「悪評の理由を推察してみたのですが。」キャッツ お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
悪評の理由を推察してみたのですが。
悪評ばかりが目につく「cats」ですが、怖いもの観たさみたいな意味もあり、観てきました。
ストーリーの進行がモサモサしており、前半はちょっと眠たかったですが、言われているほど悪いとは思えなかったです。
なぜこの映画が悪評ばかりなのか。
私なりに感じた点ですが、観客側が「猫好き」か「猫嫌い」か、猫をペットとして飼ったことがあるかどうか、という観客側の要因に左右されるのではないだろうかと思い至りました。
私は猫嫌いですし飼ったこともありませんので、登場する「猫を演じる役者」は「人間が猫をかぶっている」以外には見えなかったですし、だからこそストーリーを楽しめたのですが、観客の多くは猫好きでしょう。
自分の家に飼い猫がいる人も少なくないでしょう。
そうなると、観客自身が知っている猫とはまったく違うという点に「認知上の不調和」が発生して不快を感じる人が多かったのではないかと思ったものです。
お話の最後で、猫役の役者が観客に向かって、猫を飼う時にはどうたらこうたらと能書きを並べ立てますが、これこそはまったく不要というか余計なお世話というか、この部分で怒りが沸点に達した猫好きも、さぞかし多かろうと思った次第です。
ミュージカルだし、バレエ映画だし、と割り切って観てみれば、なかなか上質の芸術作品だと思います。
なんですけど、生理的に受け入れられない人には徹底的に受け入れられないのだろうなと思ったものでした。