ミッドサマーのレビュー・感想・評価
全617件中、481~500件目を表示
欺瞞ゆえにまだ救いがある
内容の話じゃなく、観る側の心持ちにおいて。
生贄を得るために自分たちに都合のいい嘘をついて都合のいい癒しに浸る人間臭さが伺えるから、きわめて真っ当な怒りと不快感を持つことができる。クリスチャンが序盤で「カルチャーなんだ。歩み寄る努力をしなくちゃ」と言うようなことを言うがモラルがあればあるほどこれを抱えてると苦しい。価値観の差ってことは理解できるけど感情が受け入れてくれない、こんなコミュニティは燃やせって気持ちになるから。でもよくよく考えるとこいつらは外の人間にも中の人間にも平気で嘘をついていて、あたかも生と死は平等、等しく愛おしいというような態度でいるけれど最後焼死が間近に迫って喚き散らす住民によって「やっぱそんなん欺瞞じゃねーか」って滑稽なネタばらしを食らう。そうするとコミュニティの捉え方がまるきり変わる。唯一祝祭を文字や画の形にすることが許されている障がいを持った男(の子?)。障がい者だから余計な価値観を持たない、ありのままを捉える無垢な存在なんだって決めつけ、ある種責任の押しつけがものすごく胸糞悪い。そしてその理屈だと同じく無垢な存在と言える赤ちゃん。でもみんな知ってる通り赤ちゃんに愛とか利他なんて感情はない。我儘の限り。究極の利己。無垢とはむしろ共同体を守るそういう社会的な感覚から最も遠いもの。だからあのコミュニティが言ってることは都合の良い嘘で、赤ちゃんはずっと泣いてたし、ありのままを描いた画はきちんと気味が悪かった(なんなら警告では?)。
でもそういう納得のいく不愉快さがあるからあの特殊空間に引っ張られずに済むという感じ。向き不向き好き嫌いを抜きにすれば作品の出来は間違いなく良かったし、それも「これはよく出来たフィクションでエンタメだ」という感情の逃げ場になった。
観終わってすぐは「こいつらを理解してやらなきゃいけないのか……? 無理だろ、無理だごめん。私は私のためにこの村を焼いて消滅させなきゃ」とげんなりしたけれど、冷静になれば上記の通り不愉快で当たり前だ!と大義名分を得られるのでわりと平気。
あらゆる本人たちが良いと思ってればそれで良いもの(御守りとか幽霊とか)は内側で守っている間は正当な力を持つけど、外に出した時点で変質する、秩序を失う。外の人間を嘘ついて取り込んだ時点であのコミュニティの文化はただの欺瞞に成り下がった。
ホラーを見慣れている方にはある意味でシュール
普段、私はホラーなんて観ないのだが、ここ最近の仕事やプライベートの多忙にリフレッシュしようと、今回この映画を事前知識なしで観ることにした。
‥が案の定、途中から色々な意味で胃がムカムカしてきて、リフレッシュ失敗と観賞直後に思った。
それでも帰宅後に思い返してみると異物混入シーンや謎コミュニティの踊りなど、しっかり終盤まで笑えるネタが散りばめられていることに気付く。
映画製作陣はもしかしたら笑いをとることも考えていたのだろうか?🤣
それ以外、ストーリー性や監督の意図やメッセージは何なのか、私には分からない。
追記として、観賞後に鑑賞席の照明灯が点灯と同時に隣の席の友達連れの女子の「ハイ、ハッピーエンド❗️😁」の一言に苦笑を禁じ得なかった。
共感の恐ろしさ
花がゆらりゆらりと揺れている。
植物には花の美貌とはうらはらに強力な魔力がある。
森の神秘のキノコはトリップをもたらし、ハーブは呪術につきものだ。まさに悪夢体験。
伝統と集団を守るために「個人」がまるで存在しない、この村の度を越した「共感」。異を唱える者は存在不可能。
SNSとスマホの社会では、相手と情報を共有し、限られた範囲の感情移入と共感が進行する。しかし情報の質も量も異なるため、当然それぞれの「心のはたらき」は異なる。
そんな現代人たちに対して、極度の「共感」が恐怖を煽る。村の女たちがダニーと一緒に号泣するシーンは心底恐ろしかった。
帰るところがないダニー、悪知恵のジョシュ、愚かなマーク、欺瞞のクリスチャン。まるでオズの魔法使いだ。
クリスチャンという名前は偶然ではないだろう。キリスト教の宣教による文明化、個人の自由という大義名分の下で、他者を植民化していくというぺテン(欺瞞)を意味している?
監督のベルイマン仕込みの強迫観念的手法と白夜の狂気がマッチしていた。
創り込んでるが悪趣味なエログロトラウマ映画
手の凝った映像、ミステリアスな音楽、(導入から途中までの)ストーリー、どれをとっても期待感膨らみ....が、その後全てはぶっ飛んで....結果的には、かつて昔に観た事のある、おぞましくやり過ぎなエログロ作品の類に過ぎなかった。かつてのそれらも、カルト宗教や特殊民族地域やお国情勢事情、ポロリスラッシャーやグチャドロスプラッター、死体をカスタマイズや遊戯、近親相姦や障害者、それらの要素を絡めた作品ばかりであり、出会う度に気分が滅入りある種のトラウマや胸糞感を持ち2度と観たくないと思った。本作もそれらと同様、久々にそんな気分の作品だった。
映画自体は本文冒頭記載したが、しっかりと創り込まれている感ありそこは評価したいが、ブラックユーモアとかホラー、ましてや失恋映画?などと軽く受け止められない事だけは断言する。程度を超えた悪趣味なエログロトラウマ映画、で間違い無い。
あと、ボカシがあっても、残酷シーン時間が長くなくても、本作はR18レベルだと思う。
決して人に薦められる映画では無い。
とても美しい風景の陰で…
風景、景色、セット、美術がとにかく美しい。作品自体は監督が好む作品へのオマージュともとれる。映像の至るところで「あの作品からのインスパイアだな…」と気付く楽しみもある。前作「ヘレデタリー 継承」ではオカルトな内容がマンガチックなアプローチでエンディングを迎え、かなりガッカリさせられたのだが、今回はひたすら美しい映像の中でグロテスクなシーンとクレイジーな儀式が色取り取りの花に彩られ、この監督の一つの到達点を見た感じがした。ファンタジーとグロテスクが見事に融合され、軽くドラッグの要素も加味して、素晴らしい出来になっている。この監督自らが「面目躍如、ここに極まる」と宣言しながら表舞台に堂々と躍り出た印象の素晴らしい映画だ。余談だが「ベニスに死す」のタージオことビョルン・アンドレセンが出演していたのには大変驚いた。絶世の美少年も変わり果ててしまったが、元気な姿が見れただけでも感慨も一入である。
ホラーではない
監督がインタビューで言ってた通り、ホラー映画ではないという印象。
失恋をテーマにしたブラックコメディ??
メンヘラ彼女とズルズル付き合ってたら酷い目に遭った彼氏…。
90年に一度の奇祭らしいが、村人みんな慣れ過ぎてて年一で似たような儀式はやってるんだろなーと。
グロはあるが、エロめなシーンではエロさとか不気味さよりも滑稽さが際立って思わず劇場で吹き出して笑いを堪えるのに必死でした。
ネットやTwitterでは話題になってたというか、もはやTwitter民のオモチャにされてる感ありますが、まあオモチャにされるのもわかるような…。
2時間半という長尺ですが、不穏な曲と主人公らがキョドキョドするだけの間に無駄に尺が割かれていて冗長な印象。話を追うだけなら1時間あれば足りそう。
刺さる人には刺さるのかもしれないが、個人的にはシュールでチープなサブカルニッチムービーという感じでした。
ヘレディタリーに次ぐ、アリ・アスター監督の新境地
本作はヘレディタリーに引き続き、かつてないようなアイデア、構成の作品。
監督の発言通り、恋愛にある心情をカルト的な民間伝承の不気味さと融合させた話になっていた。
個人的には、正直気持ち悪いシーンが多く、ストーリーも隅々まで解決するようなものでもないので、後味悪く心に残ったのが正直な感想です。
複雑な内容を考察したからといってすっきりするものでもない気がします。(そういいつつも考察楽しいですけどね(笑))
が、本作の映像美、ストーリー、などなど見どころは満載な作品なのは断言できます。
アリ・アスター監督の次回作も期待しています。
ただ、今回ほどの描写は勘弁してくれ(´;ω;`)
ニコ動コメ付きなら満点
村八分のカルト団体のお話です。
白い装束に老若男女の営みを描く様はまるでオ〇ム真理教のサティアンを連想させました。
盛り上がりもなくただ淡々と生贄を調達していくさまを2時間半見させられるのみ。
途中で帰りたくなった映画は初めて。
恋人と見てなければ出てましたね笑
村人がクリーチャーになって村から脱出するサバイバル的展開なら盛り上がったかも。
100%クソ映画
予告編見て気になってたので、事前に見る人選ぶかもという情報は得た上で、ホラーのようなサスペンスのような映画なのかなと思って鑑賞。見終わって、堪らずに他の人のレビューをチェックして自分だけじゃなかった良かったと安心しました。
ストーリーも一応流れはあるけれど、やたら長くて早く終わってくれって上映中ずっと願ってました。家族一気に亡くしてボロボロメンタル状態な時に、関係がうまくいってない彼氏が友達と旅行に行くの隠してたの発覚して、しれっと一緒に行けるメンタルってどんな状態か分からないけど。
自分のような凡人には制作陣の「どうです?不気味でサイコでなんやかんやでこんな描写に結末なんて素敵でしょ?」感を前面に押し出されたような感じで非常にイラッとしました。
上映中ずっと不快だったのは音楽のボリュームが半端ない大きさだったこと。冒頭の電話の音からBGMと思ったら実は村人が演奏してましたな音まで全部耳が辛かった。編集の時に音楽やらの担当者がボリュームの調整間違えたのかな。会話の音量は普通なのでわざわざ大きくしてるのは分かるのですが、音楽のボリューム本当にうるさかった。
なんやかんやで仲間達が死んでいってそろそろ終わってくれるはず!と期待してみてたら、彼氏が薬入りジュース飲んで陰毛食べさせられた生娘村娘with村の女性達と花に囲まれて性行為をするシーンがあって、唐突なモザイクと喘ぎ声を増幅させた歌声で???何を見させられてるんだろう状態。オシャレ感?不気味感?もうモザイクしか目に残らない。話的にもカット出来ないし更に歌声入っちゃってるからカット出来ず苦肉の策でモザイク?
予告編で見たドアの向こうを見ちゃうシーンの向こう側って彼氏の浮気現場かっ!彼氏が裸で走り回るモザイクがスクリーンから浮きすぎててモザイクから目が離せなかった。あれは日本だけ配慮してモザイクなのか?
精神的に不安定そうな主人公は耐えきれず、とんでもない勢いで打ちひしがれて泣いてるのに合わせて増幅させた歌声で一緒に歌う村の女子たち。ここは笑ったら不謹慎なところですか?
最後は村に一緒に来た友人(既に死体)も彼氏(熊の中で虫の息)も一緒にお焚き上げ、それを見て笑う主人公。ほらこんな結末不気味でしょ!という制作陣の渾身のラストシーン。ずっと前から置いてきぼりだったから、スタッフロールに花が生えてたけど、湧き上がってくる時間(上映時間長すぎる)とお金を無駄にしてしまった後悔にさいなまれてそれどころじゃなない。もう何を伝えたかったのか分からなさすぎて、終わってから後ろ向きで花を摘みたくなった。
映画ってちゃんとジャンル分けができることって大切なんだと思いました。ホラーでもないし、グロでもないし、何を求めて見るかって大事。映画館にわざわざ見に行くと耳が壊れそうになるおまけ付きだし。この映画好きって言う人は、「大衆には理解できないだろう物を理解できちゃう自分すごくない?」とか「私は!監督の伝えたかったこと分かるわぁ」みたいな自分大好きな感情が見える気すらします。これは余計なお世話ですけど。
制作陣の自己満足映画としか言えない。自分の読解力が足りないせいで分からないのかと思ってネットで調べてたら、公式によるネタバレ解説があって絶句。映画の中で伝わってない、観客が理解出来てないだろうことを映画外で解説してるって…それって映画の中で伝えきれてないって分かってやってますよね。ずっと置いてきぼりだった自分が、思惑通りにわざわざ調べて公式の方々によるありがたーい解説も見て、それで理解した上での感想です。
100%クソ映画!!
祝祭が始まる
人の口ほどあてにならぬものはないんだが・・・
興味深くはある。
最悪、すべてが最悪、
観る人を選ぶ
タイトルのまんま、一言で言うと観る人を選ぶ作品です。
誰かと観に行こうとしている方、覚悟してください。
ヘレディタリー継承もそうでしたけど、観終わった後、微妙な空気が流れます。エロもグロも耐性がある方が良いかと。
画面の不安定感もあるので、できれば体調が万全な時に(笑)
晴れた日の昼間に観ると、映画館の外に出てからも余韻を感じられます。
不快指数最高レベル、画面は明るいですがとにかくお尻がモゾモゾしてしまうようなシーンが続きます。
不協和音と無音のバランスが絶妙で、またところどころスウェーデン語で何を話しているか分からないところが登場人物と同じ立場で不安になります。
言葉が分からなくても、笑顔で飲み物を差し出されたらつい手に取ってしまいますよね、何が入っているか分からなくても。
郷に入っては郷に従えとは良く言ったもので、明るく楽しそうな祭りに招かれたら、自分で考えることを放棄して身を委ねてしまうんだろうなと思ってしまいました。
でも、監督が言うとおり、私はホラーではなくてハッピーエンドのストーリーだと感じました。ハッピーエンドの裏には何があるのか、まざまざと見せつけられた思い。
元々はかなりの長尺だったそうなので、回収されない伏線もチラホラ。
いつか完全版を観る機会があったら、観てみたいなと思います。
もちろん、心身ともに元気な時に。
フラワー・インフェルノ
女子好みの要素をみっちり詰め込んで語られるファンシーグロムービー。
馬鹿で下品で勝手過ぎる男どもの末路
デブで取り柄がなくてメンヘラだけど「あなた」が
お姫様!
画面を埋め尽くす花、プーさん、股間を隠して右往左往する元カレ!
これが最初の<偏執狂>アリアスター作品なら充分満足できる。
次作、さらに完成度の高さを見せて欲しい。
蓼食う虫も好き好き。
全617件中、481~500件目を表示