・それは・・・壮大なトラップだったのでした。人生良いとこ取りはできないようになってるんですわwww
この映画、映像が凄まじい。美しい。暖かい。一言でいうと、ダウナー系の「ドラッグ」。しらふで観ても頭がクラクラしてくる。ジャンルとしては「芸術映画」の枠に入りそうだけど、めちゃくちゃエンターテインメントでした。
映画のテンポは至ってゆっくりなのに、下手な商業映画では足元にも及ばない、このハラハラドキドキ感。主人公たちは、この先どうなるんだろう?どうなんるんだろう?とても長い映画でしたが、一瞬たりとも飽きませんでした。マジで凄い。どうやったらこんな映画作れるんだろう?
この映画に何度も出てくる「共同体」や「家族」という言葉が印象的。
本作で扱われているのは、ものすごく強固な、宗教をバックボーンとした共同体。共同体の構成員は包摂され、守られ、共感と承認を得られ、構成員同士の助け合いの絆が強い。このような共同体の構成員は幸福に暮らしていくことができる。
でもね。良いことばっかりじゃないんだよ。共同体には恐ろしい一面もある。この映画を観ると、それが良くわかる。
かといって、共同体と宗教が完全に崩壊した世界を描いていたのは、昨年公開された「ジョーカー」。こちらも恐ろしい。
どっちに転んでも恐ろしい。じゃあどうすれば良いの?と、考えさせられました。
あ・・・ちなみに、この映画はグロ注意です。といっても、単に「グロい」のではなくて、「美しくグロい」って感じなので、ご心配なく(笑)。
いや〜な祭りに来ちゃったなあ
ヘレディタリーが大変好みだったので楽しみにして初日に鑑賞
小さめのスクリーンでしたがほぼ満席
女性が多かったのが意外
感想はなんとも奇妙で悪趣味な映画
好き嫌い分かれそう
ラースフォントリア「ハウスジャックビルド」を見たときの、こんな変な話よく考えるなあ、に似た感覚でしょうか
お話しは筋があるようなないような
あれよあれよと巻き込まれて…
147分なんで内容のわりにたっぷりとした間の演出でした
主人公はファイナルガールとなりますが、あんまり恐怖体験もしていないので、お決まりのホラーとも違った印象
映像表現、衣装、美術はすごくきれい(蜷川美実花てきなw)で、それがまた恐いという
今後もこの方向性で行くのかな?監督の作家性の確立が楽しみです
最後の最後で全身の毛がゾワゾワ
最後にアリアスター監督にやられたね。このまま荘厳な感じで終わるのかと思って油断してたら、鳥肌どころか全身の毛という毛がゾワゾワするはめに。あー夢に出てきそうだよ。😨
いいね、このバッドテイストを思い出しながら1週間過ごすことができる。人にこの嫌な気持ちを語るのが楽しいんだよね。
前作のへレディタリーと同じで、音の使い方が絶妙。画面は白夜だからとても明るくて牧歌的でさえあるのに、ときどき心臓の鼓動のような不快な音が斜め後ろから聞こてきて、何かが起こりそうで気持ち悪い。それに加えて画面がざわざわと歪んだり、草木が不自然な動きをして、視覚でも不安がどんどん増していく。
村に入ってから起こる最初の衝撃的な出来事は、ほぼ予想がついたんだけど、その次が想像を裏切ってきて、不快が淵に突き落としてくれます。怖くないけど、心理的にどんどんやられてしまった。
このミッドサマーは、明るい場面が続くし、フォークテイルな趣きがあるので一歩間違うと子守唄になってしまうが、古代神話を語っている絵、何かを象徴するポールや建造物、これから起きることを暗示するようなテーブルの配置、古代ルーン文字など、それら一つ一つに興味が湧いてくるので、退屈するどころか、それらを理解するのに忙しい。また、同じく北欧をテーマにした「ボーダー 二つの世界」と同じくビックリするくらいのエロいシーンが出てきて驚いた。
傑作へレディタリーを超えてはいないが、十分見応えがあった。初日とはいえレイトショーがソールドアウトになっていたのにはビックリ。アリアスター監督への期待が大きいんだろうね。シャマラン監督みたいに失速しないでね。
ファイティング・ファミリーでファンになったフローレンス・ピューはすごく良い。今回もいい演技してる。「ブラック・ウィドウ」が楽しみ。
追記
小林真里さんの解説ページがあって、読んだらまた見たくなった。
https://www.phantom-film.com/midsommar/mystery/index.html
説明不足な映画
声の怖さ
孤独 憎悪 共感 解放
「ヘレディタリー/継承」でオカルトともスプラッターとも言えぬ
独自のホラー感を醸し出したアリ・アスター監督の最新作。
前作も彼自身の体験を映像化したとし、
今作も家族を失った彼自身が当時付き合っていた
彼女に支えてもらえなかったという体験から
本作を生み出したと言う。
付き合って数年のダニーとクリスチャン。
二人は倦怠期であり、ダニーが家族を失ったことの
精神苦痛を支えるに至らずにクリスチャンは
別れを切り出せずにいた。
二人は知人のペレの誘いで彼の故郷の
スウェーデンの夏至祭に参加する事になるが…
ところどころ現れる絵画やキーワード。
北欧のバイキングが残した文化。生命のサイクル。
すべて本当に過去に存在していた文化であるという。
ダニーの視点で物語を鑑賞すると…
孤独になったダニーは精神的な支えが必要な状態で
彼はいるがいつか私を置いて立ち去りそうだ。
そんな中で出会った異文化の人間たちは
私の存在を認めクイーンとしてくれる。
そして彼に裏切られた感情を同様に理解して
共感し同じく嗚咽してくれる。
新たな共感者たちは彼という不安要素や
呪縛から解放してくれ、まさに生気を得ることが出来た。
前半はダニの心情を表現するように夜の闇の
情景が多いのに対し、夏至祭に訪れる辺りから
ずっと日中になり明るい風景が終わりまで続く。
ヘレディタリーは息子が悪魔の器として
捧げられ、家族たちが生贄になった映画だったが
本作は母国の知人たちが生贄になったことにより
ダニーが呪縛から解放され、異国の地で
女王として降り立った物語だったのだろう…。
必ずしも、今いる環境が自分に適してる訳ではない。
遠くの異文化にこそ自分を理解してくれる人達が
いるのかもしれないという、目前にある
当たり前の文化へのアンチテーゼにも感じた。
ラストが一番怖かった
郷に入っては…
郷に入っては郷に従えと言うが、本作のような状況になってもこの言葉は説得力を持つだろうか。
多様性を大事にと言うが、この祝祭を多様性として尊重できるだろうか。
完全にイカれているが、この祝祭は彼らにとっては当たり前の文化なのだ。
劇中で"老人を施設に入れる方が彼らにとってショッキングかもしれない"というセリフがあった。その通りかもしれない。自分は、自分たちは当たり前と思っていることもヨソからみたら異常かもしれない。そんなことを思わされた。
しかしこの映画、まぁブッとんでる。監督の前作ヘレディタリーよろしく胃がキリキリするような不穏な緊張感が続き、ゴア描写にも事欠かない。そしてそれが異様なハイテンションで展開されるため怖いのか楽しいのかわからなくなってくる。これは新感覚だった。カットもいちいち美しく、自分は今どんな映画を観てるんだ?という気になる場面すらあった。ジャンル分けがとにかく難しい作品で、これはスリラーなのだろうか?間違いなくホラーではないと思うが…。
集団幻覚
集団幻覚を見せられたようで、映画終わった瞬間自分がわからなくなるくらい…
とりあえず、記憶も飛んでしまいもっかい見るべきなのか…
というか、ちょっとお酒入れてたのもあって…
村に着くまでふわふわしてて…村に入った瞬間はっきり景色が見えたんだけど…本当にエンディング始まった途端、記憶が飛んだ…
あれ、なんでここにいるんだ?
そういえば…映画見にきたんだった…って
そのトリップ具合に冷静になって怖くなってる…
🌿🌱🥩🌞🌿🌱🌞🌿🥩🌱
この感覚は「ごっつええ感じ」に近い
ある種、ハッピーエンド(なのか!?)
「フェスティバル・ホラー」というキーワードに偽りなく、祝祭と恐怖が交錯する2時間強の物語でした。
事前の解説や予告編から想像する展開をあまり超えるものではないので、前作『ヘレディタリー』のような先の読めない展開を期待していたら、その点で少し意外でした。ただ、救いようのないように見える結末が、ある種の人にとっては救いになっているというところは、アリ・アスター監督ならでは、と思いました。
アスター監督は今村昌平監督の作品を参考にしたと話されていますが、後半の「ある展開」の描写は、むしろドリフターズのホラーコントを連想しました。ドリフターズは偉大だ…。
タペストリーやルーン文字、そして神話的な祝祭など、細部まで入念に仕込まれていて、全く見飽きません(情報量が多過ぎて、疲れてしまうことも)。
パンフレットは作品に寄せた凝った作りになっています。解説も豊富なので、本作を楽しんだ方は購入を是非お勧めします。
タイトルなし
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