「ジェリクルキャッツになりたくない --- 人間でも猫でもない得体の...」キャッツ とーりさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェリクルキャッツになりたくない --- 人間でも猫でもない得体の...
ジェリクルキャッツになりたくない --- 人間でも猫でもない得体のしれない生き物達がスクリーンを埋め尽くす世紀の(?)問題作を見た!内容が全然頭に入ってこない、キャラクターの名前も誰一人(一匹?)として思い出せない。頭に焼き付くものがあるとするなら、それはとりあえずグロテスクで騒々しくカオスな吐き出された毛玉みたいなビジュアル。そして何故かそいつら皆常に何とも言えない恍惚の表情を浮かべている(からムラムラしたという表現も頷ける)。それの極め付きが一応主人公っぽいフランチェスカ・ヘイワードの常にうるうるした大きな瞳で見上げてくるような視線である、本来かわいいはずなのに少し不気味。笑い所だと思しき部分も漏れなく笑えない。だから猫が毛皮着ているだの靴履いてるだのはもはやどうでもよくなる、普通に怖いから少し毒舌になるが一体何がしたかったんだとツッコみたくなる。ニャー!
自己紹介総集編と猫の取扱説明書ここに映画的カタルシスも感情移入のへったくれも無い --- それでも本作を見る唯一の理由・価値があるとすれば、それはジェニファー・ハドソンのべらぼうに素晴らしい歌声だ! あと本作のためにアンドルー・ロイド・ウェバーがスターの粉振りまきまくりなテイラー・スウィフトと一緒に書き下ろしたっぽい新曲Beautiful Ghosts。個人的にミュージカル版未見でキャッツというコンテンツ自体に触れるのが恐らく初めてだったためミュージカル好きとして様々な楽曲楽しめたが、やはり映画にそもそも向かないのではないかとも言いたくなるプロットだという点もある(新参者続々矢継ぎ早に出ては若干退場気味に引いていく忙しないのに超の付く薄味パーティー/メドレー祭で感情移入遮断)。ジュディ・デンチ御大はモーガン・フリーマン、猫との関わり方を根絶丁寧に説明してくれる役回り。彼女とイアン・マッケランのベテラン勢や、一番最初に名前がクレジットされるジェームズ・コーデンにレベル・ウィルソンの体型イジりオッケーなコメディ勢等は比較的適材適所かなとは思った。あとイドリス・エルバは安定の悪役っぷり。だけどやっぱりこのアカデミー賞もグラミー賞も絡んできた豪華セレブリティ共演オールスター作品は多かれ少なかれ皆のキャリアに「?」をつけそう。CGIのキャラから顔浮きまくりなコテコテショータイム、とりあえず他人に媚びるなってことだな。猫は気高い生き物だとか何とか言ってる割に、ジュディ・デンチにめちゃくちゃへぇこらしてるし(笑)。と、コレはある意味で一夜の悪夢か、コレが犬にも起こらないことを願おう。ワン!
映画化知って「お、キャッツ映画化!」→予告見て「怖っ...高まらないな」→向こうのレビュー大荒れで「爆笑。やっぱり見に行かないかな、うん」→公開近づいて「いや、けど気になるなぁ〜逆にあそこまで言われると新たなカルト映画誕生か?」→友達に助言求む「やっぱり映画ファンとしては」→→実際見て「・・・」