「こどもの情操教育に良い映画?」ドクター・ドリトル ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
こどもの情操教育に良い映画?
原作とはかけ離れた内容に批判もあるかとは思いますが、これはこれでとても面白い楽しめる作品になっている。原作にある動物と話せるドクターという要素だけを取り出して、全く別物のエンターテインメント作品を作り上げた。アドベンチャー系のコメディといった感じでドキドキの展開もあるし全編笑える要素満載である。ロバート・ダウニー・Jrが言っているように、こどもからおとなまで楽しめるという謳い文句はうそではないだろう。
こどもは大体が動物好きだから、動物と話せるというファンタジーだけで魅力を感じるに違いない。見かけとは違う動物の性格もアピール度大である。臆病なゴリラや寒がりな白クマなんていうのもコメディの王道的な設定で大うけ間違いない。外見だけで判断してはいけないという今日的な教訓も入っているのかもしれない。動物のユーモラスな姿を描くことにスタッフが全力を注いでいるのが伝わる。動物に心があったらこんなことを言うんじゃないかと想像させる所が巧みである。ちゃんと分かりやすい悪者も出てきてドリトルと動物たちが協力して立ち向かう場面はスッキリする。
一方おとなはそんなファンタジーにとらわれてはいられない。1998年の第1作を見た人はエディ・マーフィの方が良かったと思うかもしれない。現代風のエンターテインメントに影響されすぎている。アベンジャーズじゃないんだから、もっと人間と動物たちの真面目な交流が描かれてもいいんじゃないかと思うかもしれない。今時こんな子供向けの内容で興行収入は大丈夫かと思うかもしれない。
ディズニー風でもありマーベル風でもあるこの作品、見て損はないと思います。