ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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90年に1本の奇作
これまでも今後も同じような映画を観ることはないでしょう!
それを観られただけでも満足度高いです。
全てが狂ってるわけではなくアングルは真っ正面か真横で動かず、まいた伏線は短いサイクルで解消し、観客が狂った展開を味わい尽くせるように地に足つける部分はしっかりしていた。
冠婚葬祭に初めて参加した時に様式を知らない自分だけが置き去りにされる気持ちとか、いつまで続くんだろうっていうソワソワの気持ちを増幅させたような「不穏」だった。
なのにしっかりオチる故のこのさっぱり何も残らない後味の説明が難しい。
この内容なら半分の時間で十分
現代美術家のマシュー・バーニーの様なイメージの世界観に、『ホステル』的なB級ストーリーをくっつけちゃった感じ。
ただそれもセット美術はいい線いってるのに、カメラワークが普通なので中途半端。
この監督の前作『ヘレディタリー』を期待している人には別物かも。
この内容なら私には半分の時間で十分だと感じました。
2020-15
もういい。
『ヘレディタリー』は、観賞後、灰色な気持ちになったことぐらいしか覚えてないので、きっとこの作品も灰色な気持ちになるんだろうな、と思っていました。
それでも観たかったのは、舞台がスウェーデンだから。
人生の半分以上を過ごした故郷です。
でも、もういい。
映画のクオリティや凝ってる部分じゃない。
私には無理だった。
私にはスウェ文化を汚損でもなく、踏みつけられたのでもなく、ぽいっとされたような悲しさを感じた。
おそらく私が日本で見てるからというのも大きい。遠い日本で、スウェーデンがこう描かれているのを見ているから。
スウェで、スウェの友達と見てたらここはこうだよね、これはないよね、とか語れて、納得できるかもしれない。
長年住んだとはいえ、伝統まで深く知らないから語れる筋合いがないのは十分承知で、私情が多いにある、あまのじゃくな意見ですが、私にとっては居心地の悪い時間でした。
こんなレビューで申し訳ありません。
話題性に釣られて鑑賞するも?
昔からこの手の作品は良くあったが今の時代劇場公開中作品たしては物足りなく細工が無さすぎ冒頭から村に入るまでテンポが遅い全体的にミョーな緊張感のある雰囲気が足りず平凡すぎラストも何かどんでん返しがあるかと思ったがあれじゃ当たり前過ぎ 彼等の中に造反者がいて組織を崩壊させたり1人命からがら脱出出来たような良くある衝撃のクライマックスを期待してたのに‼️
性描写、狂ってる!
学生が論文のため田舎の祭りを取材に行き歓迎されるが、実は生け贄として招かれていた。
というよくある話だが、冒頭からイントロクイズ的に「アリアスターの映画!」と分かるくらい、個性溢れた演出に満足。
圧倒的センスに震えるグロテスク怪作。
性描写、狂ってる!(2020/2/29)
監督がダニーに投影されているとしたら他の登場人物もモデルがいるのだろうか?
監督が来日したときに受けたインタビューで、ミッドサマーはホラーではないと言っていた。ダークコメディなのだそうだ。私もそう思う。ホラーの要素には、イノセンスが襲われるというか、とりあえず襲われる段階では、襲われる理由が分からないというところがあるが(あとで判明したりする場合もあるけれど)、この作品では基本的にそんなことはない。なるべくして全てが起きてゆく。そういう意味では始めの5分くらいはホラーだ。
その後は脚本のかねる監督の復讐劇な気がした。舞台がスェーデンなのは完璧にトラップだと思う。おびき寄せられればそれでいいのだ。ニシンはオランダだし。
一体何を見せたかったんだろう。
自分にしか描けない世界観? アートのような美しいサイコ映画? 監督が届けたいことがさっぱり入ってこない映画だった。美術を頑張ってるのも、作りたい絵があるのも分かるが、それだけで120分はのめり込めない。なにより、その世界観というのが、どこかでみたことがあるような、なんとなく既視感があるものばかりだったし、話にドラッグを登場させることで、都合よく撮ってみたい絵を撮っているようにしか感じられなかった(妹の死についても、ありがちな一家心中で、妹と家族とのつながりも何も分からぬまま死だけ描かれるので、ただかわいそうな経験をした鬱気味の主人公、程度にしかパーソナルを掘り下げられてなかった)
儀式のありよう、恋人とのうわべだけの関係性、馬鹿な男友達、集団による強迫観念、喜びや悲しみのない生と死。どれもがステレオタイプの描き方。一見、ステレオタイプに見えないのは撮り方や美術をすこーし凝ってるから。ただ、それだけだった。
冒頭20分、村に着くまではそのすこーし凝ってる、だけで楽しめた。これから先、本質が出てくるんだろう、、、と思って。でも、村に着いてから、凝るだけ凝って、中身はスカスカ。踊って、人殺して、裸写したり、セックス映せば、なんかすごい映画!ってなると思うなよ!
時間の無駄でした。
生命のループの美しさ
個人評価:3.8
こういったジャンルでは良作であり、作品性も高いと感じる。生命のループを描いていると感じ、草木や花など動植物では当たり前の理を、人間に当てはめ描いている。生命の引き継ぎの美しさが根底に流れているので、草木・花や自然の素晴らしさを同時に描くのはテーマと一致し、映像の美しさと恐怖がリンクしている。
また最後に主人公が生命のループに加わる事で、苦悩や恐怖から解放され、単なる恐怖映画ではない想いを受け取る事ができる。
しかしながら生贄を外部から連れてくる事と、この村での鉄の掟が一致せず、その部分の掘り下げが足りない。これでは生贄系の量産型ホラーと変わらない構図になってしまう。他にも表面的なグロテスク描写や、意味の無いホラー要素が作品性を低くしてしまってるのも残念。そのマイナス評価の違和感があるシーンを、完全版で説明してくれれば、そちらも是非見たい。
マイノリティをどこまで認められるか?
昨今世界ではアイデンティティの尊重や、マイノリティを否定しないことを美学とする風潮がある。とくに欧米ではその傾向が強いように思う。
本作はまさにそれらをどこまで認められるか?を問われていたように感じた。
主人公たちは、スウェーデン人の友人から「地元で90年に一度の由緒あるお祭りがあるから行こう」と誘われる。
人間というのは不思議なもので、'お祭り'というだけで奇妙な催しを受け入れてしまう。ここはこういう文化だから尊重しよう、と勝手に納得してしまうのだ。作中であきらかに常軌を逸した儀式が行われるのだけど、主人公たちはそれを戸惑いながらも受け入れる。
もしこれが、「うちの宗教団体で90年に一度の儀式があるんだけど」って誘いだったら即通報してると思う。(そもそも行かなかった可能性が高い。)それだけ'お祭り'というのは世界的にパワーワードであり、人間の警戒心が薄れる言葉なのだと感じた。
いくら他人のアイデンティティに関わる事でも、時には「それってどうなの?」と反発(≠否定)することも必要なのではないか。最近は反発=悪という風潮が強すぎる。この作品は、何でもかんでも受け入れるのが常に善となるわけではない、と言っているように思う。
作中では常時理解しがたい催しが起こり、細かい経緯が描かれていないものも多々あるが、この映画はそこを自分なりに想像したり、理解できないモヤモヤだったりを楽しむ映画だ。観たあとに自分の想像力が膨らむ体験を、ぜひ味わってほしい。
まるでサウナ
公開前の評判がすさまじかったこの映画。ふたを開けてみれば、期待以上にえぐかったとか、期待しすぎて拍子抜けだったとか、いろいろな感想がネットを駆け巡っていた。
私には正直、映画のほとんどが退屈でつらいもののように感じられた。それはまさに「サウナで整うってことを教えてやるよ」と先輩に言われて嫌々交互浴に付き合う後輩社員の気持であった。しかし、私はミッドサマーでしっかりと「整う」ことができた。
まず、ホルガに行くまでが長い。カメラワークも独特で、これから観客を不安な気持ちにさせてやるぞ、という製作者の気持ちが見えるようであった。その状態でおそらく30分…しかもカメラワークだけでなく、内容も面倒くさいダニーとうじうじしているクリスチャンのグダグダ喧嘩がほとんどで、スウェーデンの明るい青空と緑が現れた時にはホッとした。
そしてそこからがまた長い。前振りとして人物紹介をし、コミューンの明るさの中にある不気味さを醸し出していく。特に儀式で命を落とす2人を待っての食事シーンにはイライラした。マークの気持ちもわかるというものだ。
そしてやっと最初のグロシーン。老人2人が崖から飛び降りて顔面や脚をぐちゃぐちゃに破壊する。あとから飛び降りた死に損ないの顔を若者たちがハンマーで砕くシーンは中々。だが、それほどグロくはない。アイアムアヒーローやロボコップが平気なら大丈夫なレベル。
ここまででたぶん、90分くらい。つまり、最初の山場までですでに上映時間の半分以上を使っている。正直、しんどい。しかもここからめくるめく邪悪な儀式に邁進するでもなく、じっとりとした不穏な空気をじわじわと醸し出していくのみ。
しかし、今思い起こすと、不穏な空気の作り方が非常に優れていた。誰かと誰かが険悪な雰囲気になるだけではなく、画に映る全員が各々の目的を基に、一丸となって、”観客に”ストレスを与えるために行動していたのではないかと思わせるほどに、事情が複雑であり、それでいて理解の及ぶものでもあった。大変すばらしい。
ただ、”お客さま”たちをグロテスクな方法で殺害したのは、正直意味が分からなかった。禁忌を犯したマークやジョシュはわからないでもないが、サイモンとコニーは何かしたのか?お客様たちは儀式的な方法で殺さなければならないが、コミューンのメンバーは自分らの自由に死なせていいってのはムシが良すぎないか?
と、コミューンの面々が何を考えているのか全くわからずに、ダニーとクリスチャンの仲もまったくよくならなかったので、いったいこれでどんな着地をするつもりなのだろうとずっと不安だった。クリスチャンが生贄として炎の中で死にゆくときも、考えていたのは「おいおい、あと数分しかないぞ!これで本当に終われるのか!?」だった。
だからこそ、最後のダニーの微笑みで衝撃を受けた。これはコミューンに囚われた哀れな観光客の話でも破局寸前のカップルに起こった悲劇でもない。ダニーの心が救われて”家族”を得る話なのだと。
そこに気が付いた瞬間、私は整ったのでした。
…この整いを大事にしたまま終わればよかったのだが、公式HPで観た人用の解説ページを読んでしまったので、ちょっともやった。簡潔にまとめると、「アリ・アスター監督はこんなにディティールに凝っているよ」という話が延々と続いているのだけど、正直どうでもいい。
もう一度観れば新しい発見もあるだろうが、それはダニーとシンクロして得られる「整い」を上回るものなのか?ダニーはコミューンで共感してもらうことで救われた。ならば我々もダニーに共感して整うことを重要視するべきなのでは?
ルーン文字の意味や儀式的な殺害方法の意図、「隠された顔」など、分解すれば面白いものがたくさん出てくる映画だとは思う。しかし、観るときは無心になって、ぜひ「整う」ことを優先してもらいたい。
2020年ベストムービー!⭐️✨
なんともBad Tripな映画でした…(笑)
仲間が行方不明になり始めてからは、もう最後までただただ悪夢を見せられている…そんな作品でした。
この作品に解釈なんて必要なんでしょうか?(笑)
異文化の中の、アメリカ人の節操の無い感じとか、その不快さとか、分かりやすかったですね…演出だったのかどうかは知りませんが(笑)
この作品、大好きですわ!(笑)
宗教映画
みんなで声に出して感情を表すこと、集団心理というのか、人を陥れることが簡単に思える場面がある。絵が綺麗、演技が上手い、見続けられるだけのインパクトがあり、嫌いな人も多いだろうが個人的には好きだった。
グロテスクな表現があるため、そうした方には受け入れられない映画でしょう。
見ながら現実的に起こり得そうに思えた。フィクションなのかノンフィクションなのか分からないが、この映画のアイデアのヒントはあるだろう。
割とありがちな話
ストーリーの流れは割とありがちで、、自身の不幸を忘れるために気晴らしに違うことやってみる、イベントに参加してみるとさらに不幸に見舞われるといったところです。都市伝説な部分もあるが、カルト的な話が好きな人にはウケがいいかもしれない。
個人的には、全体を通しては気持ちがナイーブになってしまった。。彼女の選んだ道は正しかったのか?というところと人間は儚いとった印象である。
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