「『種の保存』」ミッドサマー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
『種の保存』
白夜の真昼間、衆人環視の中で平然と行われる儀式・・・
というより「惨劇」・・・眠気が吹き飛ぶ面白さでした。
2020年(アメリカ)アリ・アリスター監督作品。
『べデレタリー継承」の監督の最新作。
暗闇の怨念を描いた「べデレタリー継承」より白昼の恐怖、
「ミッドサマー」の方がずっと上級の仕上がりです。
大学の卒論を仕上げるために、ダニーの恋人クリスチャンとその男友達3人の
合計4人は、友達のペレの生まれ故郷・スウェーデンの奥地の村へ、研究と取材の旅行に
出かける.
これは初めからペレの計略で、彼らは「夏至祭・・ミッドサマー」の生贄だったのです。
ダニー(フローレンス・ビュー)は精神の不調から無理心中した妹の事件を引きずって、
恋人クリスチャンは腰が引けてます。内心、面倒臭い女・・と思っている。
村のコミューンに着くと、男達は白い衣装・・・まるで修道士のようです。
女達も白い長着に金髪を伸ばして頭には花輪飾りをして、ロマンティックです。
が、最初の儀式。
老人2人が高い崖に運ばれて自らの意思で身投げをします。
割れる頭蓋、花弁のように開く脳髄。
もう1人の老人は足から落ちて脚がひしゃげて、砕けています。
(注!この老人が、ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』の美少年、
(ビョルン・アンドレセンの48年後の出演作だったと最近知りました)
そこに若い娘がハンマーを振り上げて、老人の頭蓋を叩き潰すのです。
このシーンで、この映画のやろうとしている事が飲み込めて来ます。
ここで私も突然ホラーに覚醒!!
クリスチャンと仲間も、なんとも言えない興奮状態に陥り、覚醒します。
コミューンでは薬物がごく自然に使われています。
そして長老がルーン文字で書いたという聖典。
人文学的好奇心と凄い論文を書いて驚かせたい・・・
撮影の許されなかった聖典を夜中に撮影に行くジョシュとマーク。
(そしてその夜から忽然と消えるジョシュとマーク)
90年に一度開催される「夏至祭」。セレモニーは続き、
クリスチャンには、「性の儀式」が、半ば強制されるのです。
(コミューンに新鮮な血脈を入れる為の種付け)
ここも嫌らしいけれど、目を塞げない・・・マジマジと直視しました、笑。
更に恐怖の儀式はエスカレートして・・・
いったいデニー、クリスチャンとマーク、ジョシュの運命は???
こんな美しく長閑な白夜の北欧、コミューンの秘密。
ホラ話だと思います。
(スウェーデンの人は、場所をカタられて怒ってませんかね?)
《こんな映画、最近観たことない。独創的で、新鮮でリアリティがある》
この映画の完成度は高い。
摩訶不思議な2時間半の擬体験でした。面白かった。
過去鑑賞
過去鑑賞
度々コメントごめんなさい。グランツーリスモは全然興味なかったのですが、皆さんの評判が良かったので鑑賞しました。
次回は初のドルビーシネマでの鑑賞です。
遅くにすみませんでした。🙇♀️
よく作られているので
退屈はしなかったのですが
カルト集団の様なところが苦手でした。
琥珀糖さんのレビューで
オモシどころがわかりました。
観たあとの後味は悪くないです。
白昼の中の惨劇と狂気がインパクトありました。
アリ・アスター監督の次回作はガラリと作風を変えて、ホアキン・フェニックス主演で、ある事業家の半生を描くコメディ・ドラマになるらしいです。4時間にもなると言われている大長編予定で、来年公開されるそうです。