「とにかく明るい横溝正史」ミッドサマー CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく明るい横溝正史
最近の若者は、ネタバレを調べてから映画を見ることが多いらしい。お金を払って観に行くからには、損をしたくないというのが言い分らしい。まあそれでも映画館に足を運ぶわけだから、まだイイのかもしれないがおじさんには良く分からない。
ネタバレして来場しているのかは分からないが、どうにも年齢層の低い女性客で埋め尽くされた「ミッドサマー」のレイトショー。印象に残ったのは、上映中のどのシーンと言ったものでなく、暗転明けた際の会場の空気である。若い女性らの悲鳴に近いざわつきが止まらない(ざまあみろ)。その喧騒は1階までのエレベーターでも続いていた(ざまあみろ)。
SNS界隈も騒がしているようだが、ここまで観た人間の感情を揺り動かしたら評価はともあれ大勝利だろう。
ショッキングなシーンは多いものの、何気に予定調和で進むストーリー。伝統や風習、文化という単語で片付けがちな、極一部の人間の常識がどれだけ怖いものかを突き付けてくる。ふと思う。描いているのは案外日本的だ。ホワイトを基調に青と黄色のIKEAカラーで美しく描かれてはいるが、彩度を下げ、明るさを抑えていくと横溝正史的な世界が見えてくる。
ほら、そんなシーンもあったじゃない。
足がさぁ、ほら。
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