「素晴らしいの一言」ソワレ green jeffさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしいの一言
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夏の吐き気を催すような蒸し暑さと対比的に映し出される砂浜と海。
若者たちの生きるということに対するどうしようもない寂しさと迷い。
神様は試練を与えるがどこかに逃げ道を作ってくれている。しかし、どこに散りばめられているかは分からない。
二人が逃亡した意味。
二人はそれぞれが抱えた絶望や鬱屈を振り払うためにに逃げ続ける。
泥臭く。ときには現実が迫り、ときには過去の暗い影にまとわりつかれながらも必死で逃げる。
翔太には言いようの無い孤独と逃れようの無い挫折が。
タカラには身を切られるような過去の記憶とトラウマが。
二人の逃亡はそんな現実に対する必死の抵抗と
希望への渇望に満たされていた。
そして行き着いた先の二人のソワレ。夜の公演。
登場人物はとにかく人間臭く、そんな彼らには時として胸を締め付けられる。
それだけに衝撃は待ち構えている。
翔太は果たしてその後タカラを迎えに行ったのだろうか?
二人は再会したのだろうか?
きっとそうであってほしい。
いや、そうでなければならない。
映像美、美しい音楽とともに本当に良く練られた脚本。
久々に映画を見た。そんな風に思わせてくれる作品でした。
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