「舞台は、どれだけ素晴らしいのだろう??」キャッツ しばもんたさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台は、どれだけ素晴らしいのだろう??
舞台のCATSは、未鑑賞。
ミュージカル映画を鑑賞するのは、「レ・ミゼラブル」「グレイテスト・ショーマン」「ラ・ラ・ランド」に次いで、四作目。
結論から言って、深みが足りない。
場面ごとに、有名歌手の一風変わったMVを観てるような感覚。
ストーリーが薄く、登場人物の掘り下げもない。
言動の猫っぽさはわかる。
映画の最後に猫の好物を列挙している場面で、周囲の猫がその食品を想像して舌なめずりしている様は、本当に猫そのものに見えた。
しかし、視聴者が求めていたのは、細かい猫っぽさだったのか?
CGを利用したキャラクター造形には、違和感を覚えた。
特に映画冒頭、ゴミ捨て場に這い出る猫姿の人間は、グロテスクだった。
ディズニー映画の「ペット」のようなアニメーションにするか、
「ライオンキング」のように実写よりにするか、が最適解だったと思う。
人が人以外をその身で演じるという虚構は、舞台空間のなかでしか成立しないと思うに至った。
リアルな背景、奥行き、カメラワークなどは、その素晴らしい演技・演出に、ただただ余計なものだった。
ロングランを続ける名ミュージカルなだけに、映画でぐちゃぐちゃに見えた各場面も素晴らしい演出になっているはずだ。舞台演劇の素晴らしさを知るために、見に行きたい。