「総合的には楽しかった気がする」映画ドラえもん のび太の新恐竜 ひとくちさんの映画レビュー(感想・評価)
総合的には楽しかった気がする
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前半の恐竜を復活させ、育てるシーンはみずみずしくとても楽しかった。
ウダツの上がらない日常と恐竜を育てる特別な時間の対比は映画らしくて好き。
飯の用意や突然の病気等のトラブルにのび太なりにできることを考え奔走する姿も丁寧。ジオラマもいかにもドラえもんらしくて楽しい。
ただ、後半の盛り上がりが詰め込みすぎで少しダルかった。
恐竜➡鳥のミッシングリンクに関するミステリーは大ネタとして興味深いし、劣等性も視点を変えれば個性になるっていう科学的な眼差しに感心もするんだけれども…
TPの敵と見せかけてのミスリードはガックリ来る。ジャイアン撃たれてるし。
しずかちゃんがのび太を慰めるシーンもエンタメ用のエモ要素や情操教育上の要請だと思えば楽しいけど…
納得いかないのは、詰め込んだ結果「詰め込んだな」っていう感想が先に出てしまうことだと思う。あと、単純に冗長。
のび太が親心や社会性に気付くっていうのが感動のポイントなんだけど、恐竜と友達になったという大きな経験の前でなんかバランスが悪いように感じてしまった。
最後SF考察になるが、のび太が持ち込んだジオラマセットは歴史上大きな役割を担ってしまう事になるので、きっとジュラ期での落とし物はTPに回収されてしまうのではないだろうか。キューとミューのいた世界線は何処かに消えてしまうのかもしれないと思った。ぴー助の登場なんかもそういう風に見ればロマンチックじゃないかな。
まとめると前半は面白かった、後半はちょっと的はずれに感じた。
ただ、恐竜描写やSF考察は迫力あったしアニメーションも情緒豊かで総合的には楽しかった。
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