今さら言えない小さな秘密のレビュー・感想・評価
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中年男性が主人公のフランスのコメディ
自転車レースの本場で自転車に乗れないのは、日本で自転車に乗れないことより結構大層なことに違いないけれど、かと言って、絶対人に言えないほどでもないでしょう、というか、言うよりしょうがないでしょう、という状況に(笑)長い人生をかけて追い込まれていく主人公の様子がユーモアとペーソス溢れたタッチで丁寧に描かれていて可笑しい。
俳優陣、脚本、関東、撮影にセンスを感じるコメディだった。
自転車の乗り方って…
どうだったろう。。子供の頃、確かに補助無しを練習したけど、割とすぐに乗れていた。教えるのも、倒れないうちに漕ぐとしか言いよう無い。恐らく皆そうなんだろうけど、この映画はそこを上手くついている。乗れないのだから仕方ない。他人からすれば小さいことだけど、ラウルにとっては人生をかけた秘密。父の死、自転車修理屋という仕事、運命の人との別れ、妻との約束、小さな村での自転車の英雄という地位、全てが秘密で守られている。それを大切な人には打ち明けようとする様、隠そうと必死になる様、妄想する様、全てが滑稽ながら、ほのぼのしてる。いいおっさんなんだけど、子供そのもの。遺書まで書いて、親友となったカメラマン・エルヴェのため、自転車に乗ると言い出すところが人の良さ。ラスト本当のことを妻にも親友にも伝えることができて良かった。エルヴェも、まさか動いてるものが撮れないカメラマンとはw しかし、他人には簡単だけど、自分は意外とできないことって、誰しもあるかも。村の風景、周囲の人々、音楽もそうだし、とてもほっこりした気持ちになった。
どうせやるなら、思いっ切り行く。
隠してたけど嘘は付いてないから。確か。二人とも。
今年、フランスを代表する劇作家であり映画監督であるサシャ・ギトリの作品を、劇場で数本見る機会がありました。全てトーキーです。それで気付いたんです、今更ですけど。語りで話を進めて行く演出は、とどのつまりはトーキーなんだと言う事に。
この映画の原作者、ザン・ジャック・サンペは1932年生まれ。ギトリは1957年没。こりゃ影響受けてるよなぁ、って思いました。シニカルが漂う、切なくて、遣る瀬無い物語りを、お馬鹿なコメディタッチにする運びとか同じ作風。それが「おフランス」じゃん、と言ってしまえばそれまでなんですが。
やっぱり好きです、このタッチ。来い来いされたら、ホイホイ行きます。楽しくクスクスしたいですから。
まぁ崖から飛んでどうやって助かったのかは謎だけど、あの写真は笑える。告白しようとすれば必ず雷を呼んでしまう巡り合わせなんて、俺なら悪用しちゃいます。嫌なヤツに告白すれば良いんでしょ?
致命的な欠陥は、視点を変えれば別の機会を産む。自動車評論家が皆んなレーサーかと言うと、そんな事は無い訳で。レーサーには分からないものを見ている人は沢山いる。要は欠点より長所。
ギトリには無い温かいラストに、ホンワリ幸せな気分になってしまう佳作だった。が。主役の親友コンビが、昔のサッカーブラジル代表、ジーコとファルコンに見えちまうんですけど。なんか似てるw
作品の評価が出来ない。
何とも内容のない作品ではないか。子供の時に???が***いというのは判るが、
青年になっても???を*ら*ないというのは、勉強しない人だとつくづく感じた。
舞台がトゥールドフランスが行われる場所であるというのも内容として監督自身、手の凝った話になっている。???を捨てるつもりが???が追いかけてくる。だったら、???は誰が*ってもいつかは*ら*るということを真面目に考える私自身が愚かなのか。???を*るためのコツは「ブレーキ」を上手く使えるかどうか。その男が、???修理屋の経営とは。何度も修理していれば、乗り方の「コツ」を弁えていると思うのだが、大人になってもブレーキを上手く使いこなせないのは、過去の失敗からの勉強が足りない。それにしても、誰一人として*り方のコツを教えてあげない所は冷たい人ばかりで、寂しすぎる。
主人公が「聞く(勇気)は一時の恥聞かぬ(後悔)は一生の恥」という諺を、地で行く作品に仕上がっているとも言える。
この作品の唯一の見どころと言えば、舞台になっている南仏のプロヴァンスであるという所。雄大な自然の美しさは素晴らしい。要所々々画面に映し出される景色には憧れるし、時折雷雲が連れてくる稲光。季節の移ろいゆく美しい変化は、素晴らしく良かった。
ところで、主人公の子供達は???に*ら*たのだろうか?そこまで描いていない点は、かなりのマイナスである。
注釈:???=自転車、*=の or れor な
とてもとても良い作品です♪
予告編を観た時から、結構楽しみにしていた作品で、都内では好きな映画館の1つでもある「シネスイッチ銀座」のみの上映とあって、時間を作って観賞しに行きました。
で、感想はと言うと…うん、良いですね。
質の高い良質の作品です♪
フランス映画って、シャレオツな作品のイメージがありますが、その反面ド変態の鬼畜外道な作品も多々あって、それはそれで面白かったりするんですが、これは正調なフランス映画ですw。
自転車修理工として村ではちょっとした有名人のラウルは小さい頃から自転車の乗れない事をひた隠しにしている。
結婚もして、子供にも恵まれているが、やはり自転車に乗れない秘密を持つ事を苦悩している。
村人の写真を撮影しているカメラマンのエルヴェと友情を育んでいくが、自転車に乗れない秘密は次第に隠しきれなくなっていく…
と言うのが簡単なあらすじですが、とにかく良くまとまっていて、時折クスッと笑わせて、ライトに楽しめて、共感も出来るとても整った作品。
90分と言う上映時間もナイス♪
周りは自転車に乗れる事が普通に当たり前で、父親も自転車での郵便配達をしている。
自転車に乗れるのが当たり前の材料が整い過ぎているのに子供の頃から自転車に何度挑戦してもダメ。
もう、それはそれはそういう運命と言うか、自転車に乗れない才能があるとしか思えないぐらいw
大人になっても自転車に乗れない人って多分いると思うんですが、自転車に限らず、“えっ? こんな事が出来ないの?”ってことはあると思うんですよね。
・ニンジンが食べられない。
・泳げない。
・虫が触れない。
・玉子が上手く割れない。
etc etc…
子供の時には出来なくてもちょっと恥ずかしい事が大人になったら出来ない事がおおいに恥ずかしい事って結構あると思うんですよね。
ただ、ラウルは誤解から皆に自転車の達人的に見られて、それをひた隠しにして、大人になって自転車修理工になって、大好きな奥さんに見損なわれない為に内緒にしている。
他人から見たら“バカだなぁ~”と思うことでも当の本人にしたら、凄く深刻。
そのギャップ差が面白いんですよね。
他にもいろんな事がなんとなくほんわかした感じで、ラウルは小さい時からず~っとオーバーオールを着ている。それが物凄く愛嬌があって好感度が高い。
奥さんマドレーヌも綺麗。子供達も可愛らしい。
カメラマンのエルヴェもダンディーで良い奴。
何よりも舞台となるプロバンスの村が凄く綺麗。
絵に描いた様なフランスの田舎町で風光明媚で良い感じでさぞかし良い人生を送れる感じw
そんな良い村で生活している人達なので皆良い奴ばかり。
もう幸せになれる要素を揃えまくった作品なので、観ていてハッピーになれるんですよね♪
難点があるとすると…タイトル通り「今さら言えない小さな秘密」はラウル本人にとっては今さら言えないと言うだけで、他人から見たら大したことのなかったりする事なので、同じ所を右往左往している様にも思えたりするぐらい割りと淡々とした感じに、ちょっと中弛みがしなくもないかなと。
でも、それ以上にクスッと笑わせる所が結構あって、ラウルが子供の時に自転車とコテンとこける所なんか、凄く可愛らしい。
また、自分が自転車に乗れない秘密を他人に打ち明けようとすると何処からか雷が“ゴロゴロ…”と鳴り出すw
いろんな細かい部分も丁寧に作られてます。
…あっ!終盤でラウルが崖から自転車で飛んでるイメージのシーンの映像はちょっとチープw
あえて狙ってだったのかな?
大作ではないけど、良い映画観たなぁと思える、とにかくミニシアター系の王道的な作品です。
観終わった後に、小さな幸せの余韻に浸れるので、是非お薦めですよ♪
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