劇場公開日 2019年11月29日

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「まるっと。」羊とオオカミの恋と殺人 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まるっと。

2019年12月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大丈夫?返り血かかってない?
…か、かわいい。

ラブコメにしてもスリラーにしてもなんだか中途半端。
設定はかなり面白いのに、なかなか爆発してくれないストーリーのヌルさにだんだん飽きてしまった。

「カッターを刺して、掻っ切りながら、引くだけ。」
自分のルールに則って次々と殺していく宮市にキュンキュンしてニヤニヤ観ていたのに、一々水を刺してくる黒須にイライラが止まらない。

まるっと好きと言うならば!殺人趣味も含めて全部全部好きになりなさい!
宮市さんは普通のままだとただの胡散臭い美人にしかならなくてつまらないんだから!
殺してる方が魅力的に決まってるでしょ!

どこか歪んだ関係も、結局振り切れずにぼんやりと終わってしまったのが悲しい。
一瞬モゾモゾしたのに。
どうしたって殺さずにいられない宮市と、二人だけの幸せを見つけて堕ちながら昇って欲しかったのに。

死体回収の玲奈たちがとても気になる。
新鮮な死体を必要とする人々って、一体どんなんですか?食べますか?人肉食べてますか?
ピアスのパーツが指から耳、唇と変化していったらもっと面白い。

食事から始まる二人の関係、食べるシーンが印象的だった。
どうせなら人肉食べても良いのにね。
間接的ながら小動物に対する残酷描写を挟んでくれたことは結構嬉しかった。

二人の住むアパートの築年数40年くらいの雰囲気がリアリティあって好き。
洗濯機を外置きしなきゃならない構造も、内装はある程度リノベーション済みの感じも。
家賃は5〜6万てとこですか?ですよね?都心の方なら7万くらいしちゃうのかな?
一人暮らしを始めてからというもの、映画における「一人暮らし部屋」が妙に気になるもので。特に女子の。

生活の常についても気になりがち。
黒須が覗いていた時の宮市の振る舞いは、もう完全に人に見られる前提としか思えないほど綺麗で少し腹が立った。
でもちょっと壇蜜みたいでムフフとなったりもして。壇蜜っぽいよね?なんか。綺麗なおねーさん感が。

私も誰かに覗かれている前提で常に色っぽい仕草で日常を生きていこうかな。無理かなー。
飽きゆくストーリーをボーッと追いながら、自分の住むマンションの住人のお兄さんにご飯を作ってあげて恋中に発展する妄想を少ししてしまった。

KinA