グリーン・アースのレビュー・感想・評価
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神話ドキュメンタリー「森の物語」
フィンランドの北部の森が舞台、今ではヨーロッパで唯一残る原生林だそうだ。そんな森を子供たちにも大切にして欲しいとの願いからキム・サールニルオトさんとビル・スホネンさんが4年の歳月をかけて制作した。ただ森を映すのではなく物語を添えたのは古くからのフィンランド人の伝承にも興味をもって、畏敬の念で自然と向き合って欲しいとの願いでしょう。
映画は息子に父親が森の誕生のフィンランドの神話を語るナレーションから始まり、冬から秋までの森の営み、動植物の映像をクラッシックをBGMに映してゆきます。
フィンランドの森は寒冷地なので冬は豪雪に覆われ、嵐も襲う厳しい環境、身を竦めながらの鑑賞となりました。動物も出てきますが殆どはカケスやフクロウなど鳥の絵が多い印象、個人的には捕食シーンが無かったのは助かりましたが過酷な自然の中で健気に生きる動物たちには憐れみすら感じますが飢えの心配が無いとはいえ動物園の方が良いかと言うとこれまた別問題、都会暮らしにどっぷり浸かった身の上では原点を見つめ直すのも辛いものだと複雑な心境にいたりました。
映画の終盤に来て森の誕生が語られます。
フィンランドの神であり英雄でもあるワイナミョイネン(Väinämöinen)は何もない陸地を見て若きサンプサ・ペッレルボイネンに種蒔きを命じました。
山にはモミの種を、小高い土地には松の種を、谷には低木の種を、沼地には白樺の種を蒔く・・、そして森が生まれたのです。
巨木が天空を支えているという世界樹も出てきますが、これは北欧に限らずマヤ、アステカからシベリア、モンゴルにも伝承があり、一部の進化生物学者は遥か昔、人類の祖先が森で生活をしていた名残り、巨木に対する特別な思い入れが集合的無意識として受け継がれたのではないかと言っています。
神話の国フィンランドらしいドキュメンタリーですが北欧神話には馴染みも薄くナレーションの男性のトーンが硬いので無い方が良いと好みの分かれるところかもしれません。個人的には、南国の楽園や癒される動物ものの方が気楽に愉しめる方なので感想は微妙です。
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